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#まる新聞 )171号+174号 #猫が発行している #地域新聞 に#祝島 #脱原発裁判 #中間貯蔵施設
2025/04/08
中央構造線の両端は活断層
四電の海底地形図=佐多岬半島の北岸が空白
上関から20キロ圏内の市町
2025年3月チラシ
174号みけこ
まる新聞 171号241227 脱原発裁判伊方
まる新聞 174号250331 原発集会
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171号2024年12月27日発行=村田みけこ
裁判報告 ② 伊方原発差し止め請求
原発沖600mにある中央構造線は活断層なのでは?
前号に引き続き今号も、くみこが山口地裁岩国支部で傍聴する脱原発裁判を報告します。四国電力を被告として、174人の住民が伊方原発の運転差し止めを求めた山口裁判は11月に原告側の証人尋問を終え、12月に四電側の証人尋問を終えました。来年4月に結審、来年度中に判決の日を迎えます。
くみこ 2017年に原告団に入りましたが、準備書面はあまり入手してないし、コロナの4年間は全く傍聴していないので、今号は、今年印象に残った問題に絞ってお伝えします
みけこ 5月はプレゼン、6月から証人尋問が始まりました。6月は原告3人による本人尋問、7月は三次元探査の芦田譲氏、10月は火山学の巽好幸氏、11月は地質学の小松正幸氏と構造岩石学の早坂康隆氏。12月は四電側が四電社員の大野裕記氏を呼びました
くみこ 山口裁判の最大の争点は、中央構造線です。小松証人と早坂証人は、「中央構造線活断層が伊方原発の600m沖にある」と訴えて、山口、愛媛、広島、大分で差し止め訴訟を闘ってきた研究者です。今回証人となってくださった先生方はみなその道の第一人者ですが、新しい知見を吸収し謙虚に考えも変えていく、という姿勢が四電側と全く違って見え、ご本人を前にしなければ得られない感動を覚えました。「海底調査の最先端はすでに何十年も前から三次元だ」という芦田証人の訴えは直に胸に響きました。専門用語はあとで意見書を読みこまないと理解できませんが、「医療で言えば今は、レントゲンで分からないものをMRIで見ようという時代。二次元と三次元の違いってこういうことか」と理解すると、痛快でした
◆「中央構造線活断層帯」と「地質境界としての中央構造線」がある?
みけこ さて、四電は原発の沖合8㎞辺りに中央構造線活断層帯がある、と言ってきました=左図の白い海域に、四国北西部の陸域に平行して走る長く赤い線
くみこ そしてもうひとつ、原発敷地から2㎞以内に「地質境界としての中央構造線」があることを認めています=左図の紫色の四国北部や佐田岬半島に沿って走る紺色の線MTL。ここが活断層でないことは、発電所周辺海域の音波探査により確認済み、というのが四電の言い分です
みけこ これに異を唱えているのが小松証人と早坂証人です。原発沖600mにある中央構造線が活断層の主断層であり、8㎞沖にあるのは従属する活断層帯だと主張しています
くみこ 四電は、原発が堅固な岩盤の上にあることを地域特性として耐震設計しています。が、早坂証人は、その岩盤は剥離し滑り落ちやすい、と言います。岩盤を戴せた地盤は、断層のこすれあいによってできたもろいダメージゾーンだ、というのです。そうだとするなら、堅固な地盤を前提として定めた原発の揺れの最大値(基準地震動)は、650ガルでは全く足りず、耐震性への信頼は覆ります
みけこ 京大などによる17年の調査では、四電の言う「地質境界としての中央構造線」が別府湾の「佐賀関活断層」とつながっていると確認されました。現在では、「地質境界としての中央構造線」の東西両端が活断層とつながっていると認められています=左図
くみこ 山口裁判の会は実は仮処分で1度勝訴していて、広島高裁は20年に運転差し止めを決定しました。理由は、「専門家の間でも意見が分かれており、沿岸部の活断層の可能性を否定できない」「四電の探査は、地震調査研究推進本部による中央構造線断層帯の長期評価(第2版)に採用されていないことからしても、不十分」というものでした
みけこ 高裁の運転禁止命令の意味するところは、止めて追加調査しなさい、という促しだったと私は思っています。でもそれに対抗して四電は異議審を申し立て勝訴。四電は調査をしないまま現在に至っています
◆二次元調査に頼らず三次元調査を
くみこ 四電が問題なのは、再稼働の認可を受けるための14年までしか調査せず、それも半世紀前に主流だった旧来の二次元探査で済ませたことです。中央構造線の調査解析を、四電は20年に「高橋ほか」の連名で雑誌に載せ、権威ある査読論文としました。前述の「長期評価」対策でしょうが、データは14年までの二次元探査の再録、使いまわしです。6年もかけてナニやってんだか、と思います
みけこ 見解が異なるからこそ四電は地質境界としての中央構造線を三次元探査し、構造を知るべき、と言うのが芦田証人です
くみこ 四電作成の右図は、灰色部分が四国の陸域、黄色が海域ですが、佐田岬半島北岸と海の間に白い部分がかなりあります(印刷すると見えにくい。ご容赦を)。ここについて芦田証人は「沿岸から約100mは全くデータがない空白部だ」と言います
みけこ 原子力規制委員会は厳格化した新規制基準の目玉として、原発敷地と近傍の地下構造を三次元的に把握するよう求めています。しかし「水平成層構造と認められる場合を除き」と抜け穴がついているのがミソです。四電の主張は当然「海底は水平」です
くみこ そこで面白かった一幕が、12月の四電側の大野証人に対する裁判長の補充尋問です。
証人 「複数の堆積層の境界が平らであることが、水平ということです」
裁判長 「海底が水平かどうかを知るために調査するのではないですか」
証人 「内湾であれば水平だし、この湾は古くから調査をしています」
みけこ お答えが、かみあってませんよ~
くみこ 私は胃がん検査するならバリウムでなく断然、内視鏡です。四電の社員は二次元で命を守れるのか、と聞いてみたいです
174号2025年4月2日発行=村田みけこ
「上関原発も中間貯蔵施設も建てさせない」大集会にしませんか
上関原発を建てさせない山口大集会が3月22日、山口市で開かれました。参加者は約800人(主催者発表)。2014年に始まり、コロナによる中断を挟んでも続けられる集会の意義は非常に大きいです。私は今年、田布施(たぶせ)町議選の報告に快哉し、また、中間貯蔵施設の賛否アンケートをした柳井市民の取り組みに多くを学びました。が、疑問も残っています。 集会名は 「上関原発を建てさせない」 のままでいいのでしょうか=右の写真はチラシ。 時代は「中間貯蔵施設を建てさせない」 に変わっています。 (くみこ)
◆田布施町議選で建設反対派が過半数
みけこ さて、田布施とか柳井とか分かんないよ、という読者は右の地図を見てください
くみこ 先に、田布施町がどんなところかおさらいしましょ。上関町の西北に位置し、人口は約1万3500人。岸信介、佐藤栄作の二人の総理大臣が輩出しています。住民はみな岸派か佐藤派のどちらかで政治的に動いてきた保守王国です。現在も参院議員、衆院議員の二人の国会議員がいます。衆院議員は岸信介の曾孫ですね。昨年10月の衆院選山口2区で立憲民主党の脱原発派候補に1724票の僅差で辛勝しました。ちなみにですが、負けて比例復活した立民議員は朝日新聞にこう語っています。「選挙に負けたら、私を応援した方は地域で村八分のような感じになってしまう。山口で自民に刃向かって選挙をするのは怖いことだ」
みけこ 町議選は、 今年2月2日投開票。定数12のうち中間貯蔵施設反対の議員は、改選前は4人しかいませんでした。ところが蓋を開けてみると、過半数ギリギリの6人の反対派が立候補、全員が上位当選しました
くみこ 集会で報告した小中進町議は田布施出身で、原発反対運動の前線に立ってきた人です。過去に県会議員を1期務めましたが、県議選では煮え湯を飲んできました。
田布施町議選では、施設は反対だけど「立候補できない」人が相次ぎ、候補擁立に苦戦したと言います。というか、6人目が決まらずミイラ取りがミイラになって立候補しました
みけこ それでも町議就任後早速、「中間貯蔵施設建設計画への反対決議案」を議会に提出。3月21日の議会で賛成6、反対5で可決されました。反対決議は県内初です
くみこ 上関町が建設を願っても、反対する市町が増えれば、知事は建設を擁護しづらくなります。今年12月には柳井市議選、来春には知事選が控えています。正念場です
◆柳井で 「反対」が72%、「賛成」は4%
みけこ 「中間貯蔵施設計画に関する要望書」を23年と24年の2回にわたり県知事と柳井市長に出した井上重久さんは、予定地から20㎞圏内の柳井市平郡島(へいぐんとう)に住んでいます。島民は200人。ミカン畑から予定地対岸の祝島が見え、転じれば30数㎞先の愛媛・伊方原発も見えます
くみこ 23年の要望書で平郡島の自治会長らと井上さんは、こう訴えました。「人口2000人の上関町の地域代表の意向により、周辺市町の3万人以上に甚大なリスクがもたらされるのは公正ではない」。福島と同等の災害が起これば20㎞圏内の住民は自宅を追われます。そんな重要なことを隣町の10人で決めてほしくないというのはもっともです
みけこ が、24年の要望書はさらに強力です
くみこ 人口2万9000人弱の柳井市全域の自治会に「連名で要望書を出そう」という提案は叶いませんでしたが、全10地区308自治会のうち、9地区161自治会が半年かけて自治会員の意向アンケートを実施しました。民意を可視化し、周辺4首長が共同で知事に反対の申し入れをするよう促したのです
みけこ アンケートの回答方法は、中間貯蔵施設計画に「反対」「賛成」「よく分からない・白票」の三択です
くみこ 結果、総回答数3991件(≒世帯) のうち「反対」が72%、「賛成」が4%、「よく分からない・白票」が24%でした。そのほかに「無記入・無回答」が1348世帯でした
みけこ 要望書には、24年春に田布施町と周防大島町で市民団体が実施したシール投票の結果も添えられています。周辺2市3町の415人が投票し、「反対」76%、「賛成」4%、「分からない・棄権」20%、という結果を得ました。奇しくも柳井市と同じ傾向です
くみこ 私はこの要望書を読むまで、柳井市民はほとんどが原発(関連施設)に賛成なのだと思っていました。脱原発裁判の傍聴を通して県東部の知人が増えましたが、柳井の知人はいません。でも、「反対」は表に出てないだけなんだ、と分かりました。自治会アンケートで「反対」を示した人は人口の約1割に過ぎませんが、「賛成」を示した人はさらにその20分の1に過ぎません。柳井市議会が今後民意を映していくのか。興味深いです
シール投票は民意を可視化できる
みけこ アンケート結果も目を見張るけど、井上さんたちの調査手法も技ありだなあ、と感心しました。次の4点、実に合理的です
くみこ ①公と民の間の存在である自治会を使ったことがスゴイ。田舎だからできることかもしれないけれど
②シール投票がスゴイ。田布施と周防大島では、人の集まるスーパーや役場前で通行人に、「賛成」「反対」「その他」を示す赤やら青やらのシールをプレートに貼ってもらったそうです。テレビのバラエティー番組で見かける方法ですね。色に注目すれば「賛成」「反対」の傾向が一目瞭然
③「要望書」を選んだのがスゴイ。署名よりも住民の思いが伝わるし、請願、陳情書よりも簡単に出せるそうです
④「ターゲットは知事、県会議長。電力会社じゃない」という見極めがスゴイ。中間貯蔵施設の建設決定権は知事にある。我々が知事に、民意を武器として、あるいは、民意を飴として与えられれば、知事も「反対」になびきやすいですね
中間貯蔵施設計画を止める目的を明確に
みけこ こうして振り返ると、「上関原発を建てさせない山口大集会」という名称は、10年前にはストレートに集会の目的を伝えていましたが、2025年には目的をぼやけさせているように思えます。原発は賛成したけど中間貯蔵は反対の人や、計画について一から知りたい人を、呼び込める名称に更新できないでしょうか
くみこ なぜ中間貯蔵施設計画に反対するのか。何も手伝ってこなかった私が言うのは口幅ったいけれど、ひとりでも多くの人が準備段階から口も手も出して、知識も議論も深めていける集会が続くよう願っています
署名にご協力を(上関の自然を守る会など5団体)
インターネットで「change.org 上関中間貯蔵計画」と検索したら署名ページが出てきます
以上、引用終わり。
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[他] 2024/12/10
まる新聞170号脱原発裁判
#まる新聞 )170号 #猫が発行している #地域新聞 に#祝島 #脱原発裁判 登場!
...ら裁判の話なのにどうし-写真左がまるこ:、右170号2頁 発行=村田みけこ: 2024年12月6日 まる新聞1ページからつづく1頁で「F-D断層」がキーワードだと主張したみけこですが、中電が祝島島民の...
[活] 2014/08/22
まる新聞 46号140821瀬戸内海かえ2
上関)国際海鳥シンポが地域新聞に紹介されました RT @tiniasobu #猫
...2014年8月16日に山口でおこなったシンポの内容を地域の猫ちゃん発行の新聞でとても簡潔にまとめて紹介してくださっています。猫のまる子さま、ありがとうございます。ほかにも読みたい方は、 http://...
[活] 2013/06/02
地域新聞)猫が発行人でいよいよ30号に! #天皇 #沖縄 #福島 #憲法 RT @tiniasobu
...号が届きました。バックナンバーは、例えば、http://ankei.jp/yuji/?n=1799 にありますが、まる新聞 30号 では、憲法と天皇と福島と沖縄のことについて、考えたりしておられます。...
[講] 2012/11/23
公開授業)地域の受講生さんちの猫が発行している新聞がとどきました! #africa #差別 #YPU #猫 RT @tiniasobu
...山口県立大学国際文化学部の地域公開授業「アフリカ社会文化論」のご常連の女性から個人新聞「まる新聞」が送られてきました。いっしょに暮らしている猫の 村田まるこ さんが 編集発行しているらしいのです。20...









