細見谷渓畦林)緑資源機構への日本生態学会アフターケア委員会からの意見書
2005/03/26
日本生態学会の細見谷要望書のアフターケア委員会が林道工事を強行しようとする緑資源機構に対して2005年2月に要望書を出しました。
全文をpdfファイルで添付します。
これについて、緑資源機構の設置する検討委員(第4回)会では、傍聴した金井塚アフターケア副委員長によれば以下のような「無視する」対応がありました。
以下引用。
>検討委員会の最後に、生態学会アフターケア委員会から緑資源機構
>宛に提出された意見書の取り扱いについて、議題に上りました。
>結論から言えば、全くの無視という取り扱いです。
>
>事務局から、生態学会アフターケア委員会から意見書の提出資料として
>提出され、その取り扱い(先だっての意見公募に対しては、緑資源機構
>の見解を提示しただけで、検討委員会には付議されないとの決定)が議
>題として取り上げられました。
>これに関し、事務局では、意見募集も意見陳述もすでに行っているので
>さらに公聴会を開催して協議する考えのないことが示されました。
引用おわり
なお、日本生態学会は、この件については、2003年3月の総会で、建設中止を求める要望を決議しています。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/esj/ESJ_NConsv/2003hosomidani.html
緑資源幹線林道大朝・鹿野線戸河内・吉和区間(二軒小屋・吉和西工事区間)環境保全調査報告書(素案)に関する意見書
独立行政法人
緑資源機構理事長 伴 次雄 様
日本生態学会
細見谷要望書アフターケア委員長
豊原 源太郎
かねてより西中国山地国定公園を縦貫する緑資源幹線林道建設工事に関して、日本生態学会では細見谷渓畔林の保全を求め、工事の中止を求める要望書を提出しておりました。それに対し、貴機構では、保全のための検討委員会を設置し、学術的・専門的な立場から保全策を検討しているとのことですが、これまでに公開された素案を見る限り同渓畔林生態系の全体の保全に関する視点が欠けています。そこで、生態学会細見谷要望書アフターケア委員会として、その点に関し、下記のとおり意見書を提出いたしますのでよろしくご検討下さい。
また、2005年2月5日土曜日に、意見聴取のための公聴会が開催されるとのことですが、日本生態学会としては、こうした公聴会での意見陳述だけでは極めて不十分であると認識しています。細見谷渓畔林を巡っては、極めて複雑で重大な問題を含んでおり、わずか半日の意見陳述では到底、疑問点や問題点を明らかにできるとは認識しておりません。
これまでの報告書案の基礎となる調査自体に以下に示すような根本的な欠陥とデータの不足か指摘されている以上、公聴会の開催以前に、渓畔林生態系全体の状況が把握できるような科学的データの収集と提示が不可欠と考えます。
さらに、細見谷要望書のアフターケア委員会といたしましては、2003年度に提出した要望書に沿った計画の中止を求めていますが、少なくとも細見谷渓畔林生態系全体の保全が科学的、生態学的に合理性を持って議論できるような場(公聴会)を設定して下さるよう申し入れます。