新しい本)ソテツをみなおす 沖縄のボーダーインクから発売中です
2015/03/28
投稿しているメーラーが更新されて文字化けになり失礼しました。
4年越しで本になりました。
『ソテツをみなおすー奄美・沖縄の蘇鉄文化誌』
安渓貴子・当山昌直編(奄美沖縄環境史研究会)
A5判 182頁
2,000円+税
ISBN 978-4-89982-370-7
歴史・地理
奄美沖縄における多彩なソテツ利用
命を支えた先人の知恵に学ぶ
「ソテツ地獄」という言葉がジャーナリストによって作られ、日本中に知られるよう
になってから、長い時が流れている。
しかしソテツこそが人々を飢えから救って生き延びさせてくれたものだという意味で
「ソテツは恩人」とも呼ばれている。
ソテツを食べた記憶をもつ人々が少なくなり、正しい毒抜きの仕方、おいしい食べ方、
年中行事の中のソテツ、琉球王府時代のソテツ政策、
空中写真からみたソテツ利用や近代沖縄の新聞、ソテツの美や文化に至るまで幅広い
分野にわたりソテツを検証。
奄美沖縄の人々の生活を支えてくれたソテツの賢い利用について、それを利用してき
た人々の経験に耳を傾け、
安全な食糧による地域自給の確立と地域文化の尊厳の確保という課題に迫る。
●目次
はじめに
第一章 南島の自然と文化
日本のソテツ
暮らしの中のソテツ
奄美・年中行事のなかのソテツ点描
ソテツの三つの毒抜き法
◇コラム◇先史時代のソテツとドングリ
第二章 激動の歴史の中で
琉球王府による蘇鉄政策の展開
「蘇鉄かぶ」のこと ―久米島の古記録から─
◇コラム◇明治中期に田代安定が見た八重山のソテツ
空中写真から復元するソテツ利用
第三章 もうひとつの未来へ
近代沖縄の新聞にみるソテツをめぐる事件
◇コラム◇国境を越えるソテツ
琉球列島の里の自然とソテツ利用
◇コラム◇横井庄一さんを生き延びさせたナンヨウソテツ
ソテツの「美」を愛でる
ソテツ文化の継承──もうひとつの未来へ
資料 世界のソテツ類
あとがき
索引
執筆者紹介
●著者紹介
執筆者紹介(五〇音順)
安渓 貴子(あんけい たかこ)
愛知県生まれ。生態学専攻。山口大学・山口県立大学非常勤講師。理学博士。主な著
作に、安渓貴子 二〇〇九『森の人との対話――熱帯アフリカ・
ソンゴーラ人の暮らしの植物誌』アジア・アフリカ言語文化叢書四七:一~六一四頁
東京外語大AA 研、安渓貴子 二〇〇三「キャッサバの来た道―
毒抜き法の比較によるアフリカ文化史の試み」吉田集而・堀田満・印東道子編『イモ
とヒト』平凡社 二〇五~二二六頁、ANKEI Takako 1990
Cookbook of the Songola, African Study Monographs, Suppl.13:1-174 京都大学、
など。
安渓 遊地(あんけい ゆうじ)
一九五一年富山県生まれ。母方は加計呂麻島西阿室出身。人類学・地域学専攻。山口
県立大学国際文化学部教授。理学博士(京都大学)。主な編著に、安渓遊地編著
二〇〇七『西表島の農耕文化――海上の道の発見』法
政大学出版局、宮本常一・安渓遊地 二〇〇八『調査されるという迷惑』みずのわ出
版、湯本貴和編、田島佳也・安渓遊地責任編集
二〇一一『島と海と森の環境史――日本列島の三万五〇〇〇年』文一総合出版、など。
上江洲 均(うえず ひとし)
一九三七年沖縄県久米島生まれ。名桜大学名誉教授。久米島博物館名誉館長。主な著
書に、上江洲均 一九七三『沖縄の民具』慶友社、上江洲均
一九八二『沖縄の暮らしと民具』慶友社、上江洲均 二〇〇八『沖縄の祭り
と年中行事』榕樹書林、上江洲均 二〇〇七『久米島の民俗文化──沖縄民俗誌』榕
樹書林、など。
木下 尚子(きのした なおこ)
一九五四年東京都生まれ。日本考古学専攻。熊本大学文学部教授。文学博士(九州大
学)。主な著作に、木下尚子
一九八九「弥生定形勾玉考」『東アジアの考古と歴史』同朋社、木下尚子 一九九六
『南島貝文化の研究―貝の道の考古学』法政大学出版局、
分担執筆、一九九八『続・暮らしと環境』山口県史編纂室、木下尚子 二〇〇九『13
~14世紀の琉球と福建』平成一七~二〇
年度科学研究費補助金基盤研編著究(A)(2)研究成果報
告書、熊本大学文学部、など。
当山 昌直(とうやま まさなお)
一九五一年沖縄県那覇市生まれ。動物学専攻。沖縄国際大学南島文化研究所特別研究
員。主な著作に、当山昌直・安渓遊地編
二〇〇九『聞き書き・島の生活誌?野山がコンビニ 沖縄島のくらし』ボーダーインク。
安渓遊地・当山昌直編
二〇一一『奄美沖縄環境史資料集成』南方新社。当山昌直・安渓遊地 二〇一三『奄
美戦時下米軍航空写真集』南方新社、など。
豊見山 和行(とみやま かずゆき)
一九五六年沖縄県宮古島生まれ。歴史学(琉球史)専攻。琉球大学法文学部教授。博
士(歴史学・名古屋大学)。主な著書に、豊見山和行
二〇〇四『琉球王国の外交と王権』吉川弘文館。入間田宣夫・豊見山和行 二〇〇二
『北の平泉、南の琉球』中央公論新社、など。
早石 周平(はやいし しゅうへい)
一九七四年大阪府生まれ。母方は徳之島崎原出身。霊長類学専攻。鎌倉女子大学教育
学部准教授。理学博士(京都大学)。主な著作に、早石周平・渡久地健
二〇一〇『聞き書き・島の生活誌?海と山の恵み 沖縄島のく
らし2』ボーダーインク、など。
前田 芳之(まえだ よしゆき)
一九七二年、大阪から瀬戸内町手安にIターン。造園業の芳華園を経営。樹木医。環
境省および鹿児島県の希少野生動植物種保存推進員。
鹿児島県文化財保護指導員、瀬戸内町文化財保護審議会会長。奄美の「森の番人」。
「奄美大島におけるカンアオイ類の分布と生活史」の研究で理学博士。
町 健次郎(まち けんじろう)
一九七〇年与論島生まれ。民俗学専攻。瀬戸内町立図書館・郷土館学芸員。博士(学
術・琉球大学)。主な論文に、町健次郎
二〇一〇「明治期における奄美大島開闢神話」『沖縄民俗研究第28号』沖縄民俗学会、
町健次郎二〇一一「大正・昭和期における奄美大島開闢神話」『沖縄民俗研究第
29号』沖縄民俗学会、など。
盛口 満(もりぐち みつる)
一九六二年千葉県生まれ。沖縄大学人文学部こども文化学科教授。珊瑚舎スコーレ夜
間中学校講師。主な研究テーマは、琉球列島における植物利用の聞き取り調査、身近
な自然の教材化の研究など。主な著書に、盛口満
二〇〇九『ゲッチョ先生の野菜探検記』木魂社、盛口満 二〇〇一『ドングリの謎』
どうぶつ社、盛口満 二〇〇七『ゲッチョ昆虫記』どうぶつ社、など。