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卒業生からのお知らせ)12/1夜 写真展と映画会「イラク・戦場からの告発」
2007/11/20
卒業後も、自然とともに暮らす道をもとめて、「元気に絵を描き続けて」おられる白
石悦子さんからのお知らせが届きましたので、転載いたします。
以下引用
さて、今日はお知らせとお願いがあります。
来る12月1日の午後7時30分より、フリースペース「はりはり」にて映画の上映
会と写真展を行います。
映画のタイトルは「イラク・戦場からの告発」といい、
去年、ジャーナリストの西谷文和氏がイラクに入り、現地の子供たちに視点を向けて
つくられたドキュメンタリー映画です。
私(白石)の卒論に協力して下さった有機農業をしている須佐町の中村光則さんが、
他県でこの映画の上映会を何度か開いており、
今回、山口にて上映会をするにいたり、それに協力することになりました。
いっぽう写真展は、「人間いきいき研究会」所有のインドのアランおよび、バングラ
ディッシュのチッタゴンにおける廃船解体現場の写真です。
今展は、実際現地に行った朝日新聞社の女性の方が担当します。
○内容
映画のタイトル:「イラク・戦場からの告発(32分)」西谷文和氏
日 時:2007年12月1日(土曜日)午後7時30分~
会 場:はりはり(岡村家:山口市道場門前2ー3ー8:道門第一駐車場す
ぐ横)
料 金:無料(「イラクの子どもを救う会」に寄付するため、カンパを募り
ます)
同時開催写真展:「船の終焉~船舶解体の人的犠牲」
連 絡 先:みんなでみる会
*当日は萩市須佐町で有機農業を営む、中村光則さんの新米を使ったおにぎりを用意
します(無料)
温かいお茶を用意しますので、コップをご持参下さい。
引用終わり、
白石悦子さん手作りのポスターが、木曜日以降、安渓研究室前あたりに貼られる予定
です。
安渓のおまけ。
インターネットで調べてみたら
http://blogs.yahoo.co.jp/tbfnn923/22047888.html
「イラク 戦場からの告発」(DVD)は――
イラクの子どもを救う会の西谷文和さんが現地で取材したものです。
内 容
1 しのびよる放射能の恐怖ー劣化ウラン弾の実態
2 わざと残す不発弾ー「チャイルドキラー」のクラスター爆弾
3 フセインとアメリカーかくされた真実
4 急増する戦争被害者ーアメリカの犯罪を告発する
5 戦争あかんーイラクから日本へ
※ 胸が締め付けられる内容です。「戦争今すぐやめて!」と強く思う内容です。
海洋政策研究財団:ニューズレターより
http://www.sof.or.jp/ocean/newsletter/110/a03.php
チッタゴン船舶解撤場の現状
写真家◆山田 真
バングラデシュのチッタゴン解撤場は、老朽船の解体に、海洋の潮位変化と2万人に
及ぶ労働者の人海戦術を活用する「ビーチング」と呼ばれる方式で、世界第三位の船
舶解体量を誇る一大船舶リサイクル地域となっている。しかし、このビーチング方式
では人体と海洋に与える影響が懸念されてもいる。
2万人の人がまるで蟻のように巨大な船に群がる
バングラデシュ第二の都市チッタゴン周辺の海岸は、ベンガル湾の最奥に位置する。
この辺りは、ガンジス河とブラマプトラ河から吐き出された大量の土砂が堆積する浅
い海が延々と続く。干潮時には海岸線が800メートル近く後退して広大な干潟が現れ、
潮位は5メートル以上変化する。
チッタゴン船舶解撤場は、寿命を迎えた老朽船を海洋の潮位変化と2万人に及ぶ労働
者たちの人海戦術を活用する「ビーチング」と呼ばれる方式で解体し、リサイクル材
として分別収集を行う世界第三位の規模を誇る地域となっており、解体された船の部
材はバングラデシュ国内と周辺国へ重要な再生資源として供給され続けている。
チッタゴンで解撤が初めて行われたのは、バングラデシュ建国以前の1965年だと言わ
れている。当時東パキスタンであった南部一帯を巨大なサイクロンが襲った際、沖を
航行していた一隻の貨物船が高潮に飲み込まれ、現在のチッタゴン解撤場の南の端に
あたるフォーズダルハット村近くの海岸に漂着した。その貨物船をチッタゴン港の港
湾技術者の指示によって解体したのが最初だと言われている。そして、その直後に勃
発した第二次インド・パキスタン戦争で、パキスタン軍の攻撃を受けて航行不能に陥っ
たインド海軍の3隻の軍艦を貨物船の解体経験者たちが、現在のチッタゴン解撤場の
あるバティアリ地区に曳航して解撤を行ったのが、現在この場所で解撤が行われる契
機となった。
解撤場へ老朽船が集結するのはほとんどが大潮の日だ。満潮を迎えた時、沖に停船し
ていた船は汽笛を上げて一気に解撤場へ向けての自走を開始する。解撤場に掲げられ
た赤と黄の2本の誘導旗の間を目指して見る見るうちに陸地へと近づき、空荷の船体
で全速力のまま浅瀬に乗り上げ、船としての最後の仕事を終える。潮が引いた後、干
潟には静かに巨体を横たえる船だけが残る。小さな人間たちが老朽船へ、獲物に群が
る蟻のように取り付いていく。
老朽船は、船首からガスバーナーによって大まかに分断される。船体は陸地に設置さ
れた直径2.5メートルほどの巨大なウインチから引き出された2インチ径のケーブルを
掛けられ、陸地の作業場へ引き寄せられ本格的な解体がはじまる。作業場は、形を失っ
た船の巨大な残骸が辺り一面に散乱し、船体を切断するガスバーナーから上がる白煙
と鋼鉄の焼ける匂いに包まれている。労働者たちは切断された鋼板の周りに集まり、
重量が1トンを越える鋼板を一気に担ぎ上げ、鋼材圧延工場に向かうトラックへ延々
と積み込んでいく。労働者たちの日給は、80-100タカ(240-300円)。給与水準は、
毎日仕事があったとすれば、おそらく平均より少し低い程度だろう。作業着や手袋・
マスクなど、労働者たちに供与される物は一切ない。そして未成年労働者もここには
多く働いている。
チッタゴン船舶解撤場。いくつもの老朽船が2万人に及ぶ労働者たちによる人海戦術
で解体され、船体に用いられた部材・エンジン・艤装品など、あらゆる物がバングラ
デシュと周辺国へ再生資源として供給される。また、解体されるタンカーのほとんど
は、油槽内が未洗浄のまま解撤場にやってくるため、解体が進むにつれ、油槽に残っ
ていた油は海洋へそのまま流出してゆく。
この解撤現場から私たちは目を背けてはならない
現在、チッタゴンで解体される船舶は70年代後半以降に建造された大型商船で、その
7割が日本製で占められている。これら大型商船は、経済発展を遂げた先進国の、よ
り大きく、より早く、より経済的に、という要請により造られた「繁栄の遺物」と呼
べるかもしれない。
大規模な解撤場は、チッタゴンの他にインド、中国などにも存在する。チッタゴン解
撤場は、それら他の解撤場と較べると一段と労働集約性が高い。作業の効率化を図る
起重機類の活用は勿論のこと、労働者たちが安全に作業を進めるために必要な最低限
の環境整備もほとんど行われて来なかった。その背景には、解撤場サイドの労働環境
に対する意識の低さと、設備投資をするための資金不足。そして、人件費の高騰から
既に先進国では立ち行かなくなってしまった大型船舶解体が、途上国で行われている
実状を私たちが注視して来なかったことも大きく影響している。
最近、環境への意識の高まりから解撤問題が注目を集めている。主要解撤国で行われ
ている「ビーチング」方式は、老朽船に使われているアスベストや PCB、TBT等の有
害物質が人体に与える影響、解体時に垂れ流しにされる残油と汚泥が海洋に与える影
響が国際的に懸念されている。このため、老朽船を解撤場へ引き渡す際のルール作り
や、他の解体方式への転換、解体場所の移転なども含む議論が国際的に行われている。
市場での競争力を維持したまま新しい解撤環境の構築を手助けすることが、いま、先
進国に求められていることだろう。船舶解撤場を、先進国と途上国の深刻な格差を象
徴する場所ではなく、最良のパートナーシップを発揮する場とすべきであろう。(了)


