#まる新聞 )170号 #猫が発行している #地域新聞 に#祝島 #脱原発裁判 登場!
2024/12/10
このサイトで「まる新聞」を検索していただくと、この記事を含めて4つヒットします。
猫がつくる新聞なのですが、先代編集長の「まるこ」さんも健在で、「みけこ」編集長兼発行猫の対談から始まります。
#祝島 #脱原発裁判 という見逃せない話題です。
とりあえず、pdfと画像でシェアします。
タマにいろいろと原発の闇を教えてもらっていた源八おじさんは、護憲デモのさなかに射殺されたらしいのです。タマさんはお元気かしら。https://ankei.jp/yuji/?n=1977
以下は、pdfからテキストを抜き出したものです。つながりの悪いところもありますが、検索の便のためにはりつけておきます。発言猫・発言人のあとに :(コロン)を挿入してあります。
170号1頁
発行=村田みけこ
2024年12月6日
紙袋
まる新聞
調査必須の「F-D断層」がキーワード
2ページにつづく
裁判報告①中電vs祝島島民の会
◆突然ですが、ご無沙汰しております
まるこ:「まる新聞」の先代編集長まるこ:です
みけこ:うわっ。今から裁判の話なのにどうして。ちなみに写真左がまるこ:、右が私です
まるこ:お忘れか?2014年11月12日が私の命日。あれから10年です
みけこ:そうかあ。と、いうことは、後任の私も編集長を続けて10年なんだ
くみこ:みけこが編集長に昇格したのは2015年1月の51号。まだ5歳のお転婆ちゃんが編集長だなんて大丈夫かって、心配したよね
まるこ:「原発反対」の社説を貫いていることは評価しますよ。去年5月の151号で「熊本一規のホームページ」を特集し、漁業権に関する法律が、原発計画から上関を守っていると知ったのは感動的でした
くみこ:その熊本先生が、来年、山口にいらっしゃるんですよ。中電の裁判の、祝島島民の会側の証人になってくださるんです
まるこ:詳細を知りたい人は先生のHPで原告被告双方の準備書面が読めますが、まずはいま、裁判がどんな様子なのか、簡単に紹介してもらいましょうね
◆原発と中間貯蔵施設を混同させる中電
くみこ:山口地裁岩国支部に中電が提訴したのが2022年10月。42年前から計画している上関原発の海上ボーリング調査を祝島島民の会は妨害するな、と訴えました
みけこ:もし裁判所が中電の主張を丸.みすれば、祝島島民は調査海域に入れなくなり、漁民は漁ができなくなります
くみこ:ところが当時、中電は海上調査をしていなかったし、していない調査を島民が邪魔できるわけもない。なのになぜ「妨害するな」と訴えるのか
みけこ:と、怪訝に思っているなか昨年8月発表されたのが、関西電力の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を上関につくるという話
くみこ:それで弁護団は合点がいきました
みけこ:「中間貯蔵施設をつくるために海上調査する」と発表したら、即座に島民が調査海域に入って妨害するに違いない。そう恐れた中電は、姑息な先手を打ったのです
くみこ:(中電の胸のうちを代弁)県の許可がとってある原発の調査をするかに見せかけて、邪魔が入らない環境を裁判で整えよう。中間貯蔵施設を目的とする県の許可はとってないけど、関電は急いでるし、調査の既成事実ができればこっちのもんだ
◆「F-D断層」が施設の直下を貫いている
みけこ:私は、「F-D断層」が今後のキーワードになると思っています。この断層は、中電が調査しようと躍起になっている海域から原発敷地を通って中間貯蔵施設の建設候
補地へと伸びています。2010年、中電は当時の原子力安全・保安院から、周辺の断層群や陸域の破砕帯を含めて「F-D断層」の活動性を見直すよう求められていました。その審査が、中断したまま今に至っています。中間貯蔵施設をつくるには、「F-D断層」の正しい評価が必須です
くみこ:活断層の真上の原発はNGです。最近では、日本原電・敦賀原発2号機が、原子炉直下に活断層がある可能性を否定できず、原子力規制委員会によって再稼働を不可とされました
みけこ:中電は11月14日に陸域のボーリング調査を終え、中間貯蔵施設建設の適否を山口地裁岩国支部で開かれている二つの脱原発裁判に原告団や応援団の一人として約8年かかわっていますが、今年は目標が一つあります。全日程を朝から晩まで見届けることです。四国電力・伊方原発の運転差し止め請求は、証人尋問が続く今が佳境です。中国電力が「上関原発を建てさせない祝島島民の会」を訴えた裁判は10時前に裁判所に着かないと傍聴券の抽選ができず、昨年は午後の報告集会しか参加できませんでした。しかし、今年は母がショートステイしてくれるお陰で、時間の制約がありません。JRの運休もクリアしました。今年残す裁判はあと1回です。( くみこ) 半年かけて見極めると発表していますが、「F-D断層」でつながる海域を調査しないで適地とは言えません。「F-D断層」の存在に疎い県民にリスクを知らせないまま中電は県から建設許可をとろうとするのではないか。海域調査をしても、建設ありきで調査結果をまとめるのではないか。とても心配です
◆審査中断でも工事を始めようとした中電
くみこ:実のところ、私はこの裁判の準備書面で初めて、「F-D断層」を知りました。町長選前の架空転入事件や嫌がらせ裁判など中電の邪道なやり口はたくさん知っていますが、上関原発特有の問題が何なのかを、科学的知見に照らして考えたことがなかった、と改めて気づきました。皆さんはどうでしょう。私は、大事な事柄から目を逸らせようとする中電の罠にはまっていたのではないでしょうか
みけこ:祝島島民を長く応援してきた人たちの記憶はこうです
くみこ:2010年に原子力安全・保安院は中電に追加調査を求めた。その審査が2度行われ中断したが、あの頃、調査が原因で審査が不合格になることは絶対なかった。建設は許可されるものと皆が予測するなか、中電が埋立工事を始めようとした。工事が止まったのは震災が起きたから。審査中断のせいではない
みけこ:原子力安全・保安院が、断層の性質を精査しなくても原発建設を認めてきたせいで、反対する人々にとっては工事を始めさせないことが最重要となった。一方で県民は活断層の危険性を知らず、それが、反対運動の広がりを阻んできたのではないか
くみこ:中電が陸域ボーリング調査を終えた日の各社報道に、中電が最も気がかりなはずの「F-D断層」について触れた記事は見当たりません。「断層があるから中間貯蔵施設はやめろ」と言う友人は私にはいません
みけこ:「『調査』と一言で言ってもピンキリ」。くみこ:はこれが今年一番の学びだったと言います。50年前に主流の二次元地震探査と現在の三次元地震探査とでは、見える世界が違う。「断層がある。最先端の知見に基づかない調査では禍根を残す」という科学的な主張が世論になることを願います
上関の地質図
【右図の解説】中電が作成した図に越智秀二氏が講演用に加筆(2頁の図も同じ講演資料)。★印はくみこ:加筆
★=下が上関原発1号機、上が2号機の予定地
F-D断層=2
みけこ:うわっ。今から裁判の話なのにどうし-写真左
がまるこ:、
右
170号2頁
発行=村田みけこ:
2024年12月6日
まる新聞
1ページからつづく
1頁で「F-D断層」がキーワードだと主張したみけこですが、中電が祝島島民の会を訴えた裁判の流れ全体をみると、「F-D断層」は、実は争点に遠い存在です。2頁では、話を裁判の流れに戻しましょう。
裁判所は中電社長の証人申請を採用するだろうか
◆伊方の裁判と裁判官が同じ、ということは
みけこ:163号にも簡単に載せていますが、春から夏にかけては、島民側が裁判所を通じて釈明を求めたにもかかわらず、中電側ははぐらかし戦法を続けていました。膠着状態も極まったかのごとき9月、島民側弁護団は中電社長の証人尋問を裁判所に申請しました。弁護団が答えないなら社長を呼んでしゃべらせよう、ということです
くみこ:しかし中電側は11月、次のように反論。「島民側が何を立証しようとしているか分からない」「社長に尋問しても立証できない」
みけこ:要するに、断るってことですね。自分たちが裁判を起こしておきながら責任者は出せん、ってどういうこと?
くみこ:島民側は年明けまでに中電側への反論を裁判所に出しますが、ここで重大になるのが、裁判所が社長の証人尋問を採用するかどうか、です
みけこ:編集部は6つの妄想を巡らせました
くみこ:①長いものに巻かれる裁判官なら社長を証人には採用しないだろう。弁護団がほかに申請している島民の会代表、漁業者、漁業法の熊本一規先生に証言させて裁判終了
みけこ:②証人採用するとしたら、裁判官は島民側に理解があるということ。島民側の勝訴かな
くみこ:③弁護団長は、証人採用されたら社長は出廷するだろう、と予測している。加えて、「嘘をつく証人の例が過去にはいくらもあるけれど、例えば、中間貯蔵施設と今回の提訴とは無関係だと社長が主張しても、不合理性が裁判官の心象に焼き付けられれば、島民側の主張を認める可能性はある」とも言っている
みけこ:④証人に採用するけどそれで手打ち、和解ってのもアリなのかな、どう?
くみこ:ドキドキするのは、担当裁判官の3人が、「伊方原発をとめる山口裁判」も担当しているってこと
みけこ:⑤中電社長を裁判所に呼ばないような裁判官だったら、伊方も四国電力の勝ちと決まったようなものだね
くみこ:いやあ、でも裁判官はみな、私よりはるかによく勉強して専門知識も理解している印象だけどね
みけこ:⑥中電社長を証拠採用する裁判官であっても、中電訴訟では中電負け、四電訴訟では四電勝ちのパターンは当然ありうる
◆貯蔵施設の話を規制委と進めているか
くみこ:四電との裁判については次号で特集するから中電の話に戻しますが、中電社長が証人に採用されたら、島民側弁護団は「いつ中間貯蔵施設の話が関電と始まったのか」「関電とスケジュールの約束をしているのではないか」「原子力規制委員会との間で中間貯蔵施設の話はあったのか」などを問うと言っています
みけこ:原発の海上調査をする目的で提訴したのに、中間貯蔵施設の調査をしようとするなら、目的が違う。そもそも訴えが成り立っていない矛盾を社長自らに認めさせよう、ということですね
くみこ:規制委が上関の中間貯蔵施設計画を検討、審査する段取りなら、保安院時代に審査が中断した「F-D断層」について絶対話をしてますよね
みけこ:規制委が中電にどういう対応をとろうとしているのか、それは中間貯蔵施設の成否にかかわることだから、国や他社とのしがらみのなかで守秘義務がある社長には言えないかもしれない。とは思うのですが、弁護団には、社長に語らせてほしいですね
くみこ:保安院が規制委に組織変更して、断層の審査も敦賀原発2号機のように厳しくなった。妄想に近い期待ですけど、規制委が最先端の精度の高い調査を求めているのかどうか、具体的に知りたいですね
みけこ:妄想ですけど、規制委から「F-Dは活断層だから審査は通らないよ」と言われたとしても、中電は引き下がれないでしょうね。15年前に中電と島民らが海上でもみあったようなことを繰り返してほしくないです。が、あの会社の体質なら繰り返すでしょう。この裁判が祝島島民を縛るのではなくて、中電の不誠実な体質を正す枷として機能することを強く願います
◆尾道から傍聴バスがやってくる
くみこ:傍聴券が当たって初めて入廷できた11月は、「3・11フクシマを忘れない広島県東部市民ネットワーク」の皆さんが仕立てた「スラップ裁判傍聴バス」に同乗させてもらえる収穫もありました。楽しかった(笑)。広島市からは大学院生らのグループが、廿日市市からも、8年前のスラップ裁判のときから応援してくれている人たちが地裁岩国に集まってきます。傍聴希望者約70人のうち7.8割が広島県民です。口頭弁論の期日には必ず来ているそうです。広島の人たちのパワーがどこから湧いてくるのか、知りたいですね
まるこ:次号は「裁判報告②vs四電」を連載します。私はここでお暇しますが、次は13回忌にお目にかかりましょう。皆様お元気で
●図=越智秀二氏(地質研究者)の講演資料「地形と地質から見た上関への原子力施設建設の危険性」を転載(1頁の図も)。ネットで見られる。「安渓遊地」で検索すると探しやすい
●上関で問題なのはF-D断層だけではない=図の陸域(上関町や周防大島町) は淡いベージュ色、海はクリーム色、活断層が赤い線。図にはないが北上すると、岩国.五日市断層という活断層もある。図に挿入されたコメントは、断層群が連動すると震度が増す(上関でも阪神大震災並みの揺れになる) 可能性を示唆
●参考=増山博行氏「上関原発計画の現段階と諸問題」( 日本の科学者49巻、12月号)」2014
以下は、迷子になっている2行です。
したみけこですが
中電が祝島島民の会を