文化人類学)夢と神話とアフリカの森 #ユング #ル・クレジオ #安溪真一 #ソンゴーラ #コンゴ民主共和国 #みんつど? RT_@tiniasobu
2020/12/11
大学一年生への文化人類学の授業の記録です。これは第11回ですが、終わりが近づくにつれて、しだいに課題が質・量ともに手抜きができないたいへんなものになってきています。
0.前回の課題(http://ankei.jp/yuji/?n=2464)にとりくまれて
コンゴ民主共和国で、あまりにも圧倒的な暴力にさらされる人たちの姿と、その暴力に油をそそぎ続けるもののひとつが私の便利な生活そのものであるという指摘にショックを受けられた方も多いと思います。「資源の呪い」とも言われるこの問題の解決が、手持ちのスマホのリサイクルだけでなしとげられると考えるのは、あまりにも楽観的でしょう。何人かの受講生のみなさんに教えてもらった「ケータイforコンゴ」のプロジェクトを進めているテラ・ルネサンスのサイト(https://www.terra-r.jp/icando_phone.html)には、それ以外のたくさんの取り組みや学びがもりこまれています。スマホをひとつリサイクルするたびにコンゴに30円送るというようなペースでは難しいことも、
それなら例えば遺産を寄付しようかという動きにつながれば、
それをテコに何桁もちがう効果が生まれることも期待できます。
「絶望」と「絶望的」はまったく違います。「絶望的」であることから目をそらし、君たち若者が心配するほど未来はたいへんじゃないよ、という年寄りたちが、旧来の暮らしや仕組みをつづけようとすることこそが、まさに「絶望」なのではないでしょうか。状況が絶望的であると認め、そのことを仲間と共有し、ともに涙を流すところから、不思議なエネルギーが湧いてくるのです。迫りくる核戦争の危機の中で、ジョアンナ・メイシーさんは、数々のワークショップを行い、その経験を『絶望こそが希望である』(1992年、カタツムリ社)という本にまとめました。実物はなかなか手にはいりませんので、紹介文をリンクしておきます。https://blog.goo.ne.jp/ryuzou42/e/4243e0bdba18d379195b39829a929aeb 警告されていた原発震災事故が現実に
なったことは、我が家にとっては、自分の暮らしの拠点を阿東徳佐に移して、家族農業をはじめるきっかけにもなりました。http://ankei.jp/yuji/?n=1328
課題1.夢と神話 ユングとル・クレジオという動画 28分をみてください。https://youtu.be/om95qewh-DM
この中に、私(安渓遊地)が大学1年生の「寝たきり学生」と言われた引きこもり状態でみた夢と、それからの生活の変化の話がでてきます。これを参考に、あなた(またはあなたの家族)にとっての意味深かった夢(悪夢を含む)を、プライバシーに配慮しつつ、なるべく具体的に教えてください。それがなぜ意味深かったのかも書き添えてください。100字以上。引用文献不要。
ユング心理学については、もう学ばれましたか? ル・クレジオは、フランスの作家です。
心理学を学ぶ内容に、いつもよりは近づいていると思います。
ル・クレジオがノーベル平和賞をもらったとビデオの中で私は言っていますが、書いてあるのが正しくて、ノーベル文学賞です。おわびして訂正します。
最後に唐突に本の宣伝が入るのはとっても変ですが、これは、この2年ばかり、統合失調症の方々のリカバリー活動のお手伝いをさせてもらっているので、その活動の紹介なのです。最近の成果は、みんなのつどえる新聞『みんつど』全24号として結実しました。全部が一気によめるページを紹介しておきます。http://ankei.jp/yuji/?n=2539 「心が風邪を引いた人」の生の声に接する機会は、心理学を学ぶあなたにもなかなかないかもしれません。
課題2.ソンゴーラの神話を生きる という動画 76分を見てください。https://youtu.be/I2-nBYHHzKM
課題は、ネット上の百科事典Wikipediaのはじめのところに短くまとめてあるような感じをまねて、「ソンゴーラ人の神話」とは、というまとめを書いてください。その上で、自分が知っている神話や昔話と似ているものがあったら、それを紹介して対比させてください。なければ、こんな不思議なことがなぜ語り継がれているのか、といった考察でもかまいません。まとめと考察で合計の本文200字程度。引用文献は神話を引用する場合は必要。
動画だけで合計90分を越えてしまい、もうしわけありません。最後の回を軽くしますからお許しください。部分的に2013年の日付が入っていますが、これは西アフリカのガボンの「民族生物学・夏の学校」というものに招待された時に、フランス語でやった発表を日本語にしたせいです。プレゼン作成と録画は、最新のものです。
課題3.論文を読んで論評します。これは、大レポート作製の練習です。
ル・クレジオ(2021年の文化人類学の11回目、この講義)がアイヌの神謡(5回目)を取材した活動と、環境と文化の保全(8回目)とアニミズム(4回目)の関連について述べた、櫻井(2019)の論文を読んでください(https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokuteanc/36/0/36_41/_article/-char/ja/からpdfダウンロード)。その内容を簡潔にまとめてください。夢と神話を掘り下げることが、ユング心理学だけの領域でないことを学び、そのうえで、課題1で書いた、自分または家族の見た夢と、課題2で学んだ、アフリカをはじめ世界各地に伝わる神話が、世界の現状や未来となんらかの関わりがないか、検討してみてください。関連があればそのことの意味を、なければないで、その理由を考えて書いてください。
これ以外の論考を引用されるのも自由ですが、長い文章をそのまま貼り付けることはできません(著作権侵害にあたることが多いため)。引用部分が半分、自分独自の考察が半分を目標としますが、考察が3分の1程度でもOKとします。引用文献を除いて、本文400字から600字程度(ご自分の意見の部分が200字は必要という意味です)。他人の文章を自分の意見のように書く盗用をチェックするgoogleclassroom
の機能を今回はオンにしておきますので、その場合は、書き直しをお願いすることになると思います。
引用文献の書き方について、まだマスターしていない人は、上記のURLの情報から、下記の引用文献リストを作製することを身につけてください。◎日には、あなたが実際に参照した日付を書き入れてください。また、本文中には、 「~と櫻井(2019:
41)は述べている。」または「ル・クレジオはアイヌ民族の同意なしには出版しないと決めていた(櫻井 2019:
44)」のように、ページ数を含めて、引用してください。
引用文献
櫻井 典夫「ル・クレジオとアイヌの神謡」『國學院大學北海道短期大学部紀要』36 : 41-54 (2019)
https://doi.org/10.24626/kokuteanc.36.0_41 (2021年12月◎日最終閲覧)
生物文化多様性研究所 安渓遊地