紹介)高良勉編著『山城翠香――短命のジャーナリスト』明治末沖縄の知性と出会う
2024/03/23
詩人の高良勉さんが、贈ってくださった本の紹介です。
沖縄の地域研究をしてきた私でしたが、まったく知らなかった人物が、新聞に書いた評論なのですが、ついつい引き込まれて読んでしまう、不思議な力がある本です。
田岡嶺雲の自叙伝『数奇伝』(すうきでん と 読むのかと思ったら さっきでん らしい) https://www.kochi-bungaku.com/707/
の紹介などは、16人もの人が書いた序文をそうまくりで評論していく連載など、当時一流の文筆家たちの筆の動きの紹介も面白く、一冊で長く楽しめる力作だな、と感謝しています。
まだ読み始めたところですが、
『数奇伝』の原本が国会図書館のデジタルコレクションで読めたり、寄り道しながら楽しんでいます。 https://dl.ndl.go.jp/pid/781602
https://www.fujishuppan.co.jp/newbooks/
のトップに載っています。
お近くの図書館に、リクエストされて読んでみませんか。
ご紹介は、安渓遊地でした。
以下引用。
山城翠香――短命のジャーナリスト
思想史・言論史によみがえる、近代沖縄の言論人
【2024年3月新刊!】
明治末期という近代沖縄の黎明期において、「沖縄」のアイデンティティを論じた山城翠香。
これまで入手が困難だったその執筆文章を、収集・整理し、多数収録。
哲学、文学、政治、文明批評など、多分野にわたる翠香の思想の全貌を明らかにする、初の評伝集。
伊波月城、末吉麦門冬らと共に『沖縄毎日新聞』紙上で活躍した山城翠香は、国家主義や民族主義を超えて、独自の思想を紡いだ。
本書は第Ⅰ部に高良勉による「山城翠香論」を収録し、38年という短い生涯に凝縮された翠香の思想を、沖縄近代思想史、日本近代思想史のなかに位置づける。
編著=高良勉
体裁=A5判/並製/272頁
定価=3,080円(本体2,800円+税10%)
ISBN 978-4-8350-8585-2 C3095
推 薦:
●新川 明――ジャーナリスト、元沖縄タイムス社長
「近代沖縄の黎明期に一条の光を放って生きた言論人の全航跡を明らかにする好著」
●比屋根照夫――近現代日本思想史・言論史 琉球大学名誉教授
「翠香の生涯を詳細に追求し、沖縄言論史上に消えた短命のジャーナリストの肖像を活写している。ご一読を薦めたい」
目次
序文 奇跡的に―まえがき―(高良勉著)*本書書き下ろし
〈Ⅰ〉山城翠香論(高良勉著)*単行本初収録
【『沖縄タイムス』1994(平成6)年10月3日~11月18日 初出】
〈Ⅱ〉『机上餘瀝』抄(山城翠香著/高良勉編)*単行本初収録多数
【『沖縄毎日新聞』1911(明治44)年4月1日~8月14日 初出】
〈Ⅲ〉山城翠香セレクション(山城翠香著/高良勉編)*単行本初収録多数
【『沖縄毎日新聞』1911(明治44)年4月1日~1913(大正2)年1月29日 初出】
〈Ⅳ〉「編輯日誌」「編輯の後」一覧(山城翠香著/高良勉編)*単行本初収録
【『沖縄毎日新聞』1911(明治44)年3月14日~1912(明治45)年6月29日 初出】
補論 山城翠香と田岡嶺雲(高良勉著)*本書書き下ろし
あとがき(高良勉著) 山城翠香年譜 山城翠香「机上餘瀝」目録