市民が発信するメディア)インターネット新聞JanJanでよむイラク戦争
2007/04/21
安渓担当の環境問題の授業の1回目では、メディアが本当のことを言えない理由の
ひとつとして、スポンサーに不利な報道や番組を広告料によって自粛させる「かねし
ばり」の構図があることに気づいてもらいました。それでは、大企業や政府のつごう
によって左右されないニュースを、私たち庶民が手にいれることは難しいのでしょう
か。
いいえ、ちょっと探せばありますよ。
一例として、インターネット新聞JanJanは、市民が記者となって、大手メディアが
報道しない、報道できないニュースも流しています。
http://www.janjan.jp/
日本では報道されないイラク戦争として、例えば以下のような記事を読むことがで
きます。
http://www.janjan.jp/media/0704/0704153825/1.php
からの抜粋です。
「……日本ではイラクの現状に関するニュースがほとんど入らず、あってもそれは
テロ事件とその犠牲者数を伝える断片的なものである。もはやイラク戦争は終わった
ものとの認識すら広まりつつある。この背景には、マスコミを巻きこんだ日本政府の
「大本営的」情報統制が見え隠れする。この講演会に先立ち、大手日刊紙にイベント
案内の掲載を依頼したが、その反応は冷ややかなものであった。このような状況は、
日本人の「知る権利」の観点から鑑みても由々しき事態であり、西谷氏のリポートを
通じて、報道されないイラクの現実とその背後にある問題を考えよう」
……
講演ではまず映像資料として、スレイマニア市で劣化ウラン弾による癌と闘う子ど
も、キルクーク市のクルド人難民キャンプの劣悪な環境、隣国シリアのダマスカスに
逃れたイラク人難民の生活が紹介された。中でもダマスカスに逃れたディア君(9歳)
の話が印象的であった。
彼はアメリカ兵によって狙撃され脊髄を損傷し、足が不自由になった。彼の夢はサッ
カー選手になることであったが、その夢は厳しいものとなっている。学校には行きた
いが、友達がサッカーをしているのを見るのが辛いので、現在は通学していないと涙
を浮かべる。そんな兄に対し弟は、「将来医者になってお兄ちゃんを治すんだ」と語
る。西谷氏の通訳のイラク人男性は絶句して泣き出してしまい、取材が中断してしま
うという何とも痛ましい映像であった。
……
砂漠に落ちていた喘息治療薬の小瓶。誰かが何らかの目的で使用していたと考えた
撮影者らが付近を掘り返してみると、遺体収納用の袋が出てきた。
中からミイラ化、白骨化した遺体が多数発見された。それはアメリカ軍に参加して
いたアジア系傭兵の遺体であった。正規の米兵が殉死すると遺体が丁重に扱われ英雄
視されるが、他方民間傭兵の場合は母国に返還されるどころか、このように砂漠に遺
棄されてしまう。同氏はこの映像の放映を日本の某放送局に依頼したが、オンエアさ
れなかった。
……