上関)地形と地質から見た上関への原子力施設建設の危険性 〜南海トラフ巨大地震を前に最悪の選択をすべきではない(2023年10月越智秀二氏講演)
2024/02/01
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2023年10月9日(13:30—15:30)に、上関町総合文化センターで行われた、
越智秀二さん(地質研究者・防災士)の講演資料を共有します。
越智秀二さんは、日本生態学会上関要望書アフターケア委員会の新メンバーです(2024年2月1日から)。
引用にあたっては、社会的常識の範囲でお願いします(お金もうけや、人や組織を傷つけるなどの意図で利用しないでください、という意味です)。
なお、表明されている意見は、越智さん個人のものです。示されている地形・地質に関するこれまでにわかっている根拠に基づいて、各人で判断されるようにお願いいたします。
「屋代島」は、ふつう「周防大島」ですが、国土地理院の名称にそって、こう表記されています。
日本生態学会上関要望書アフターケア委員会
委員長 安渓遊地
以下は、当日のお話のおもな項目の抜粋です。詳しくは添付のpdfをご参照ください。
地形と地質から見た上関への原子力施設建設の危険性
〜南海トラフ巨大地震を前に、最悪の選択をすべきではない〜
1.なぜ、中間貯蔵施設に反対するのか
(1)近辺に近い将来活動する可能性が高い活断層が多いこと。
①近辺の新しい地層(13万年以内)を切る活断層が各所に縦横に分布していること。
これらの地層は軟弱な地層であり、その下の基盤岩中にこの軟弱層を切るもとに
なった基盤岩のズレ(活断層)が存在すること。
②中間貯蔵施設は、これらの活断層のうちのF-3、F-4断層群から数km以内であり、
F-3、F-4断層群が動けば、兵庫県南部地震と比較しても、震度6強以上となること。
③その活断層は過去約1.17万年間以上活動が見られないことから、その活断層を
動かした基盤の活断層が近い将来動く可能性が高いこと。
④岩国断層帯最大M7.6最新活動時期は2.8万年前以降と1〜1.1万年前。
平均活動間隔は9000〜18000年で、30年以内の発生確率は0.03~2%。
⑤安芸灘断層群M7.0最新活動時期は約5600年前以後と3600年前以前。
平均活動間隔は2300年~6400年程度で、30年以内の発生確率は0.1~10%
(兵庫県南部地震の発災直前の発生確率(30年以内)は0.4~8%)
⑥中央構造線(南方約40km)M8.0以上。最新活動時期は17世紀〜19世紀。
平均活動時間は1000~2900年。30年以内の発生確率はほぼ0~0.3%。
(実際の中央構造線は原発の北側600m程度にあると考えられ、上記は見直しが必要)
⑦これら活断層は南海トラフ巨大地震の直前や発生後(誘発地震)動く可能性が高い。
⑧原子力災害が起きた場合、地震による住宅や建造物の損傷により「屋内退避」は
困難になること。(住宅損傷により、住宅内に放射性降下物が侵入してしまう)
参考:地震調査研究推進本部資料より(2011年2月一部改訂)
1-(2)南海トラフ巨大地震は30年以内の発生確率が70~80%であり、発生すれば、甚大な被害が予想されること。
①西日本の大半が震度6弱以上となり支援の手が届かない。
②地震動による近隣の建造物、道路、山麓の崩壊が広範囲・甚大になり、避難も救援も十分に対応できないこと。
③豊予海峡から直撃する津波による被害の危険性があること
④原子力災害が起きた場合、地震による住宅や建造物の損傷により
「屋内退避」は困難となること(「余震」の頻発と住宅損傷により、住宅内に放射性降下物が侵入してしまう)
引用終わり