#みんつど )生きづらい人の希望に 社会とつながる居場所が大事 #精神疾患 × #発達障害、元新聞記者が対談本
2024/12/07
2024年2月16日の記事の、新聞での紹介文をテキストとして貼り付けました。
https://ankei.jp/yuji/?n=2774 で予約開始をお知らせしました。
新しい本の紹介が中国新聞に大きくのりました。
周南市あたりの本屋には平積みされているかも。
生きづらい人の希望に 精神疾患×発達障害、元新聞記者が対談本
2024/2/15
ともに新聞記者の経験がある山口県周南市の天地成行さん(49)=ペンネーム=と同県下松市の大橋広宣さん(59)が、対談本「精神疾患の元新聞記者と発達障害の元新聞記者がお互いを取材してみた。」を刊行した。ユーモアをちりばめながら「精神疾患や発達障害への理解を助ける一冊になれば」との思いを込めた。
経験を赤裸々に 「社会とつながる居場所が大事」
天地さんは統合失調症からの回復を目指し、現在は自由律俳句に力を入れる。統合失調症について知ってもらおうとインターネット配信がメインのミニコミ誌「みんつど」を2020年1月から発行している。大橋さんは発達障害があり、今は映画製作に携わりながらフリーのライターなどとして活動している。
対談では互いの特性や経験を赤裸々に語り合う。天地さんは東京の新聞社で睡眠時間を削りながら働いていた28歳の時に統合失調症を発症。電車内で周囲に笑われていると感じ、電車から降ろしてもらえないという幻覚に襲われた。発病から約10年、心配して駆けつけてくれた母と暮らしながら仕事を続けた。
「橋の上で『ここで母の背中を押してみたら…』と考え、後で謝った」。天地さんの告白に「心を許している人であるが故に敵意を向けてしまうのかも知れない」と大橋さんは応じている。
大橋さんは小学生の頃、勉強が苦手だった。九九も割り算も苦手のまま高学年になり、周囲になじめず暴力などのいじめを受けた。
地元の新聞社に就職した23歳の時、発達障害と診断され、後に注意欠如多動症(ADHD)と限局性学習症(SLD)のスペクトラムと分かった。子どもの頃のつらい記憶のフラッシュバックに悩み、取材で訪れた小学校で児童の大声を聞いて失神したこともあると打ち明ける。
天地さんはミニコミ誌発行が生きがいになっていると語り、大橋さんも社会とつながる「居場所」があることが大事と強調する。大橋さんは妻から「普通の人との違いを楽しんでいる。毎日刺激的で面白い」と言われたことが、安心につながったというエピソードも紹介している。
出版について、天地さんは「発症から20年間の集大成。苦労しても何かに取り組めば生きていける」と力を込める。母も手に取って読み、喜んでくれたという。
大橋さんは統合失調症や発達障害の当事者・家族以外の人にも読んでほしいと期待する。「今の時代、なにがしかの生きづらさを誰もが抱えている。この本を読んで生きる希望を持ってもらえれば」(満井満)
四六判、216ページ。1980円。ロゼッタストーンTel0833(57)5254。
てんち・なりゆき 1974年徳山市(現周南市)生まれ。大学卒業後、東京の新聞社に勤務。精神疾患を患い現在は静養中。「五七五」や季語にとらわれない自由律俳句との出合いをきっかけに心のリハビリに励み、ミニコミ誌「みんつど」を主宰するなど、統合失調感情障害を分かりやすく伝える活動をしている。
おおはし・ひろのぶ 1964年山口市生まれ。幼い頃から集団生活になじめず、いじめに苦しむが、その一方で映画に強い興味を示す。大学卒業後、地元の新聞社に勤務。2005年に独立。フリーのライター、映画コメンテーター、番組ディレクターとして活動し、映画製作にも関わる。