川内原発)『フライデー』温廃水は廃熱と化学物資と放射能が混じり合った正体不明の廃水 RT @tiniasobu
2010/06/10
2013年11月27日 OCRの誤変換を修正します。
2010年6月11日 改訂しました。
ぜひ、実物を手にとっていただきたい内容です。昨日『フライデー』を購入して熟
読中です。みなさんもぜひ購入されてください。硬派と軟派の入り交じったステキな
雑誌です。
最後のあたりの本文「正体不明の”悪水”」の節を引用します。
”異変”に温廃水が関係しているのではないか、原発の温廃水問題に詳しい水口憲哉・
東京海洋大学名誉教授に聞いた。
「ストランディング(陸への座礁)がこれほどの規模で集中発生すること自体、大
変異常なことです。愛嬢県の四国電力・伊方原発周辺でも、1980年代に天然魚の大量
死が操り返し発生したことがあります。
そもそも温廃水は、タダのお湯ではありません。原発内では取り込んだ海水が
管の中を猛スピードで通つているわけですが、この管は使っているうちに減肉(水で
削られて薄くなること)していくのです。この削られた金属イオン(=金気)が温廃水に
は含まれている。また、水の流れを妨げる貝やフジツボを除去するために使う、生物
付着阻止剤の次亜塩素酸ソーダという化学物質も混じっています。さらには、薄めて
捨てればよいということでトリチウム、コパルト60、マンガン54といった放射性物質
が大量の温廃水とともに海に捨てられている。つまり川内原発に限らず、温廃水の実
態は、廃熱と化学物資と放射能が三位一体となった正体不明の廃水なんですね。漁師
はこれを『悪水』と呼んでいます」
海洋生物の生態に詳しい愛援大学・沿岸環境科学研究センターの田辺信介教授も、
「川内原発周辺で急激な温度の変化があることは事実でしょう。それが生態系に何ら
かの影響を及ほしている可能性はある」
と、温廃水の影響を懸念する。
「生物付着阻止剤の次亜塩素酸ソーダも気になります。貝を殺す毒性があるくらいで
すから、貝と同じ生理機能を持っている生物はダメージを受ける。
魚には、敏感な魚と鈍感な魚がいます。かつてのような高い番積性のある危険な化
学物質は今や使っていないでしょうから、使っている化学物質の毒性よりも生物の感
受性が影響している可能性もある。サメは生態系では食物連鎖の頂点にいたとしても、
ある毒物に対しては敏感な種であるかもしれないわけです。
これまでは原発の存在と結びつけて考えられてこなかっただけで、他の原発周辺でも
同様のことが起こっているのかもしれない。おかしいと思う人がいないと、情報を収
集することも整理することもないわけです。原発はそれこそ世界中にあるわけですか
ら、日本の原発だけにこだわらず広く情報を集めたほうがいいでしょう」(田辺教授)
加えて、次のような気になる「情報」もある。
川内原発は、九州で第二の規模を誇る一級河川・川内川の河口部に立地している。
この川内川は、地元・薩摩川内市民が使う水道水の供給源であり、河口から16kmほど
上流に上水道用の取水口があるのだが、住民によれば、夏の渇水期になるとたびたび
海水がここまで遡上し、水道水が塩辛くなるのだという。
となれば、河口部にある原発から放水された温廃水が海水とともに川内川を通上し、
水遭水に紛れ込んでしまう恐れはないのか。
放水口から出た先の温廃水と海水を分ける手立ては、何も講じられていない。そうな
ると、上げ潮時に川内川を通上してできる塩辛い水道水に、温廃水が混じっていた可
能性を排除することもできない。さらには、同原発3号機が運転を開始(予定では2019
年度) すれば、周辺海域には今まで以上の温廃水が放出されることになる。
さらに不気味なことに、薩摩川内市民の診療費(医療費から薬代、食事代などを差し
引いたもの)が、全国平均のおよそ1・6倍にものぼっているのだという。「川内原発
建設反対連結協議会」の鳥原良子会長は語る。
「薩摩川内市がこの5月に発行したチラシに、医療費が全国平均と比べて「どの年代
でも上回っています」という話が載ったんです。 チラシはガンの早期検診を呼びか
けるためのものだったんですが、もし水道水に温廃水が混じっているのだとしたら…
…。考えるだけでも恐ろしくなります」
厚生労働省と薩摩川内市に問い合わせたところ、「ガン検診」の主な対象となる60
歳から64歳の診療費では全国平均の約1・5倍(注3) に連していることが確認された。
また、他の
年代を見てもその大半が全国平均を上回って
おり、なかでも35歳から44歳に至っては全国平均の約2・5倍(注3)と突出している。
地元
住民の不安に対し、九州電力はどう答えるの
か。
「(温排水が)水道水の原水(浄水処理を行
う前の天然の水)として取り込まれるかどう
かということに関して、当社は承知しており
ません」(同電力広報)
不安の解消に至る説明は、回答期限までに
得られなかった。前出の南方新社・向原さん
は、憤りを題せない。
「大きな川の河口に原発を建てたこと自体が
間連いなんです。川内原発はその存在自体が
欠陥原発だと言えるでしょう。
水俣病では最初に猫が狂い死んだ。それか
ら、ヒトへの被害が明らかになった。ここで
も同じことが起きているのかもしれません」
不安を放置すれば、同原発3号機への地元
同意に影響が出るのは必至の情勢だ。しかし、
九州電力に原因を究明する気はさらさらない
ようである。それだけに、今は同電力と足並
みを揃えている伊藤祐一郎・鹿児島県知事を
先頭に、地元行政が主体となった徹底的な調
査が望まれる。