上関)「ミツバチの羽音と地球の回転」(鎌仲ひとみ監督)の力の入った毎日新聞予告記事@石川県
2010/05/20
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20100520ddlk17040648000c.html
映画:原発「ノー」、山口・祝島舞台に描く 持続可能な社会問う--今秋公開 /
石川
◇自然エネルギー活用、スウェーデンの姿も通し
◇「地域を元気に」頑張る人見て
原発計画に反対する瀬戸内海の小さな島と、自然エネルギーで生きるスウェーデン
の人々の姿を通し、持続可能な社会の在り方を問うドキュメンタリー映画「ミツバチ
の羽音と地球の回転」(鎌仲ひとみ監督)が完成した。今秋に劇場公開され、自主上
映会も広く募る。鎌仲監督は「背景に過疎が横たわる島の姿は、日本中の多くの地域
と重なる。地域を元気にしたいと頑張る人に見てほしい」と話している。【近藤希実】
舞台は山口県上関町にある人口500人の祝島。82年に中国電力の原発計画が持
ち上がって以来、島民の9割が「ノー」を叫び続けている。原発予定地は島の真正面
3・5キロ先にある、豊かな漁場の湾。島の人々は漁業補償金よりも、1000年続
く半農半漁の生活を選んだという。
鎌仲監督は「地方の弱みにつけ込み、身売りさせてきたのが日本のエネルギー政策」
と指摘する。映画では、埋め立て工事を阻もうと海上で船団を並べる島の人たちに、
電力会社の社員が「一次産業で未来はあるのか」と問う場面も。
高齢化の進む中、経済的な自立は容易ではないが、鎌仲監督は無農薬のびわ茶栽培
や養豚に取り組む姿から、「島で生きる」決意の強さを描き出す。
一方、国民投票で脱原発を決めたスウェーデン。太陽光や風力、波力で電力を作り、
し尿をバイオガスに変え、環境も快適な生活も維持している人々の表情は明るい。
「日本は『資源に乏しい』という考えは時代遅れ。スウェーデンより日照時間は数
倍多く、海も山も豊かな資源大国」と鎌仲監督。「原発ありきではない、エネルギー
の未来を考えよう。最初はミツバチ1匹の羽音のような小さな動きでも、大きな変革
を起こせるはず」と話していた。
近く県内で上映会の実行委が発足する予定。詳細や上映会の相談は上映アドバイザー
の小原さん(076・240・0413)。
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毎日新聞 2010年5月20日 地方版