わが友)島に吹くそよ風・地域の人たちと一緒に考えていく高橋そよさん「人はなぜ資源が限られた島で生き続けることができたのか」 #Soyo_Takahashi_#Yuya_Nishimura_#ミラツク_RT_@tiniasbu
2021/06/11
対話・「未知の未来が生まれる出会い」 人はなぜ資源が限られた島で生き続けることができたのか
西村勇哉さんのインタビューシリーズから。西村さんは、NPOミラツク代表で、A A
ミルンさん・石井桃子さん訳の『くまのプーさん』(岩波書店)でコブタの家の側にたつトウリヌケキ(英語ではTrespassers
W で、もとはTrespassers Will トウリヌケキンジだったけれど、それは Trespassers
William トウリヌケキンジロウの略なんだ)の看板のように説明すると、
ミラツクは、「未来を作る」の略で、それは「既に在る未来を実現する」の略で、英語ではEmerging Future we already
have なんだ。うちは、阿東つばめ農園で、2年前から田んぼの上で営農ソーラーという、ミラツクをやってることになるのかも。
https://rido.riken.jp/members/yuya-nishimura/
登場するのは、高橋そよさん。自分史から始まるお話は、とっても面白い。写真もたくさん入っていて、途中から、インタビューが互いにまなびあう楽しい勉強会のようになっていく、「そよ風ふう島ぐらし(英語はまだないけれど、island
breezerとか
)」でどんなふうに勉強してきたのかがわかります。書き手の草刈朋子さんが、おわりのへんで、するどい質問を投げかけるのもいいです。
https://emerging-future.org/newblog/roomu2021_takahashi/
から 抜粋します。
西村勇哉(NPOミラツク代表):島の関係性の経済をどうやって回復させるのか、維持するのか、思い出していくのか、そういうことができるといいですね。
高橋そよ(琉球大):ありがとうございます。私の課題ですね。
西村:領域学(ボーダーズスタディ)という学問があって、価値が出てくるとみんなそのボーダーを決めたがる。価値がなかった時は気にしないので通行の条件だけがあり、どこがボーダーかは特に決めない。……
高橋:ちょっと私のお悩み相談になるんですけど、今、生物文化多様性についての研究をしていて、例えば沖縄にどのような方名があるのか言葉を調べたり、植物の薬用利用や建築利用についての観察や聞き取り調査をしています。島ごとにいろんな知識や知恵がある。そういう島ごとの言葉や知識のデータベースはできるんですが、それを琉球弧として全体で見せる時に、その価値のバラエティがある状態をどのように見せたらよいのか、悩んでいます。……
西村:なるほど。そういう意味では、観察者として入って行くというよりも、もっと普通に暮らしていく感じですね。暮らすと疑問も生まれるし、疑問があったらやってみたくなる。研究者としてちゃんと調べたいことも降ってくるし、わかったらやってみようみたいな。
高橋:そうですね。研究者の役割にもいろいろあると思っていて、地域の人たちと一緒に考えていくやり方もあるのかなと思っています。例えば、漁具を調査する時も、私が入ることによって島の人が自分たちの文化に関心を持つきっかけともなりました。また魚の方名を調べていた時も、周りにいた島の人が「あのおじいは、これをこういう呼び方をしていた」と情報を提供してくれました。外の人間である私が調査することで周りの人も自分の文化に関心を持つという連鎖が生まれてくるんですよね。
西村:おもしろいですね。周りの人もまるで研究者になっていく感じですね。
高橋:そうですね。だから、調査のパートナーを努めてくれた漁協のお母さんが、「私は漁師のライフヒストリーのライターになる」といってくれたこともあります。「知りたい」という気持ちは人間のひとつの本質だと思うので、そうやって地域の文化について、地域の方々と一緒に考えていくことも研究者の役割なのかなと思います。……
西村:最後にもうひとつ。この先、高橋先生が「明らかになるといいな」と思うことはどういうことでしょうか。
高橋:うーん、どういうことかな。端的に言うと、「人間が幸せに生き続けて行くとはどういうことか」をわかりたい。最初にお話ししたように、「人間とは何か」という意味を考え続けたいと思っています。……
以上、ご紹介は、安渓遊地でした。
実は、こんど、高橋そよさんの司会で、 わたし「宮本常一先生と調査地被害」
与論島の喜山康三さん「島で暮らすしあわせ」
ボーダー研究の岩下明裕さん「地域研究の闇と罠」
という勉強会(あいにく一般公開ではありません)をしようと提案したところだったので、それにあわせて抜き書きしたもので、対談全体はとっても面白いのではげしくお勧めです。