![]()
毎日新聞)アイヌ遺骨の収集、日本人類学会が初の謝罪 研究目的で1700体以上
2025/12/16
日本人類学会会員、京都大学大学院自然人類学研究室出身者として、つつしんでシェアいたします。
奄美沖縄の収集人骨についての批判もあわせて目配りをする必要があります。
京都大学新聞 https://www.kyoto-up.org/archives/3080
https://www.kyoto-up.org/archives/12209
https://mainichi.jp/articles/20251215/k00/00m/040/130000c
毎日新聞
2025/12/15 16:08(最終更新 12/16 08:11)
日本人類学会(会長、海部陽介・東京大総合研究博物館教授)は15日、過去に一部の研究者が行った遺骨収集や保管、研究のあり方がアイヌ民族を傷つけてきたとして、「真摯(しんし)に反省し、心よりお詫(わ)び申し上げる」とする声明を発表した。
アイヌ遺骨の収集を巡っては、社会や文化を研究する日本文化人類学会が2024年に謝罪声明を発表したが、より直接的に遺骨を研究資料として扱い、アイヌ民族と和人(アイヌ民族に対し日本の大多数を占める人々)との違いなどを探る研究を担ってきた日本人類学会が公式に謝罪するのは初めて。
声明は「長い間、問題に自覚が乏しく、研究される側への配慮が不十分な状態だった」と認め、「遺骨の入手経緯に関する問題意識が薄く、アイヌの方々の思いを深く考えてはこなかった」とした。東京都内で記者会見した海部会長は「けじめをつけるべき部分がある」と述べた。
人類学会は、生物としてのヒトを形態や進化、人種など集団の違いから研究する「自然人類学」の研究者を中心に構成される。前身を含めて1884(明治17)年に設立され、その後、遺跡から発掘した物的資料を研究する考古学や、文化人類学が派生する母体となった。
明治期以降、アイヌ民族は人類学の研究対象とされ、頭骨の形や大きさの比較などを目的に大量の遺骨が収集された。中には副葬品などと共に盗掘同然に墓から持ち去られたケースもあった。また、研究資料として動物の骨などと一緒に扱われるなど、尊厳を軽視した差別的な扱いが長く続いた。
文部科学省によると、国内の大学や博物館などに保管されたアイヌ遺骨は1700体以上にのぼり、子孫たちが1980年代から返還を求めてきた。国は18年に返還ガイドラインを策定。子孫や地域のアイヌ団体への返還と、国立慰霊施設(北海道白老町)への移管が進められている。
日本考古学協会も15日、人類学と連携して調査研究してきた歴史的経緯などを謝罪する会長声明を公表した。また文化人類学会を含む3学協会長は連名で、アイヌ民族に向けられるヘイトスピーチに反対する声明も発表。「誤解・曲解した研究成果がヘイトの『学術的根拠』として利用されている」として「他者に対する不当な誤解や偏見を正し、差別を是正するために努力していく」と強調した。【三股智子】
日本人類学会の謝罪声明
重要なお知らせ
日本人類学会は、アイヌ遺骨に関わる倫理上の問題に関して、学会としての見解を示すため、以下の声明を発出しました。(2025.12.15)
アイヌ遺骨に関する日本人類学会の声明
https://anthropology.jp/assets/docs/Ainu_Remains_JP_251215.pdf
日本人類学会・日本考古学協会・日本文化人類学会は、近年問題視されているアイヌヘイトの言説に関して、以下の共同会長声明を発出しました。
本声明の執筆にあたっては、佐藤桃子先生(理化学研究所)より貴重なご助言をいただきました。(2025.12.15)
アイヌヘイトに対する3学協会共同会長声明
https://anthropology.jp/assets/docs/Ainu_Hate_Speech_JP_251215.pdf
人類学の研究倫理に関する本学会の活動
日本人類学会・人類学の研究倫理に関する基本姿勢と基本指針
https://anthropology.jp/assets/docs/kenkyurinri2.pdf
人類学において広く必要と考えられる倫理的配慮について、2006年に制定しました。
これからのアイヌ人骨・副葬品に係る調査研究の在り方に関するラウンドテーブル報告書
https://anthropology.jp/assets/docs/roundtable.pdf
このラウンドテーブルは、これまでのアイヌの遺骨と副葬品に関連する研究を振り返りその学史的背景を明らかにするとともに、研究をめぐる諸問題を整理し、研究のあり方と今後の研究の取り組みについて、関係学協会の代表とアイヌ関係者が論を通じて一定の方向性を見出す目的より、北海道アイヌ協会、日本人類学会、日本考古学協会の合議によって組織されました。(報告書前書きより抜粋。一部改変)
人類学研究倫理委員会
人類学の研究倫理に関する具体的な問題に対し検討を行い対応する、また時代の変化の中で上記「指針」を変更する必要が生じたときはそれを協議する委員会として、2021年より活動を始めました。非学会員を含む様々な分野の研究者に委員を委嘱しています。


