兵庫保険医新聞)上関原発でなく自然保護を
2010/12/13
2010年12月05日(1641号)からの引用です。
http://www.hhk.jp/hyogo-hokeni-shinbun/backnumber/2010/1205/070100.php
保団連は11月6・7日に公害視察会を開催。全国から36人が集まり、兵庫協会から、
林祐介副理事長、森下順彦理事、山田旺評議員ら4人が参加した。参加者の感想文を
紹介する。
中国電力が山口県熊毛郡上関町に1982年から進めている原子力発電所建設計画は、
原発建設推進派と反対派に二分され、28年経過した現在も原発工事着工に至っていな
い。
その計画の問題点や現状について理解を深めようと、11月6・7日の日程で全国の協
会会員、事務局員ら約40人(兵庫協会より環境・公害対策部員3人、事務局員1人)が
参加して、柳井市クルーズホテルで現地学習会が行われた。
初日6日、生物多様性の保護を訴え続けている環境問題研究者、安渓遊地(あんけ
い ゆうち)山口県立大学教授、および奥様で植物生態学が専門の安渓貴子同大非常
勤講師が「上関における生物多様性保護の必要性」と題して講演した。
中国電力がまとめた環境評価が不充分であるとの指摘があり、このようなずさんな
計画で進めると、将来大きな禍根を残すことになると示唆された。
次いで、地元住民らで作る環境保護団体「長島の自然を守る会」の高島美登里代表
は、建設予定地付近海域で生棲し、国の天然記念物に登録されているカンムリウミス
ズメやスナメリなどの鳥類・魚介類の映像を紹介された。この周辺は希少生物多様性
の宝庫で、この奇跡の海が失われれば、瀬戸内海の生物多様性の復活は望めないとい
う危機感にもとづいた保護保全を強く求められた。
締めくくりに、参加者一同で「上関原子力発電所の建設中止を求める」アピールを
採択した。
引き続いて行われた懇親会の席上では、会員所属協会の環境公害に対する活動につ
いての披露があった。
翌7日、原発建設予定地の上関町「田ノ浦」埋め立て海域の、浮標ブイで囲ってい
る状況を船上より視察後、建設予定地が真正面に眺められる離島「祝島(いわいしま)
」で、建設反対派住民との対話交流集合を持った。
その声は、「田ノ浦」近くを活断層が走り、祝島住民の避難経路も確保されていな
い問題を指摘し、大きな危険と隣り合わせだとして、建設中止を強く求めていた。
最後に同席者全員で、建設中止のシュプレヒコールで視察学習会を終了した。
【西区・歯科 山田 旺】