東ティモール)日本軍侵攻の日・声明に賛同署名しました
2008/02/19
MLでまわってきた要請に応えました。
以下は引用です。
(声明文)
日本軍性奴隷制被害者の名誉回復と権利実現を求める声明
私たちは、第二次世界大戦中に日本軍が東ティモールを占領した際、
全土で展開された「性奴隷制」の真相究明と被害者救済を求める市民で
ある。
1942年2月20日、日本軍は当時中立であったポルトガル領ティモールに侵攻し、その後約 3年半にわたり占領を続
けた。その間日本軍は、リウライ(伝統的な首長)や村長などに命じて
女性たちを差し出させ、全土の駐屯地周辺に慰安所を建設した。命令に
従わないリウライは処刑され、女性を守ろうとした家族や隣人は暴力を
受けた。女性の徴用には年齢による配慮もなく、まだ月経が始まってい
ない幼い少女さえ「慰安婦」にされた。
性暴力の被害は一時のものではない。日本軍が東ティモールを去った
後、ある者は夫と別れ、ある者は不妊に苦しみ、ある者は日本人の子ど
もを残され、ある者は周囲の無理解と差別に苦しんだ。しかし、この重
大な犯罪は、戦後東ティモールがポルトガルとインドネシアの支配下に
あったため歴史の闇に隠されてきた。その間、被害者たちは放置され、
自国の軍隊の行動に責任をとるべき日本政府も、日本軍から女性たちを
守れなかったポルトガル政府も、日本軍に女性を引き渡したティモール
人も、戦後被害者を侮辱した人々も、被害者たちに対して謝罪さえして
いない。
一方、2000年に開始された両国の市民団体による合同調査に
よって被害の実態が明らかになってきた。この調査において自身の被害
に関する証言を行なった16名の女性たちは日本政府に対し謝罪と
補償を求めている。日本の市民団体は毎年外務省と会見し被害者の願い
を日本政府に伝えてきた。しかし日本政府は「東ティモール政府とは国
交樹立時に両国の関係は未来志向で進めていくことを確認した」と述
べ、「東ティモール政府からの要請がない」ことを理由に、これまで何
の行動も取ろうとしてこなかった。
現在、被害者は高齢化し、残された時間はわずかである。一昨年は被
害者のエスメラルダ・ボエさんが、昨年はマルタ・アブ・ベレさんとク
レメンティーナ・カルドゾさんが逝去された。私たちは、被害者の名誉
を回復しその権利を実現するために、日本政府と東ティモール政府に対
し、以下の要請を行なう。
・ 日本政府は、「東ティモール政府からの要請がない」ことを
不作為の理由にしてはならない。自国の軍隊の犯罪行為に対する謝罪と
補償は自ら決定すべき事柄である。
・日本政府は、利用可能な全てのデータを動員し、一刻も早く被害の認
定を行なうこと。
・日本政府は、被害者の尊厳回復のため、一刻も早く公式な謝罪を行う
こと。
・ 日本政府は、被害者に対する補償の方法を検討するため、東
ティモールの新政権、被害者、関連団体との協議を開始すること。
・ 東ティモール人の中には、日本の戦争責任問題に触れると日
本政府による対東ティモール経済援助に悪影響を及ぼすと心配する声も
ある。日本の経済力は小国東ティモールにとっては脅威であり、日本政
府は、東ティモールへの開発援助と戦後賠償の問題をリンクさせないと
明言すべきである。
・ 東ティモール政府には他国に対して自国民の人権を守る義務
がある。東ティモールは独立を果たし国家としての主権を得た。日本政
府は、戦後、インドネシアを含むアジアの被害国に国家賠償を行なって
きた。東ティモールの新政権は、早急に被害者や関係団体と協議を行な
い、日本政府との交渉を開始すべきである。
18年にわたるアジア各国の被害者たちの告発は、アジア地域で
の社会運動を育て、かつ世界の世論をも動かしてきた。昨年は、
7月31日に米国議会下院が、11月18日にオランダ下
院が、11月28日にカナダ下院が、12月13日
に 欧州議会が「慰安婦」問題に関する決議を採択し、日本政府
に政策の変更を求めた。私たちは、日本政府と東ティモール政府がこれ
らの動きを真摯に受けとめ、問題の正義ある解決に踏み出すことを願っ
てやまない。
2008年2月20日 (日本軍侵攻から66年目の日に)
東ティモール全国協議会
札幌東ティモール協会
カトリック正義と平和仙台協議会
東京東チモール協会
東ティモール支援・信州
名古屋YWCA東チモールを考える会
大阪東ティモール協会
岡山・東ティモールの声を聞く会
下関・東チモールの会
大分・アジアと日本の関わりを見つめる会
東ティモールと連帯する長崎の会
長崎東ティモール協会
日本カトリック正義と平和協議会
声明を出すことの意味については、以下の説明がありました。
> 東ティモールは、この2月11日に大統領が銃弾を受けて重傷を
> 負い、全土に非常事態宣言が発令されるという、緊張した事態になって
> います。(非常事態は少なくとも2月23日まで続きます。)
>
> こんな中で、現地の人権団体「ハク(HAK)」は、日本軍侵攻
> の日に向けて次のような準備を進めています。
>
> まず、2月20-21日、首都ディリにあるホールで、日本軍及び
> インドネシア軍占領下における性暴力についてのパネル展を開催する予
> 定でいます。これは、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和
> 資料館(wam)」が行ったパネル展「東ティモールー戦争を生き
> ぬいた女たち」を東ティモールの言語であるテトゥン語に翻訳したもの
> です。このパネル翻訳プロジェクトは、wamと東ティモール全国
> 協議会が共同で2007年4月に立ち上げたもので、43枚のパ
> ネルは今年1月に完成し、現地まで人の手で運びました。
>
> また、このパネル展に合わせ、日本軍性奴隷制についてのラジオ番組
> (30分x5回放送)も披露されます。ハクの制作による、ナレー
> ションと証言によって構成されたテトゥン語のラジオ番組は、コミュニ
> ティ・ラジオなどでの放送を働きかけていきます。
>
> この声明は、現地でのパネル展オープニング式で披露していただく予
> 定です。(2月20日)
>
> 東ティモールでは、昨年8月に新政権が発足しました。大統領と首相
> のこれまでの立場は日本に何も要求しないということですが、法務大臣
> になったルシア・ロバトさんは女性国際戦犯法廷(2000年)の調
> 査者でディリでの被害者公聴会(2006年)ではパネリストをつと
> めた方です。また他にも、新政権、新国会には若手の人権派が加わって
> います。この声明が彼らの支えになることを願っています。
>
> よろしくお願いいたします。