体験レポート)1月末の東京で段ボールハウスを作って寝た若者のきづき
2008/03/30
山口県立大学国際文化学部を卒業した楊殿閣(やなぎ・でんか)さんから、
―東京 24― と題するレポートが送られてきました。4月からは、東京外国語大学国際協力研究科の大学院生となっておられますが、寒さの中で、段ボールハウスを作って寝た体験は、貴重なものだし、大都会で暮らし始めるにあたって、また、世界の人々とのつき合いの作法として、実に重要な出発点だと思います。ご本人の了解を得て、送られてきたメールを掲載します。
センター大からの留学生たちと今年度後期に勉強した英語授業、日本の人類学(Japan’s minority groups)
に楊さんも参加してくれましたが、社会的包摂(少数者・弱者を排除しない世の中の仕組み)への道筋の入り口に立つ体験レポートでもあります。
以下引用です。
―東京 24―
2008年1月26日
PM 0:00
バイト先からパンをかじりながら自転車で10キロ離れている家に帰る。
PM 1:00
東京に発つため宮野駅に行く。
PM 7:00
東京に着き、受験する大学に向かう。
PM 8:00
大学に到着し、周辺を散歩する。
PM 9:30
風を凌げる階段の裏でパンをかじり、夜をどう過ごすかについて考える。
PM 10:00
階段の裏を整理し、仮眠する。
PM 11:30
寒くて目を覚まし、トイレを探すために校舎内を探検する。
2008 3月 27日
AM 1:30
トイレが見つからず、警備員室に飛び込む。
AM 1:40
階段の裏に戻り、仮眠する。
AM 2:10
寒くて寝られず、ダンボールを探し集める。
AM 2:50
ダンボールハウスを造り、ダンボールの機能性に感動しながら仮眠する。
AM 3:50
寒くて目を覚まし、体温上げるためにジョギングする。
AM 4:10
ダンボールハウスに戻り、仮眠する。
AM 5:30
凍った池の上で走る小鳥の歌声で目を覚まし、自然界の中のヒトと
他の生物について考える。
AM 6:10
コンビ二で歯磨き、洗顔、服装を整え、受験する大学に戻る。
AM 6:50
朝日を眺めながら、試験について考える。
AM 7:50
博士の受験生(在日朝鮮人で、アメリカで学部を卒業し、フランスで修士を取得した。)が現れ、交流する。
AM 9:00
受験会場に入室し、残ったパンでエネルギー補給する。
AM 11:30
試験が終わり、山口に戻るため駅に向かう。
PM 0:00
新宿駅前の広場で日光を浴びながら寝るホームレスを見て考えた。
昨夜、彼も寒気や餓えと戦ったに違いない。そして今夜に備えて睡眠を取る彼に迷惑行為をする人が現れないことを祈った。
経済大国の首都でホームレスを経験するのは面白い!!上目線的視点では考えが及ばないことを考えさせられた。
(引用終わり)
つけたり
「ホームレス自身による」をキーワードにgoogle検索をして、以下のサイトにであいました。
http://blog.livedoor.jp/kenjiro45/
のトップページから引用
みなさんはこのブログを読んで、眉をしかめ呪いのことばを吐き激しく動揺するかも知れない。このような世界が眼前で語られることに耐えられず、楽しく愉快な世界へと逃げ出してゆくかも知れない。しかし、それはぼくがホームレスの河を渡ってみなさんに語りかけているからだ。ふたつの世界が分断しないことのために。
このブログは、その分断に対するささやかな抵抗なのである。
晩秋の日に 武州無宿・健次郎
(引用終わり)