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わが友)#佐藤正典さん #ゴカイ #諫早湾 #上関 #スンチョン
2026/04/25
スンチョン再訪記(2026年4月4日諫早での集会)_ページ_1
スンチョン再訪記(2026年4月4日諫早での集会)_ページ_2
上関町で要望書を手渡す佐藤正典さん
2026 干潟の生きもの観察会I(鹿島市)
2026 干潟の生きもの観察会2(佐賀市)
公開シンポジウム(4月19日)チラシ修正版
地域研究や自然保護の信頼できる仲間の活動を紹介します。
鹿児島大学名誉教授の 佐藤正典さんです。
最近では、上関町での核廃棄物中間貯蔵施設の建設計画に物申しにわざわざ山口県まできてくださったりしています。https://ankei.jp/yuji/?n=2999
このブログで検索してみたら、なんと37件もヒットしました。
1956年広島市生まれ。専門は底生生物学。環形動物多毛類(ゴカイ)の分類や生態について研究している。有明海の諌早湾では1994年以降、瀬戸内海の上関では、1999年以降、調査を行っており、それらの場所の保全の重要性を一貫して主張している。主な著書:「有明海の生きものたち」(編著、海游舎)、「水俣学講義」(共著、日本評論社)、「寄生と共生」(共著、東海大学出版会)、「九電と原発」(共著、南方新社)。
大学を定年退職してからも、旺盛な活動を続けておられて、韓国の干潟の報告が届きましたので、シェアします。あわせて、セミナーなども活発におこなっておられるのは嬉しい限りです。
韓国の干潟で有名なスンチョンというところがあるそうで、佐藤正典さんの再訪の記録を掲載いたします。2019年の報告も、ネットで見つけたので、自分の勉強のためにはりつけておきました。
干潟を生かした街づくり—韓国スンチョン市の取り組み—
佐藤正典(ゴカイ研究者)
2025 年10 月18〜21 日の3 泊4 日で韓国のスンチョン(順天)とプサン(釜山)に行っ
てきました。大阪のNPO 法人「シニア自然大学校」が主催する「地球環境⾃然学講座」の受
講⽣とスタッフ(合計23人、うち女性19人)の「自然観察会」(JTB委託の団体ツアー旅行)
にガイド役として参加させていただきました。旅行プランのうち順天での干潟見学の内容は、
私が旧知のホン・ジェサン先生(韓国インハ大学名誉教授)と相談しながら立案しました。
私が順天を訪れるのは4回目です。初めての訪問は、今から16年前の2009年でした。当
時、日本では、有明海における諫早湾の干潟の閉め切り(1997年)による漁業への悪影響が
顕在化していましたが、韓国の西岸では、さらに大規模な干拓事業が進行していました。そ
んな中で、韓国南西部の順天市は、「生態首都」を看板に掲げ、干潟を生かした町づくりを
進めていました。鶴をはじめ多数の渡り鳥が飛来する順天湾の干潟(閉め切られた諫早湾の
干潟とほぼ同じ面積)とその後背地(水田)を広く「環境保全地帯」に指定し、そこでの開
発を禁じ、電柱の撤去や飲食店の移転を粘り強く実施したのです。その結果、自然観察のた
めに順天市を訪れる観光客が著しく増えました(2009年の時点で、年間約300万人)。人々
は、順天市が管理する「順天湾自然生態公園」の中で、干潟上部のヨシ原に設置された木道
を歩きながら、干潟で活動しているムツゴロウやカニ類などを観察することができます。ま
た定期的に運行されている船に乗って海から干潟や渡り鳥を観察することもできます。
この順天市において、2009 年6 月に、順天市後援の韓日合同シンポジウム「干潟の生物
学」が開催され、日本から約50 人の研究者が参加しました(市長が冒頭の挨拶をされた)。
その後、私は、2010 年と2013 年にも順天に行き、ホン先生らと干潟で調査を行いました。
順天湾の干潟の環境と生物相は、閉め切り前の諫早湾の干潟に大変よく似ていました。
久しぶりに訪れた順天湾の干潟は、昔と変わらぬ美しい姿でした(図1)。今回の旅行の
参加者は大半が70歳以上の高齢者(最高齢は90歳)だったが、私の最初の訪問時と同じコ
ース(ヨシ原の木道をゆっくり歩いた後(図2)、干潟を一望できる龍山の山頂まで登る往
復約1時間半のコース)を全員が歩きました。ソウルから駆けつけたホン先生も、順天市の
専門職員(鳥の専門家)と共に同行され、要所要所で、干潟や渡り鳥について解説して下さ
いました。JTBの現地ガイドさん(韓国人女性)の通訳のおかげで、韓国語の説明もよく理
解できました。
その後、船上からの干潟観察(約30分)を行い、最後は、ビジターセンター内で順天市
の担当者(私が前回の訪問でも会った人)に市の干潟保全政策についてお話いただきました。
図1. 順天湾の干潟とヨシ原(龍山からの展望)。
2025 年10月19 日。
図2. 干潟上部のヨシ原内の木道。正面右手の山が
「龍山」。2025年10月19 日、Jae-Sang Hong 撮影。
鳥の専門家からは、鶴について、興味深い話を聞きました。
「順天湾には、鹿児島県の出水市と同様に、多数のナベヅルが越
冬のために飛来し、日中は、干潟の後背地の水田で採餌してい
る。冬の水田の稲わらの下に生息する昆虫類はナベヅルの食べ
物として非常に重要である。夜間は、干潟をねぐらとして利用し
ている。ただし、水田に餌が少ない場合は、干潟の動物も食べて
いる。順天市では、ナベヅルの生息環境を保全するために、干潟
だけでなく後背地の水田も環境保護区に指定し、そこでは無農
薬(または減農薬?)のお米を栽培している(図3)。」
JTB が選定した順天市内の韓国料理店では、壁に順天湾の
デザイン画が掲げられており(図4)、そのデザイン通りの
料理が出てきました(図5)。泥干潟を模した甘いクリーム
色(ナツメ?)または黒色(黒豆)のソース、夏のヨシ原の
緑を模したニラ、そして本物のカニ(おそらくヒメヤマトオ
サガニ)の唐揚げの三点セットでした。
日本では、有明海にしか残っていない泥干潟の生態系が、今、崩壊の危機に瀕しています。
その生態系の心臓部である諫早湾の干潟を一刻も早く復元することが必要だと思います。そ
のためにはどうしたらいいのか。順天湾では、市のレベルでの長期的な取り組みによって、
干潟の豊かさが地元の街の誇りとして根付きつつあるように見えます。有明海でも、佐賀県
の鹿島市では、「ガタリンピック」などを通して、長年、干潟を生かした街づくりを進めて
いる。国境や県境を超えた市レベルの連携によって、突破口が開けないものでしょうか。
図3. 順天市からいただいたお米
(保護区の水田の有機栽培米)。
図4. 順天市内の料理店の壁を飾る
デザイン画。2025年10月18日。
図5. 順天市内の2つの料理店で提供された夕食
料理。(上)10月19 日。(下)10 月18 日。








