日本生態学会)2007年3月20のシンポ「大規模開発につける薬(3)」の概要
2007/01/24
日本生態学会 大会講演要旨
公募シンポジウム S04
大規模開発につける薬(3)――生態学は政治・司法に発言できるか
企画者:安渓 遊地(山口県大・国際文化) 金井塚 務(広島フィールドミュージア
ム) 野間 直彦(滋賀県大・環境)
生態学会会員は、法に従順なだけで「守るべき自然について、正しい情報や専門家
としての意見を発信し、自らも行動すること」という社会的責任を果たせるのか(日
本生態学会会長・菊
澤喜八郎氏の問いかけ)。このシンポジウムでは、中国地方の二つの自然保護案件を
めぐってその現状を報告し、「自らも行動する」とは何を指すのかを討論する。従来
も公的な審議会委員就任や、学会の要望書等の提出という行政にかかわる活動はあっ
た。それでは、政治や司法とのかかわりはどうであろうか。林道工事が始まった西中
国山地・細見谷の渓畔林と、上関原発の詳細調査で破壊される周防灘・長島の生物多
様性の保全をテーマに、最新の状況を報告する。住民投票条例の制定を求める運動の
先頭に立ったり、入会権訴訟の原告側証人として調査をしたりする会員の現在進行形
の経験をめぐって、フロアからの意見をまじえた率直な意見交換をおこないたい。コ
メントは、竹門康弘氏(京大・防災研)と阿部悦子氏(環瀬戸内会会議代表、愛媛県
議)。
アドレスは、以下の通りです。
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/ESJ54/S04.html
個別の発表の要旨もごらんいただけるようになっています。
[S04-1] 公共事業の期中評価委員会と住民投票条例――細見谷を例に 金井塚 務(
広島フィールドミュージアム)
[S04-2] 水生昆虫の生息状況からみた細見谷の特徴とその貴重性 井上 栄壮(信州
大・繊維)
[S04-3] 渓畔林の動態と共存機構――渓畔域をどう管理すればよいのか 崎尾 均(
埼玉県農林総合研究センター 森林・緑化研究所)
[S04-4] 上関原子力発電所予定地での詳細調査の生物多様性への影響 加藤 真(京
大院・人環)
[S04-5] 里山林の生態学調査と共有地入会権訴訟の行方 野間 直彦(滋賀県大・環
境)・安渓 貴子(山大・非常勤)
[S04-6] 上関原発建設用地と入会権――入会権は時効消滅するか 野村 泰弘(島根
県大・総合政策)
[S04-7] いま何をなすべきか――これ以上の破壊を許さないために 河野 昭一(国
際自然保護連合)
他のシンポも含めた全体の内容は
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/ESJ54/sympo_index.html