まにら新聞)フィリピン国家歴史委員会はマニラ湾遊歩道にフィリピン初となる慰安婦像を設置
2017/12/11
http://www.manila-shimbun.com/category/society/news234695.html からの引用です。
フィリピン国家歴史委員会(NHCP)が首都圏マニラ市ロハス大通り沿いの湾岸遊歩道上に「フィリピン人慰安婦像」を設置したことが10日までに分かった。比に慰安婦像が造られたのは初めて。米サンフランシスコに設置された慰安婦像をめぐっては、大阪市が姉妹都市を解消するに至っている。日比間で新たな論議の的になる可能性もある。
同委員会によると、像は太平洋戦争中に旧日本軍の性暴力の被害を受けた女性たちの悲劇を語り継ぐ目的で、比中華系の「トゥライ財団」や比人元慰安婦と支援者の団体「リラ・ピリピーナ」などの協力を得て造られた。
NHCPは史跡の設置や管理を行う政府機関で、太平洋戦争が始まった日の今月8日、慰安婦像の除幕式を行い、像をマニラ市に引き渡した。
像が立つ遊歩道は、ロハス大通りを挟んで日本大使館(パサイ市)から北に約3キロのキリノ通りとぶつかるマニラ湾沿いにある。目隠しをされた民族衣装の女性が湾側
から市内側に向いて立つデザインで、台座を含めた高さは約3メートル。
台座には「メモラーレ(記憶)」とのタイトルの下に「1942~45年の日本統治下で虐待の被害にあった全ての比人女性の記憶である。彼女たちが自身の経験を語り出すまでに、何年もの月日を要した」と記されている。
除幕式でNHCPのエスカランテ委員長は「第2次世界大戦下で最大の罪の一つは女性への性的虐待。比では千人以上の女性が被害を受けたが、いまだに名乗り出ることができずにいる女性たちもいる」と話した。
女性団体「ガブリエラ」のジャート・リバン副代表は除幕式で「慰安婦の経験は語り継がれるべきであり、像設置は適切な時期だった」とし「被害者たちは歴史が繰り返されないことを願っている」と語った。
元慰安婦とともに像のデザインなどに関わってきたリラ・ピリピーナのレチルダ・エクストレマドゥーラ代表は、まにら新聞の取材に「除幕できてほっとしている」とする一方で、「存命中の被害者は病気治療中や地方在住者が多く、除幕式に参加できなかったことが悔やまれる」と述べた。
像設置の資金などを提供したトゥライ財団は2013年、NHCPで写真展「太平洋戦争中の旧日本軍の残虐行為」を開催、比を始めとするアジア7カ国・地域の慰安婦女性らの写真を展示したことがある。(澤田公伸、冨田すみれ子)