10/18-19) 14:00-『六ケ所村通信』を見て山口県への使用済み核燃料誘致問題を語り合う
2024/10/18
https://www.instagram.com/gofu_juuu/p/DAnM3lrzH3W/?img_index=1
山口県周南市で、上関町での使用済み核燃料誘致の問題をとりあげる「中間貯蔵施設を考えよう周南の会」が設立されました。
まずはじめに企画されたのは、小さなビデオ映写の会。
10月18日(金)と10月19日(土)の14時から
鎌仲ひとみさんのドキュメンタリー『六ケ所村通信』No.1(51分)を見て、あとコーヒーをいただきなたら、自由に語り合うという会です。
場所は、周南市都町3−10(Theビッグ徳山西店駐車場隣りの民家)
喫茶の百日紅(ひゃくじつこう)
各回の定員は15名、ご予約は、添付の画像のQRコードか、携帯にかけてください。
おひとり600円。高校生以下は無料という噂です。
11/10 14:00からは、徳山保健センターで、末田一秀さんをお迎えして「使用済み核燃料中間貯蔵施設って何?」という講演会も企画されています。詳しくは、https://ankei.jp/yuji/?n=2948 でお知らせします。
さらに、そのあと
『六ケ所村通信』No.2(58分)の上映も予定されていて、
そちらは、11/22(金)と11/23(土)、上映時間や場所、料金設定は、10月と同じです。
おまけ
安渓遊地・安渓貴子は、六ケ所村通信は、No1-3までDVDを持ってますが、No4も出てたとはしりませんでした。http://www.rokkasho-rhapsody.com/_dvd/dvd.htm
本編の『六ケ所村ラプソディー』は、もちろんおすすめです。
No1の内容 http://www.rokkasho-rhapsody.com/_dvd/rokkasho_news1.htm
今回の通信no1 は4つのシーンから構成されています。4月から8月の終わりまでの取材スケッチです。
オープニング
初春の六ヶ所村。チューリップ祭りを毎年開催する菊川慶子さんが登場します。
核施設に頼らない生活を実践することが彼女の運動の核になっています。
ただ単に核施設に反対するのではない、別の選択肢もあるのだと、菊川さんは言葉だけではなく実行しているのです。そのチューリップ祭りは12年目を迎えて今では六ヶ所村の春の名所となっています。その会場で出会った老人、清水目さんは若者たちが反対運動に参加しない理由がわからないと言います。
再処理工場
2004年6月 再処理工場に1年7ヶ月ぶりに使用済核燃料が搬入されました。貯蔵プールに100カ所以上も溶接ミスがあって漏洩事故が起きてから止まっていた搬入が再開され、フェンスの外には反対する人々が集まりましたが、ほんの僅かな数の人々です。その中には菊川さんの姿もあります。
日本には52基の原発があってそこから毎年1000トンの使用済核燃料が出てきます。これまでフランスやイギリスに運んで再処理をしてもらっていました。その際に出てきたプルトニウム40トンは未だにフランスに預けたままになっています。
これからこの使用済核燃料を六ヶ所村の再処理工場で再処理しようという計画です。
再処理工場は10年、2兆2千億円をかけて株式会社日本原燃が建設しました。この工場で800トン分の燃料棒を溶かし、そこからプルトニウムを取り出して再び原発で使おうというのが、原子燃料サイクル計画です。再処理をすると安く電気ができるというふれこみで始まりましたが、実は割高だということが解ってきました。またその後の後始末にも19兆円という巨額の費用がかかるので再処理を見直そうという機運がこのころ高まってきました。
ハンスト
7月、暑い盛りに八戸に住む、山内雅一さんが市民によびかけて青森県庁の前で一週間のハンガーストライキを始めました。再処理工場を稼働させるためには放射性物質を入れてテストをする必要があります。これをウラン試験といいます。山内さんは稼働する前にもっと議論すべきだと考え、ウラン試験を止めようと市民に呼びかけることにしました。ところがほとんどの市民は全く無関心です。東京から駆けつけた女性はあまりの人の少なさに驚愕してしまいます。菊川さんも応援で参加します。そんな中、県が主催するウラン試験に関する説明会が開催されました。平日、朝の9時から始まったというのに会場は人で一杯です。あんなに無関心だった市民が突然、こんなに関心を示すようになったのか!? 説明会が終わって、山内さんは疑問と怒りをこめて街頭と県庁にむかってメッセージを読み上げます。
泊漁港
六ヶ所村、泊部落はかつて核燃をめぐって賛成派と反対派に別れて激しく争いましたが、結局漁業組合は漁業権を放棄してしまいました。菊川さんと山内さんは一緒にこの部落でウラン試験の説明会に行って反対してもらおうとビラをまきます。村人の反応はあまり芳しくありませんが途中でアイスクリームをもらって励まされたりします。漁港を見下ろす丘の上で出会ったおばあちゃんは息子さんが大工で仕事がないと心配そうです。山内さんは現地に来ると、単純には反対とは言えない、この人たちにも生活があるのだからとつぶやきます。おばあちゃんは二人にイカをくれました。
この泊部落でクリーニング店を営業する小笠原聡さんは地域に根ざした店を目指して、事業を展開してきました。今では六ヶ所村で一番大きいクリーニング店に成長しました。
最初は原発のことを知らずに怖いと思っていたが、自ら、勉強会をすることで今では原子力発電を維持するために再処理事業は必要だと確信するようになったと言います。未来の子供たちのためにも電気のある生活は維持していかなければならない、またCO2の削減にもつながるというのが小笠原さんの意見です。勉強会はこれからも続けていきます。
No2の内容 http://www.rokkasho-rhapsody.com/_dvd/rokkasho_news2
六ヶ所村通信no.1に引き続き、no.2は2004年の夏から12月にかけての取材スケッチです。
オープニング
有機栽培でトマトを育てる荒木茂信さんは、真っ赤に熟れたもぎたてのトマトを子供たちに食べてもらおうと、ビニールハウスでトマトを収穫します。荒木さんは食べるということは他の命をもらって生きているということなのだと言います。荒木さんを訪ねた農協職員の浜田千春さんは六ヶ所村に使用済み核燃料再処理工場があることで問題になっている、風評被害について質問されますが、風評被害の意味を誤解してしまいます。「再処理工場について、事故があれば恐いとは思うけれどあまり実感がない」と言います。
幼稚園では子供たちが大きなトマトにまるごとかぶりつきます。100パーセント有機栽培で育てられたトマトの味を子供たちは楽しみます。
隣接市町村申し入れ巡り
再処理工場は2006年の本格稼働に向けて、まずウラン試験をしなければなりません。そのウラン試験をするためには隣接市町村の同意を得る安全協定を結ぶ必要があります。そうした手続きが進められようとする中、8月に福井県の美浜原発で大事故が起き、死亡者が出てしまいました。これをきっかけに核施設に対する不安が高まります。六ヶ所村でチューリップ農場を経営する菊川慶子さんは、荒木さんや他の「核燃から海と大地を守る隣接農漁業者の会」のメンバーと共に六ヶ所村の隣接市町村を回って安全協定を結ばないように申し入れをすることにします。それぞれの市町村の役場では様々な反応が返ってきます。申し入れは聞き入れてもらえるのでしょうか。
泊の人々
漁業が盛んな泊地区の海岸では昆布とりをする人々がいます。夏が終わると昆布は採れなくなります。漁港ではこれから鮭漁がはじまろうとしていました。「再処理工場がなかったら、六ヶ所村は仕事もなくて過疎化する一方だった」と漁師はつぶやきます。
再処理工場内で働くために六ヶ所村に引っ越してきた人がいます。相内一泰さんです。クリーニング師の資格を取って工場内で働けば、安定した仕事が得られる、と思いきって転職しました。今は資格取得のためにワイシャツのアイロンがけを特訓中です。
岡山建設
岡山建設は六ヶ所村を代表する企業の一つです。開拓二世の会長、岡山勝廣さんは再処理工場建設の段階から積極的に日本原燃の事業に関わり、多数の雇用を生み出してきました。原子力産業に関わる一方で、バイオマス発電、風力発電などのエネルギー事業にも乗り出そうとしています。岡山さんは新しいエネルギーを六ヶ所村の地場産業にして世界に貢献するべきだと考えています。
岡山さんの次男、康広さんも再処理工場の中にある岡山建設プラント事業部で働いています。「原子力は目に見えなくて認識しにくいけれど管理が徹底されている施設内で危険を感じたことはない」と言います。
毎年、商工会が主催するろっかしょ産業祭りでは村人たちが思い思いに楽しんでいます。とまりクリーニング社長の小笠原聡さんはロックバンドでギターを演奏します。このバンドは岡山康広さんがボーカルで歌い、日本原燃や関連企業で働く人々が参加しています。
ウラン試験に向けて
ウラン試験のための安全協定が近々締結されるということが報道されます。来年に向けて球根の植え付けをする菊川さんと共同経営者の定岳さんですが、このことが本格稼働への大きな一歩となってしまうという思いを巡らせます。再処理工場が本格的に稼働すれば、煙突から出された微量の放射性物質が畑や海に蓄積され、やがて甲状腺癌などの率が少しずつ増えていくだろうと菊川さんは予想します。自給自足の生活を心がけているので、自分の畑で採れた野菜を食べるのは日常のこと。この日も採れたての青々とした小松菜を料理します。
一方、とまりクリーニングでは、社長の小笠原さんがクリーニング師を目指す相内さんたちを特訓中です。「今は都会での出稼ぎ先もない。地元で雇用を作っていくことが大切だ」と言います。再処理工場が可動すれば工場内のクリーニングに24時間体制で60人の人手が新たに必要となるのです。相内さんは目前にせまったクリーニング師の国家試験に向けてラストスパートをきります。
2004年11月22日、いよいよ安全協定が締結される日がやってきました。菊川さんは抗議の意志を示す為に青森市に向かいますが、青森県知事、日本原燃社長、六ヶ所村長は協定を締結します。続いて六ヶ所村に隣接する全ての市町村も安全協定を締結しました。
荒木さん一家は長芋の収穫で大忙しです。荒木聖子さんは「みんな仕事とかお金のことを考えちゃうけど、やっぱりそれより命がずっとずっと大事」とつぶやきます。
みぞれまじりの雪が降る12月21日、ウラン試験が始まりました。