平和のレッスン)寛容クラブに非寛容がやってきた。(その2)
2004/04/30
平和のレッスン)前回の続きです。
(前回のあらすじ)
あたらしくやって来たG君が言い放ちました。
「寛容を目指すこの部にABCDFはいらない。ほんとは皆迷惑してるんだ。」
----感動の解決編------------------------------------------------------
すると、みんなを代表して、Aが言いました。
「僕らは『寛容クラブ』だ。でも、目指しているのは共存による心の平和なん
だ。君から見ると、僕らの趣味は変わっているかもしれない。でも皆、自分の
趣味に誇りを持っている。お互いがその事を知っているから認め合えるんだ。
君が僕らの事を認めてくれるのならば、僕達は君を歓迎する。しかし、君が僕
らを認めないのであれば、僕らも君を認めるわけにはいかない。
他人を非難する行為も君の個性だと認めてしまうと、本来の目的である共存に
よる心の平和が保てなくなる。つまり『寛容クラブ』が『寛容クラブ』じゃな
くなってしまうんだ。」
するとEさんが言いました。「例えば、地球上に6つの民族がいるとする。彼
らは共存し合い皆平和です。そこに、「この民族は今だに昆虫を食べて生活し
ているから劣等民族だ」と排除しようとする権力者が現れたとします。今まで
平和だった世界に急に影がさすでしょう。きっと彼らは、自分たちの平和を維
持するためにこの権力者と戦う事を決意すると思うわ。私もそう。私はABC
DFのみんながいてくれるから平和なの。私一人だけ認められ、他を排除する
のなら、私はちっとも平和じゃないわ。」
今、他との共存関係を保つために恥ずかしがり屋のEさんが一所懸命主張して
います。そんなEさんの姿を見て、皆はまた幸せな気持ちになりました。そし
て、『寛容クラブ』に入って本当によかったと思いました。
次の日G君がやってきました。
「僕本当は、歌を歌うのが大好きなんだ。聞いてくれるかな。」
G君の歌声は、それはそれはひどいものでした。
皆内心、
「音痴が二人になっちゃった。」
と思ったかもしれません。
でも皆ニコニコしながら聞きました。
一緒に歌いました。
「Cさん明日カエル 食べさせてね。」
とG君が言いました。
やっぱり皆、幸せな気分になりました。
(おしまい)
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引用おわり、
あんけい