要望書)山口県農業試験場跡地にプレーパークをつくってください
2024/09/05
山口市で、親子が生の舞台を楽しむという活動からスタートした取り組みが、こどもステーション山口という認定NPO法人になっています。https://kodomo-st.org/
あらたな取り組みとして、「プレーパーク」というものを提案して来られたのですが、このたびの山口県農業試験場の跡地に「プレーパーク」設置を! という要望が、山口市と山口県に提出されました。内容的には、私達の「農業公園」構想の中に、ぴったりくるものだと感じました(安渓遊地の蛇足的な意見は、要望書の後に掲載します)。このブログでの掲載について、代表の臼井さんの了承をいただきましたので、要望書と活動の雰囲気がわかる写真を、ここで共有させていただきます。
2024年8月29日
山口市長様
要望書
山口県農業試験場跡地にプレーパークをつくってください
認定NPO法人こどもステーション山口
「プレーパークを山口に」実行委員会
実行委員長 臼井裕貴子
1.趣旨と経緯
子どもは遊ぶことで心身ともに成長を遂げ、非認知能力を育み社会性を身につけていきます。
「子どもの権利条約」31条では子どもの遊びの大切さが謳われていますが、一般の大人社会ではその重要性はなかなか理解されず、山口市でも遊びの環境が整備されずにきています。
「プレーパーク」には既成の遊具などはありませんが、子どもが自由に自発的に外遊びに挑戦できる場です。
私たちは山口県農業試験場跡地にプレーリーダーの常駐する「プレーパーク」が早期に設置されることを要望します。
私たちは2021年5月に7,462筆の署名と共に山口市長に「プレーリーダーのいるプレーパークをつくってください」という要望書を手渡しました。副市長からはきちんと受け止めたという言葉をいただきました。
その後も私たちは毎月1回、山口市民にプレーパークを楽しみ、理解してもらうための「いちにちプレーパーク」を市内の公園などでを開催し、好評を得てきました。
プレーパークは不登校、障害、ジェンダーや出身地など、全てをインクルーシブにして門戸を開き、学校や家庭以外の安心感を与える居場所にもなれます。
いっぽう幼ない子どもを連れた若い親から高齢者まで、地域の人々の交流の場ともなります。
※プレーパークとは、既成の遊具などは設置されていないが、泥遊び、木登り、たき火、水遊びなどなど、できる限り注意や禁止事項をなくし、子どもが自分の責任で自由に遊べる遊び場。全国に約450ヶ所あって、公設公営、公設民営、民設民営など運営のスタイルは様々。
また、プレーパークには遊び環境の安全を管理しつつ、子どもを見守る常駐のおとな=プレーリーダーの配置が必須とされている。
2.現状について
子どもたちはコロナ禍を経て、今まで以上に外で遊ぶ機会が減ってきています。
遊べる時間、遊べる場所、遊べる友だちなどがどんどん減少して、屋内でゲームなどに熱中することも増えています。市街公園ではボール遊びなども禁止され、子どもたちの遊ぶ姿も少なくなってきています。
外遊びの不足は子どもの五感を乏しくさせ、視力や運動能力の低下にも拍車をかけています。
かつて子どもは外遊びで異年齢の仲間との協調、自らの判断・責任などが求められ、自主性や自己肯定感などを育んできました。が、今そのような環境は大人が意図して整備しない限り望むべくもありません。
3.具体的な要望
国は今、「こども基本法」を制定し、子どもの意見を聞くことの大事さを地方自治体にも求めています。子どもにとってより良い遊び場としてのプレーパークをつくるためにも、その構想段階でぜひ、子どもを含む市民の意見を聴いていただくように要望します。
また、プレーパークには複数のプレーリーダーが配置され、その身分が保障される予算措置がされることも併せて要望します。
日々成長する子どものために、少しでも早いプレーパークの設置をお願いします。
以上で、引用を終わります。pdfの原文に 「インクルーブ」という表現がありましたが、代表の臼井さんに確認したところ、インクルーシブの誤記とのことでしたので、修正しました。
プレーパークは、宇部市と萩市にはあるそうですが、山口市にも、という要望を、子どもステーションで2021年にされています。その記録は、以下にあります。https://kodomo-st.org/news/playparksyomei/
以下は、山口市有機・環境保全型農業公園を造る会 代表 の安渓遊地の意見です。
今回の要望書の中にあるように、「プレーパークとは、既成の遊具などは設置されていないが、泥遊び、木登り、たき火、水遊びなどなど、できる限り注意や禁止事項をなくし、子どもが自分の責任で自由に遊べる遊び場。・・・・・・」というものです。
自然と触れ合える農業公園をと要望する、私達の具合案の中に、遊具を設置した子どもが遊べる空間を想定していますが、このページに添付した活動の様子を示す写真を見ると、むしろありきたりの遊具などをおかず、プレーパークを想定した方がずっといいと思われました。
(私=安渓遊地=などが子ども時代を過ごした、1950年代60年代であれば、泥遊び、木登り、たき火、水遊びができる場所は、あちこちにあり、そこでは、大人が安全を確保するために見張っていなくても、上級生がいて危なくないように自律的に遊べていました。いまは、そんな場所もないし、子どもたちも室内での活動で忙しくなってしまった。)
「プレーリーダーという、大人たちが、安全を農業公園であれば、また、プレーパークには遊び環境の安全を管理しつつ、子どもを見守る常駐のおとな=プレーリーダーの配置が必須とされている。」この常駐の大人たちの人件費が必要になることが、なかなか高いハードルになる可能性があります。すでに大内地区で活動している、子どもを応援する団体などとの協同も視野にいれればどうでしょう、と臼井さんには提案しました。
農業公園であれば、農業にたずさわる大人たちがいて、そこでの生産活動そのものが、泥遊び(田んぼ)、木登り(果樹の収穫)、たき火、水遊びなどなどを含んでいて、昔の農具を牛の代わりにひっぱる子どもたちの姿は、輝いて見えます。
(宮沢賢治さんの、「飢餓陣営」という劇の最後の場面、腹をすかして、バナナン大将のお菓子の勲章を食べてしまった部下たちが、従来の武道的な「体操」ではなく、ブドウの手入れの作業にヒントを得た、新しい「生産体操」をするのですが、私達は、さらにそれを「生産」そのものに高めたい。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1921_17653.html)
臼井さんによると、一般的にプレーパークで必要な面積としては、450坪から1000坪(=約15から33アール)程度あればいいとのことです。おそらくプレーリーダーの目の届く範囲ということなのかもしれません。垣根は作るのか、入場無料か、など、具体的なイメージのすり合わせが必要でしょう。
Let's think bigger. (でっかくかんがえよう)全部で1870アールの農業試験場跡地です。のこり1837アール分の活用も一緒に考えませんか、と臼井さんには申し上げました。