くさまくら)パリで論文を投稿したらいじめに遭った_RT_@tiniasobu
2020/04/27
フランス滞在記 http://ankei.jp/yuji/?n=417 のおまけです。
フランスで論文を投稿したとき、いじめにあいました。
小さいころからの母の口癖「女の人には親切にしなさい」のおかげで、無事切り抜けられたのです。返事をまちがっていたら、両方ともだめになりかねなかったでしょうね。
投稿を出してしばらくして、雑誌の
編集担当の女性研究者に呼び出されました。
編「あなたと妻さんと2人で2編の論文を投稿されてますけど、ただでさえ厚くなっている号に、困るのよね。」
私「はぁ。」
編「どちらか1本だけにしてちょうだい。」
私「そう言われましても、中身も全然違うものですし、別の人格が投稿しているのに、一家に1編という制限があるというのは、おかしかないですか?」
編「おかしかろうが何だろうが、入らないのよ! あなたのか、妻さんのか、どっちかを選んで、さぁ。」
私「それでは、妻の論文の方をお願いします。私は別の発表先をさがすことにします。女性研究者は、発表の機会が少ないですからね……。」
編「あぁ、そうなの。それじゃ、両方載せたげるわ。」
私「あら、まあ、ありがと……(なんやねん!?)」
ちなみにその二つとは、
微生物人類学)「ひとくち口に含んだら泡盛の風味だったの」──安渓貴子が1988年に英語で書いた論文「中部アフリカでカビ発酵酒を見つけた」です。コンゴ民主共和国でソンゴーラ人が造って飲んでいる蒸留酒 マルメカヤ(火の酒)が、米(籾)にかびをつけて発酵させたもので、これまで東アジア限定で、西の端はバングラデシュまでといわれていた、カビ発酵酒が熱帯アフリカにあり、しかもアジアに類例のない作り方であることを証明した論文。微生物学を修めたあと、生態学に転じ、さらに人類学と3足のわらじをはいたことと、ビールとブドウ酒しかしらないヨーロッパの研究者たちが見落としていた、カビ発酵の重要性を知る東アジア出身者としての視点が、ご飯にカビが生えないパリでの交流の中で生かされたもの。波照
間島で「泡波」の小さな醸造所を訪ねたことも下地になりました。https://www.persee.fr/doc/jatba_0183-5173_1986_num_33_1_3944
比較民族動物学)安渓遊地が1988年にフランス語で書いた短報です。発行が遅れていた1986年号として刊行。コンゴ民主で隣合うソンゴーラ語とオンボ語での「けものの名前」の比較。同じバンツー語の中でもかなり系統がちがう両言語なのに、動物名は共通の語幹のものが多い。ネズミとかの狩猟・売買の対象にしない生物名にこそ古いものが残るという仮説は、魚の名前をコンゴ川とタインガニイカ湖でのフィールドワークに基づいて比較した時以来あたためているのもので、Jacqueline
Thomas
先生からも授業で教わったものですが、フランス語から英語にするときには、隣接する別の言語レガ語についての結果も加えて再検討してみたいものと思っています。https://www.persee.fr/doc/jatba_0183-5173_1986_num_33_1_3954