新型肺炎)流行期に備えて、都道府県がいまやるべき10のこと #2019-ncov_RT_@tiniasobu
2020/01/26
高山義浩医師(沖縄県)のfacebookメッセージをシェアします。
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都道府県が、新型コロナウイルス感染症の流行期に備えて、いまやるべき10のことを整理してみました。
そろそろ行政と医療機関は最悪の想定について考えておいた方が良さそうです。国内発生を確実に捉えて、患者数を正確にカウントすることは、実は、そんなに重要なことではありません(やるべきだが没頭するな!)。
医療機関にとっての主戦場とは、流行期における医療提供体制をいかに確保できるかです。
1)対策を推進する会議体の立ち上げ
保健所、医師会、薬剤師会、看護協会、中核的医療機関、市町村、消防、観光などの関係者からなる対策会議を県単位および医療圏単位で設置する。現時点では、顔合わせ、連絡先の共有、関係法令や行動計画等の読み合わせをしておく。
2)医療機関の診療継続計画の収集
中核的医療機関であれば、新型インフルエンザに対する診療行動計画を策定しているはずなので収集する。とくに流行期における外来患者に対する感染管理の方針、診療能力が限界を迎えた場合の対応が適切に計画できているかをチェックする。そのうえで、これらの計画を横断的に確認して、地域の有機的連携が図れるかを検討する。
3)診療を行わない医療機関の決定
県内流行期にあっても、透析医療や産科医療など新型コロナウイルス感染症の診療を行わない医療機関を決定する。そのうえで、透析患者や妊婦などが感染した場合の診療体制について、中核的医療機関とのあいだで調整する。沖縄県においては、これら患者をあらかじめ津梁ネットワークに登録させて、臨床情報が迅速に共有できるようにしておく。
4)入院治療が可能な病床数の確認
感染症指定医療機関のほか、中核的医療機関における平時の病床稼働率をもとに、新型コロナウイルス感染症によって発生する入院患者の受け入れが可能となる病床数を医療圏ごとに算出する。そのうえで、各医療機関において回復期にあって退院可能な患者、延期可能な予定入院の患者のリストアップを開始するように求める。
5)ハイリスク者に対する予防策の検討
外来診療を行っている医師に対して、外来通院中の高齢者に対して肺炎球菌ワクチンを確実に実施しているかを確認するよう求める。インフルエンザの流行が重なる可能性もあるため、未接種のハイリスク者については接種を完了させるよう求める。また、安定している外来患者については、可能であれば定期薬処方を3か月として、流行期に受診せずにすむよう調整すること求める。
6)医療機関の収容能力を超えた場合の検討
新型コロナウイルス感染症により入院治療が必要な患者が増加し、医療機関の収容能力を超えた場合に備えて、臨時に医療を提供する場所について検討する。とくに、急性期を脱した患者であって、感染対策上の理由で帰宅ができない高齢者施設入居者などのコホート療養場所を検討する。
7)高齢者施設における医療提供体制の検討
高齢者施設入居者の外来診療について、一時的に訪問診療により集約化するなど、感染者との接点が生じない方法を検討する。また、集団感染が発生した場合の医療提供および感染管理の方法について、施設ごとに検討しておくように求める。
8)必要となる医療資器材の流通の管理
サージカルマスク、N95マスク、グローブ、ガウン、アイゴーグルなど、新型コロナウイルス感染症の診療に必要となる医療資器材について、県内事業者の備蓄量を確認するとともに、特定の医療機関による買い占め等が発生しないように流通を管理するよう卸元へ要請する。
9)県民に対するリスコミの準備
流行期における感染予防、感染が疑われたときの受診方法、感染しているときの療養方法など、県民に伝えるべき内容について医師会等の専門団体、県内メディアと調整を開始する。また、信頼すべき情報がリアルタイムに集約化されたウェブサイトを立ち上げておく。さらに、住民向けコールセンターを設置する準備を開始し、問い合わせに対するQ&Aの素案を作成する。
10)外国人に対する情報提供の検討
日本語による情報が届かない在留外国人および旅行者に対する、多言語による情報提供の方法を検討する。とくに、言語の障壁や医療費の不安による受診抑制が発生しないように、適切なサポート体制がとられているかを市町村や観光事業者と確認する。
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ざっと、思いつくのは以上かな。都道府県の担当者の皆さん、チェックリスト的にできているかを確認していただければ幸いです。あと、沖縄だと、在沖米軍の衛生当局とのあいだで、サーベイランス情報の共有方法と軍人や軍属、その家族など患者発生時の対応について申し合わせておく必要がありますね。
以上、引用は 安渓遊地でした。