たった一人の反対票)愛媛県議会の阿部悦子議員のとりくみ
2006/07/14
環瀬戸内海会議の代表である、阿部悦子さん(愛媛県議会議員)が、全員賛成
の中、たった一人で「(北朝鮮に対して)国にあらゆる制裁措置を求める意見書」
に反対票を投じられました。
以下、ご本人の了承によって、抜粋・引用します。
なお、末尾には、採択された意見書を参考のため添付しました。
以下に議会での私の声明文を貼り付けます。おそろしい時代が
きたと、つくづく思わざるをえません。みんなでつながって
環瀬戸の動きを作りましょう。
おととい、11日に6月愛媛県議会が
閉会しました。「国にあらゆる制裁措置を
求める意見書」が出され、私以外の全議員の賛成で、可決
されました。私の反対表明で、議場は騒然となりました。私は
「戦争国家にするのですか!」とやじり返しましたが・・。
このあと、廊下で普段は仲良くしている議員とも、どなりあい
ましたし、この後、いつもの閉会後の知事の控え室訪問の時は
知事は「せめて、棄権になさるべきでしたね。」などという
発言をしましたので、私は「こんな危険な意見書で
棄権はありえません」と、言い返しましたが。
そして、できたばかりの私の「声明文」を知事に渡しました。
そして、この後マスコミや自民党、議長などにも、提出しま
した。以下が、その声明文です。
北朝鮮のミサイル発射実験に関しての声明
2006年7月11日
愛媛県議会議員 阿部悦子(環境市民)
北朝鮮がミサイル実験を行ったことに対して強く抗議します。
ミサイル実験は明らかに日朝平壌宣言に反しています。
しかし日本政府は平壌宣言以来の4年間、せっかく切り開いた
和平への機会を生かす外交努力をしてきたのでしょうか。
6カ国協議の枠組みがありながら、6月以降繰り返されてきた
大規模な日米共同演習は北朝鮮から見れば威嚇行為です。今ま
さに進められている日米の軍事力を一体化する再編も北朝鮮に
とって大きな脅威以外のなにものでもありません。また、この
間、アメリカは米朝2国間協議を拒否し続けています。いま、
何よりも必要な事は、米国が速やかに「6カ国共同声明」を履
行し、米朝交渉が行われるよう、日本政府がその役割を担うこ
とではないでしょうか。
日本政府が国連に提出している「決議案」は、経済制裁だけで
なく、武力行使さえ可能なもので、県議会の意見書には「あら
ゆる制裁措置が講じられるよう」との文言があり、こうした政
府に全権委任をする意見書に対しては同意できません。
北朝鮮は現在、深刻な経済危機と食糧不足に陥っており、多く
の弱者の生命を脅かすような経済制裁に関しては人道的な見地
から反対します。
さらに北朝鮮は「日本側の経済制裁を宣戦布告とみなす」と宣
言している事を考えると、日本の強硬姿勢は戦争の引き金にな
るのではないかとの危機
感を強く持ちます。わが国の憲法は「武力による威嚇」につい
てさえ、国際紛争を解決する手段としてこれを永久に放棄する
と宣言しています。今、わが国の平和憲法の精神を、国民世論
をあげて具現するべきです。
東アジアの平和を本当に構築しようとするならば、それは平和
的な手段によってするしかないことを私たちは現代の歴史から
学んでいます。いまこそ日本が米国に働きかけて、北朝鮮との
平和協定を結ぶよう働きかけるべきです。日本が特別な責任を
負っていることは、過去のアジア諸国とりわけ朝鮮半島への侵
略の歴史を思い見ると明らかだと考えます。私たちは二度と戦
争への道を開いてはなりません。そのための冷静な対処を日本
政府に望みます。また、国民を無用に煽ることなく、慎重な報
道姿勢を保つようマスメディアには要望したいと思います。
> 〔第297回(平成18年6月)愛媛県議会 定例会〕
>
> 本定例会では、7月11日の本会議において、4件の意見書を
> 可決し、内閣総理大臣など関係機関にその実現方を要望しまし
> た。
>
>
> 【 意 見 書 】
> 議 発
> 第1号議案 北朝鮮に対し、国際社会と連携した断固たる措置を
> 求める意見書
>
> 去る7月5日未明より複数回にわたり、北朝鮮から、弾道ミ
> サイルが発射された。
> 北朝鮮が、我が国を含む関係各国による事前の警告にもかか
> わらず発射を強行したことは、我が国の安全保障や国際社会の
> 平和と安定、さらには大量破壊兵器の不拡散という観点から重
> 大な問題であり、船舶・航空機の航行の安全に関する国際法上
> 問題であると同時に、日朝平壌宣言にあるミサイル発射モラト
> リアムにも反する疑いが強く、六者会合の共同声明とも相容れ
> ないものである。
> また、今回の行為は、北朝鮮による国家的犯罪である日本国
> 民の拉致の問題の早期解決に対しても、深刻な影を落とすもの
> である。
> このような状況を踏まえ、国において万景峰号の入港禁止等
> の対応措置を直ちに決定されたことは、高く評価し、歓迎する
> ものであるが、これまでの北朝鮮の対応を考えると更なる措置
> が求められる。
> よって、国におかれては、国際社会と連携しながら、主権国
> 家として毅然とした態度であらゆる制裁措置を講じられるよう
> 強く要望する。
>
>
> 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
> 平成18年7月11日
>
> 愛 媛 県 議 会