廃村熱中人)新潟市西蒲区に角海浜(かくみはま)をたずねる #廃村 #巻原発__RT_@tiniasobu
2021/01/31
同日修正 添付ファイルの名前を変更 濁音があると文字化け。Macのシステムとブログのシステムとの相性が悪いのです。
写真家の斉藤さんについての情報を追加。
廃村熱中人つながりのよしみによる、Heyanekoさんとのコラボで掲載いたします。
2020年7月22日(水)『農業共済新聞』に掲載された記事です。これが連載の1回目です。3回目の西表島網取が先にでました。全部で6回の連載でしたから、ひとつずつお届けしましょう。
記憶に残る廃村旅 1 「廃村」との出会い
角海浜(かくみはま) 新潟市西蒲区
わが国は人口減の時代を迎えて久しいが、すでに人が住まなくなった集落、すなわち廃村が全国に数多く存在する。
2020(令和2)年2月、私が足を運んだ中で印象に残った47都道府県の廃村100ヵ所のことをまとめた『日本廃村百選』(秋田文化出版刊)が完成した。振り返れば、廃村の研究では「出会いがあってアイデアが思い浮かび、そして動きを起こす」ということが繰り返えされていた。
大阪の都市部に生まれ育った私は、母の実家兵庫県淡路島の日常から離れた田舎の風景や暮らしに興味をもっていた。
私が初めて訪ねた廃村は、上越新幹線の工事が進む新潟への旅で偶然立ち寄った巻町(現新潟市西蒲区)角海浜である。1981(昭和56)年3月12日、私がまだ
18歳のときだった。
所属していた大学のサークルの行事で群馬県水上温泉に2泊した私は、単独で特急「とき」に乗って新潟へと向かった。地図を見ると、佐渡海峡沿いには角田浜、五ケ浜、角海浜という集落名が並んでいる。佐渡を見ながら砂浜や海辺の道を歩いて着いた角海浜では、作業小屋とお墓しか見当たらなかった。その時感じた静けさと寂しさ、のどかさと驚きは深く頭に刻まれた。後の調べで、角海浜は巻原子力発電所の建設計画で生じた廃村とわかった。
角海浜は長く毒消し薬の行商を生業としたが、戦後、社会情勢の変化により行商は衰退した。そこに巻原発の建設計画が立ちあがり、74(昭和49)年に無住の地となった。なお、巻原発建設計画は強い反対運動により、2003年に消滅している。
また、角海浜の海岸はかつては鳴き砂があるほど美しかったが、波欠け(マクリダシ、浸食)が起こりやすく、このことが集落の衰退に拍車をかけた。
2020年6月、初訪から40年後、角海浜へ向かう車道は崩落のため閉ざされていたが、五ケ浜から砂浜を歩いて訪ねたところ、浜と丘の間の崖地に水瓶を見つけることができた。絶え間なく響く波の音は、往時から変わらないのであろう。
浅原 昭生 (Team HEYANEKO 代表)
引用終わり
安渓の蛇足
1973年、安渓遊地と貴子が、第11回移動大学のスタッフになったのは、当時の西蒲原郡巻町の角田浜(かくだはま)でした。http://ankei.jp/yuji/?n=785
角海浜には、当時はまだお寺の建物などが残っていて、斉藤文夫さんという地元の写真家が通って撮影した写真展を開いたりされていました。
(斉藤さんは、いまも写真展や古民家を守るとりくみなどを元気になさっていることを知りました。http://niigata-eya.jp/2699 )
その後、生体濃縮による内部被曝を、ムラサキツユクサを手がかりに発見した、市川定夫先生の講演動画(例えば抜粋 https://youtu.be/7yuIcQxJfbU
)を5回も繰り返し見た、地元のお医者さんが、原発をつくらせてはいけないと気づいてたちあがり、医者や看護士たちが仕事着でデモをしたりしました。流れが変わったのは、住民投票と、町議会選挙、そして、町長のリコールという動きを作り出せたことだったのです。
浅原さんも書いている、浸食で海の底になってしまった角海浜の墓地にある町有地を、反対派住民に細かくわけて売るということを、新しく選ばれた笹口孝明町長が、住民投票の結果に背中を押されて実施。
これが違法かどうかが争われた裁判で、適正価格での正当なる売買であると最高裁が認めて、2003年に、巻原発計画の息の根は絶たれました。
2011年の夏のこと、わが家の三人は、ソウル大学校の文化人類学教授だった全京秀先生と 石川から新潟にかけて、越の国へ仏教関連の巡礼の旅をしました。その中で、角田浜妙光寺に小川英爾夫妻を訪ねたあと、角海浜まで足を伸ばそうとしましたが、陸地部分は電力会社の用地らしく入ることがかないませんでした。http://ankei.jp/yuji/?n=1668
巻原発断念をめぐる『しんぶん赤旗の記事』 pdfでも添付します。https://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-12-31/03_01.html
よりくわしくは、訪問のときに、いっしょに写真に収まってくださった、桑原さんご夫妻の 次の本が参考になります(安渓大慧撮影。中央が桑原正史さん)。
『巻原発・住民投票への軌跡』(脱原発シリーズ)
七ツ森書館、2003年刊 https://www.amazon.co.jp/dp/4822803740
さらに 住民運動に始めからかかわった、地元の弁護士高嶋民雄さんの本がでていることに気づいて、さっそく注文しました。
『もう話そう 私と巻原発住民投票: 計画白紙撤回まで34年の回顧録』 現代人文社、2016年刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4877986510
以上、ご紹介は、安渓遊地@生物文化多様性研究所 でした。