自然保護)独立行政法人・緑資源機構の解体を求める要望書の提出
2007/05/30
西中国山地に残されたすばらしい自然細見谷流域研究者グループ世話人の安渓遊地で
す。
研究者仲間の金井塚氏のブログに詳しいのですが(http://hosomidani.no-blog.jp/)そこに無目的道路をつけるようとする緑資源機構に対して、さまざまな働きかけをしてきました。
以下は、本日提出された要望書の写しです。
学術的な報告については、日本生態学会中国四国地区会のホームページをご覧下さ
い。
http://www.esj.ne.jp/chugokushikoku/research.html
以下引用です。
独立行政法人・緑資源機構の解体を求める要望書
2007年5月30日
内閣総理大臣 安倍晋三様
河野昭一、Ph. D., 京都大学名誉教授
大規模林道問題全国ネットワーク代表
国際自然保護連合(IUCN)・生態系管理委員会
(北東アジア担当副委員長)
金井塚務、大規模林道問題全国ネットワーク事務
局
独立行政法人・緑資源機構による官製談合事件はついに自殺者が出る事態に至りま
した。
談合事件については、今後司直の手によって解明されるべき問題ではありますが、(
独)緑資
源機構が抱える根本的問題は、談合だけに限られたものではありません。むしろ、林
道整備に
名を借りた修復不可能な大規模自然破壊と地方自治体の財政破綻をもたらす公共事業
その
ものにあります。
現在進行しつつある地球温暖化による大規模な気候変動は、世界各地で洪水や干ば
つと
いった災害をもたらしています。食糧の安全保障上はもとより、大規模災害から国民
の生命・
財産を守るという観点からも環境保全は待ったなしの喫緊の課題でなければなりませ
ん。し
かるにわが国土を見渡せば生物多様性に富む豊かな自然は、大規模公共工事や天然林
の皆伐
などで見る影もないほどに破壊され、美しく豊かなふるさとの自然はもはや風前の灯
火であ
ります。沿岸生態系、河川生態系は言うに及ばず、これら生態系を支える物質循環の
要となる
森林生態系はかつての大面積皆伐、拡大造林政策によって大きく損なわれました。そ
の反省
もないまま、今日なお、北海道をはじめ、東北、中部、中国、四国、九州と日本列島
の至る所で、
大規模林道(緑資源幹線林道)工事による豊かな森(森林生態系)の破壊が続いています
(添付
資料をご覧ください)。
その一方で、国や地方の財政状況は悪化の一途をたどり、無駄な公共工事の廃絶は
もちろ
ん、役割を終えた特殊法人・公益法人の整理も財政再建の見地から緊急を要する重要
な課題
であるとの国会答弁が、ことあるごとに繰り返されています。
(独)緑資源機構が進める緑資源幹線林道(大規模林道)は1973年に立案された計画で、
時代的要請はすでになく、官製談合の舞台となるなどもはや自然破壊と税金の無駄遣
いとい
う弊害のみが際だつ公共事業をと言わざるを得ません。政府の規制改革会議でも「着
工済み
の工事が完了した時点で同事業を廃止する」との提言をしているとのことですが、こ
うした
事業の中心的担い手である(独)緑資源機構は真っ先に解体されてしかるべき組織体で
す。
先般、2007年5月18日、私ども「大規模林道問題全国ネットワーク」は、日本各地
区の代
表者による議を経まして、我が国の生物多様性を柱とする環境保全の重要性に鑑み、
森林生
態系破壊の元凶となっている「独立行政法人・緑資源機構の解体を求める」声明を発
表し、林
野庁へその実現を求める申し入れを行いましたが、ここに改めて、
我が国のかけがえのない自然(生物多様性)を破壊し、国や地方財政を圧迫する公共事
業で
ある「緑資源幹線林道(大規模林道)」工事の即時中止と独立行政法人・緑資源機構の
解体を
実行していただきますよう強く要求します。
資料提供団体
私たちは、この要望書に賛意を表し、大規模林道工事の即時停止と独立行政法人・
緑資源機
構の即時解体を要求し、資料を提供します。
大規模林道問題北海道ネットワーク
大雪と石狩の自然を守る会代表 寺島一男
ナキウサギふぁんくらぶ代表 市川利美
十勝自然保護協会会長 安藤御史
(社)北海道自然保護協会会長 佐藤謙
北海道自然保護連合代表 寺島一男
広島フィールドミュージアム代表 金井塚務
森と水と土を考える会会長 原戸祥次郎
細見谷流域研究者グループ世話人 安渓遊地
葉山の自然を守る会代表 原敬一
添付資料
1)独立行政法人・緑資源機構の解体を求める・声明(2007年5月18日)
大規模林道問題全国ネットワーク
2)細見谷渓畔林(西中国山地国定公園)を縦貫する大規模林道事業の中止及び渓畔林
の
日本生態学会保全を求める要望書(2003年3月23日)
3)北海道における緑資源幹線林道の即時中止を
4)緑資源幹線林道に関する行政不開示決定に対する抗議および質問書(北海道)
5)細見谷と十方山林道(森と水と土を考える会・広島)
6)細見谷と十方山林道「2002年版」刊行後の記録(十方山林道の緑資源幹線林道化
事業に
伴う環境保全に関する意見書・要望書等を中心として(森と水と土を考える会広島)
7)日本生態学会中国四国地区会地区会報No. 60
7-1) 改めて、細見谷渓畔林(西中国山地国定公園)を縦貫する大規模林道事業の中
止及び同渓畔林の保全措置を要望する。
細見谷アフターケアー委員会
7-2)緑資源幹線林道大朝・鹿野線戸河内・吉和区間環境保全調査報告書(素案)に
関する意見書
細見谷アフターケアー委員長 豊原源太郎
7-3)細見谷林道整備に関する意見 波田善夫・鳥居春巳
7-4) 緑資源幹線林道大朝・鹿野線戸河内・吉和区間事業に関わる期中評価委員会
への
意見陳述 金井塚務・豊原源太郎
8) 「まつろはぬ」(葉山の自然を守る会・山形)
写真資料北海道における大規模林道事業によって破壊された自然
天然林破壊に関する関連資料
北海道の天然林伐採を直ちに中止せよ
写真で見る北海道・上ノ国町における違法・過剰伐採の実態