文化人類学・地域学)民衆の記憶力──昔むかしの #漂流民_の伝承を_#与那国島_で聞く #Jeju_#Yonaguni_#朝鮮王朝実録_#1477_RT_@tiniasobu
2020/12/18
歴史として書き残されたことと、伝承として言い伝えられたことは、それぞれに得意分野があり、また制約もあります。今回は、漂流民との出会いと別れの伝承が500年以上にわたる強い思いとともに、伝承されてきたとおもわれる例を紹介します。研究は現在進行中ですが、これまでにわかった範囲から、大学生・大学院生向けに語っています。
写真は、安渓遊地が、済州島のトルハルバン公園でオカリナを吹くトルハルバンになっているところです。
1.
動画 金非衣ら、済州島漂流民のみた与那国 (『朝鮮王朝実録』1479年を読む 30分)をみてください。https://youtu.be/9pkVbggaIeg
朝鮮王朝実録 1479年5月と6月の漂流記と大正時代までの与那国島・西表島の暮らしを比べると、生活文化には大きな違いがないように思えるという内容です。
参考文献
・安渓遊地(1984)「与那国農民の生活――西表島との対比から」『南島の稲作文化』法政大学出版局
・伊波普猷(1927)「朝鮮人の漂流記に現れた尚真王即位当時の南島」『史学雑誌』38
・朝鮮王朝実録(全巻)http://sillok.history.go.kr/
2.
動画 与那国島のフガヌトゥ伝承・済州島からの漂流民への五世紀を越える思いをつなぐ(47分) をみてください。https://youtu.be/uZKY1oeoes8
いつのこととはわからない大昔、どこからとも知れないところから島に3人の漂流民がやってきたという、与那国島のフガヌトゥ伝承との出会いです。以下に発表した内容を、さらに最近送られてきた絵でふくらませています。おわりのへんにフガヌトゥを想う歌バガリグリシャが入っています。
参考文献
・安渓遊地・安渓貴子(2011)「1477年の済州島漂流民と与那国島民の交流の記憶」安渓遊地・当山昌直編著『奄美沖縄環境史資料集成』南方新社
・安渓遊地・安渓貴子(2011)「530年前の済州島からの漂流民の記憶」安渓貴子・盛口満編著『うたいつぐ記憶――石垣島・与那国島のくらし』ボーダーインク
・安渓遊地(2013)「農民の歩み」『黒潮の衝撃波――西の国境どぅなんの足跡』与那国町
3.課題
動画では、フィールドワークをして論文を書くという研究だけでなく、韓国の研究者の全京秀先生と兄弟になったり、遠い昔のできごとに関わる人々や海・山・村のカミガミに向けて、実際に祈りを捧げるといった活動についても述べています。
課題は、この一連の物語の登場人物である、金非衣さんたちや、当時の与那国島の人々、時代は下って現代を生きる伝承者のN子さん、私の兄の全京秀先生などから相手を選んで、その人々に届けるメッセージを書いてください。葉書1枚ぐらいをイメージしてくださるといいでしょう。相手が神々や大自然などの場合は、祈りや歌の形式がよいかもしれません。
すべて匿名の形で、現在も島の伝承を残すために奮闘中のN子さんに、はげましや感謝の気持ちをこめてお届けしますので、そのつもりでお書きください。全先生あてのものは、現在ソウルにおられる全先生にもお送りします。