上関)山口県知事から政府への質問状+どうよむべきかを考える
2009/12/04
添付の文書は、知事印はありませんが、
11月30日に二井山口県知事が県庁記者クラブで
配布したものです。
この上関の自然の価値はかけがえのないものだ、と指摘してきている、日本生態学会
では、日本ベントス(底生生物)学会と連携して、そのことを国会議員
に説明する院内集会の講師を、12月2日に派遣したところですが、そこにおいては、
原子力発電だからという内容は含まれていません。
どのような開発にせよ、いい加減な環境影響評価で、進めてはいけないし、その後に
も続々と希少生物が見つかっている場所である、という認識を伝えたわけですが、そ
の直前に、このような文書を県知事が送っていたわけです。
タイトルでは、知事意見の確認をもとめるかっこうをとりながら、「等」の部分で、
述べていることは、
事業者である中国電力の意向を反映した内容となっており、閣内不
統一であると現政権への攻撃をこころみる自民党の代弁の雰囲気もあります。そして
何より、自然などはどうでもいい、といわんばかりの内容で、県民の代表の発言とし
ては、というてい受け入れることができない内容の文書であると考えます。
以下引用。
原文は pdfを参照してください。
平2 1商政第2 5 0 9号
平成21年(2009年)11月30日
経済産業大臣 直嶋正行 様
(各通)
内閣官房長官 平野博文 様
山口県知事 二井関成
上関原子力発電所建設計画に係る安全性の確保等について
上関原子力発電所建設計画について、県としては、これまで一貫して、国のエネル
ギー政策に協力するとともに、原子力発電所の立地によりまちづくりを進めたいとい
う、地元上関町の政策選択を尊重する立場で対応してきましたが、地元においては、
一部で根強い反対運動が続いているところです。一方で、事業者は、現在、原子炉設
置許可申請に向けた準備を進めているところです。
こうした中で、政権与党の一員である社会民主党では、現地視察や反対派との意見交
換を行い、事業者に対し、埋立工事の中止や環境影響評価のやり直しを求める要請書
を提出されました。また、環境省に対しては、建設計画をめぐり、省としての対応の
再検討を要請したところ、応対された副大臣は「実態を把握した上で、前向きに検討
する」姿勢を示されたと報道されています。
原子力政策は、地方の政策判断に大きな影響を与える問題でありますことから、新
政権において、上関原子力発電所計画についての政府方針を含め、政権与党内で原子
力政策に係る対応方針を統一し、新政権として、今後、原子力政策にどう取り組まれ
るのか見解をお示しいただくようお願いします。
また、電源開発基本計画組み入れに際しての知事同意の前提条件として提出した知
事意見における安全確保等6分野21項目の要請事項については、新政権においても引
き続き誠意と責任ある対応を行っていただくよう併せて要請します。
引用終わり
なお、仁井知事は、同時に岩国の艦載機移転に関しても質問状を出しています。
朝日新聞より
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000912010004
国の統一見解 要請/米軍再編・上関原発
2009年12月01日
◆知事「地元に不安」
二井関成知事は30日、米軍岩国基地(岩国市)への艦載機移転を含む米軍再編計
画と、中国電力が上関町で進めている上関原子力発電所計画について、「政府の統一
見解が示されていない」などとして、政府としての姿勢を示すよう求める文書をそれ
ぞれの関係閣僚に送った。
米軍再編関連の文書は岡田克也外相など3閣僚あて。このなかで二井知事は「新政
権は米軍再編について見直しの方向で臨む
としているが、見直しの方向性が明らかにされず、地元では不安や不信感が増大して
いる」と指摘。米軍再編に対する政府方針が変更されたり、空母艦載機の岩
国基地への移駐が「見直し」の対象になったりする可能性があるのか、回答を求めた。
25日の全国知事会議で訴える予定だったが、発言の機会がなかったため
文書での要請としたという。
上関原発計画関連の文書は直嶋正行経済産業相ら2閣僚あてで、社民党が埋め立て
工事の中止を求めていることなどに触れ、「原子力政策は地方の政策判断に大きな影
響を与える。政権与党内で対応方針を統一し、見解を示してほしい」と要請している。
県は30日、自民党県議らの「岩国基地問題に関する議員連盟」の総会で、文書送
付に至った経緯を説明。議連会長の柳居俊
学県議は議連として知事の姿勢に同調する方針を明らかにし、「新政権になり陳情の
方法が変わっているので、どう政府に伝えればいいか協議したい」と話し
た。
二井知事は10月、県庁を訪れた榛葉賀津也・防衛副大臣に「米軍再編を進めると
の閣議決定を白紙から見直すなら、県も原点に戻って移転に反対する」との意見を伝
えている。