上関)原発計画海域に天然記念物カンムリウミスズメのひな(中国新聞と朝日新聞2009.5.23)
2009/05/28
滋賀県立大学の野間直彦さんからのお知らせを転載します。
ウェブ上の写真は違うものが載っていますが、朝日のほうが鮮明でヒナの綿毛
もよく見えます。中国新聞は地図を載せているので場所がわかって助かります。
朝日新聞 山口版
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000905230003
カンムリウミスズメ「じっくり調査を」
2009年05月23日
カンムリウミスズメの親鳥の後ろについて泳ぐヒナ(右の2羽)=上関町・八
島沖の瀬戸内海、武石全慈さん撮影
◆八島近海で繁殖か 中電へ要望高まる
中国電力上関原発の予定地近くにある八島近海で、国天然記念物の海鳥カ
ンムリウミスズメのヒナが撮影されたことを受け、関係者から「八島近くで繁
殖した疑いが強まった」との見方が出ている。付近では昨年もヒナが確認され
たといい、生まれて間もない姿が繁殖時期に2年続けて見つかったことになる
ためだ。中国電が6月までの計画で行っている調査についても「数年かけて」
と求める声が改めて上がっている。
今回、カンムリウミスズメのヒナを確認したのは北九州市立自然史・歴史
博物館の武石全慈学芸員。今月18日夕、ヒナを連れた家族を写真に撮影した。
07年6月に瀬戸内海で初めてカンムリウミスズメの生息を確認した広島
市の日本鳥学会員、飯田知彦さんによると、今回確認されたヒナは生後10日
~2週間ほどとみられる。飯田さん自身も昨年5月に八島近海で調査した際、
ヒナを連れた3家族を確認して撮影したといい、「近辺に繁殖地がある疑いは
強まっている」と指摘する。
一方、中国電は昨年9月から、八島を含む上関原発予定地の近海で、船か
ら双眼鏡などで姿を確認する「生息調査」を続けている。だが、繁殖期前後の
3月~5月に、陸地で巣の有無などを調べる「繁殖調査」では、八島は対象に
含まれていない。同社上関原発準備事務所は「これまでの調査では、まだヒナ
は確認されていない。今回の情報も参考にして調査を続ける」とだけコメント
している。
原発建設に反対する自然保護団体「長島の自然を守る会」の高島美登里代
表は「近隣で繁殖した可能性は高い。詳しい生態が分からない貴重な海鳥。予
定地だけの繁殖調査では不十分で、今年に限るべきでない」。飯田さんも「カ
ンムリウミスズメは数年に1度しか繁殖をしないという説もあり、中国電は今
年で調査を打ち切るのではなく、数年かけてじっくり継続してほしい」と要望
している。
原発計画海域に記念物のひな(中国新聞地域ニュース
2009.5.23)
中国電力が原発建設計画を進める山口県上関町の八島沖で、国の天
然記念物カンムリウミスズメのひな2羽が見つかったことが22
日、分かった。これまで瀬戸内海での繁殖は確認されておらず、写
真を撮影した北九州市立自然史・歴史博物館の鳥類担当学芸員武石
全慈さん(56)は、詳しい調査の必要性を指摘している。
武石さんによると、18日午後5時すぎ、八島の南端から約
3.4キロで、2羽のひなが成鳥2羽の後ろを泳ぐ姿を船上から撮影し
た。同町長島の原発建設予定地からは南東に約11キロ。ひな
は体長約24センチの成鳥の3分の2の大きさで、羽毛の状態
などから、ふ化後約2週間とみられるという。
武石さんは4月上旬から近海で調査を始め、同13日には計
20羽の成鳥を確認した。ひなが見つかったことについて「瀬戸内海
西部で営巣している可能性は否定できない。詳細調査が必要」とし
ている。
【写真説明】山口県上関町八島沖で確認されたカンムリウミスズメ
のヒナと成鳥(北九州市立自然史・歴史博物館学芸員の武石さん提供)
写真は以下をご覧ください。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200905230047.html