上関)中国電力の偽装と県庁のチェックのずさんさに抗議声明(12/6県議会の状況付き)
2006/12/06
12月5日、年休をとって、県庁記者クラブへいってきました。
声明文だけでは、意味がわかりにくいと思いますが、とりあえず、このような内容
の抗議声明を提出し、マスコミにアピールしました。
温排水の温度を偽装するということは、海の生命より営業効率が大切ということ。
止めたら危ない原発の夜間運転中に余る電力を捨てるためのダムの変形を偽装する
ということは、下流に住む人のいのちより、原発を運転し続けることが大切と
いうこと。
ボーリングの水が循環しているといっても、実際はたくさん地下に漏れていたとい
うことは、堅くてもろい岩の中のたくさんの割れ目に流れ出して、そこに含まれる機
械油や高分子ポリマーや汚濁防止剤が海の生物への悪い影響を見ないようにしている
ということ。
ということは、ボーリングして取り出したコアもぐずぐずに崩れているという状況
が当然に予想されるが、次に危惧されるのは、ボーリングコアの取り替えによる偽装
でしょ
う、と申しました。
なお、12月6日の県議会で、どれだけの水が地下浸透したのか、という小中進議
員の質問にたいして、県は「わからない」と答えたということです。
以下引用です。
中国電力及び山口県に対する緊急抗議声明
私たちは、現在、問題視されている中国電力の土用ダム及び下関発電所などのデー
タ改ざんや隠蔽が上関原子力発電所建設計画にかかる詳細調査においても存在したこ
とを知るに及び、事業者及びその監視を行う立場にある山口県の対応に非常な憤りと
不信を覚えるものです。
私たちは、本日、ここに緊急の抗議声明を発表し、詳細調査の即時中止を強く求め
ます。
抗議項目
Ⅰ.中国電力に対する抗議
1.カクメイ科貝類発見データ隠蔽について
カクメイ科貝類は1999年11月25日の環境影響評価準備書に対する知事意見な
らびに2000年3月3日の通商産業大臣(当時)勧告で、現状保存する等の保全措
置や事後調査を命じられています。
ところが、中国電力は2006年7月に1号機炉心部分に近い埋め立て予定地で発見
したカクメイ科貝類調査データを、11月24日まで県にも報告せず隠蔽していたこ
とが長島の自然を守る会の11月27日の申し入れで明らかになりました。
また、カクメイ科貝類は巻貝の進化学上、重要な位置を占めるので、日本で唯一の研
究者である福田宏博士に種の同定依頼をし、保全についての意見を求めるよう要望し
たにもかかわらず、「中電技術コンサルタントが福田博士にノウハウを習い、写真で
判断したのだから間違いはない。」と、中国電力が指導を依頼した専門家名も明らか
にしないという時代遅れの対応に終始しています。
これは土用ダム及び下関発電所などのデータ改ざんや隠蔽に見られる、自らの企業運
営に不利なことを意図的に回避あるいは隠蔽するという企業体質がなんら改善されて
いないことの端的な顕れであり、断じて許すことは出来ません。
2.田ノ浦における夜間照明について
11月24日17:30~18:30まで田ノ浦において、異様な明るさの夜間照
明を使用したことが明らかになっていますが、11月27日の長島の自然を守る会の
申し入れ時点では、中国電力のCSR推進室も山口県もこの事実を知りませんでした。
詳細調査におけるこのような重大な環境改変を看過することが、中国電力の環境保全
計画とは名ばかりであり、山口県の環境監視チームも実質的には監視機能を果たして
いないことを如実に物語っています。
また、このような大規模な夜間照明は、国の天然記念物であるカラスバトやハヤブ
サなどの鳥類をはじめ、周辺に生息するさまざまな生物の生存条件を脅かすことが懸
念されます
そして何より対岸の祝島住民にとっては、生活の場を直撃する環境破壊であり、生
活破壊に他なりません。
直ちに夜間照明の使用を中止すべきです。
現地周辺住民や環境への配慮もなく、私企業の論理を振りかざす中国電力の横暴な態
度は許されるものではありません。
私たちは断固として、抗議します。
Ⅱ.山口県に対する抗議
1.ボーリング調査濁水の地下浸透についての山口県の説明責任について
中国電力が陸域ボーリングを環境保全計画の内容と異なる方法で濁水を処理し、垂れ
流していることを「長島の自然を守る会」が、2005年9月8日にFAXで中国電
力に、正式文書で9月15日に中国電力と山口県にも、告発したことを受けて、山口
県は9月20日付け文書で中国電力に詳細調査の中止を要請しましたが、11月15
日には、中国電力の「上関原子力発電所詳細調査問題総点検報告書(10月28日)」
を精査した結果、詳細調査の再開に異存なしとしました。
しかし、2006年1月31日に中国電力は「海域ボーリングにおける掘削水の漏
水を」報道発表しました。
しかも、この間、私たちは、再三、ボーリング漏水による海岸部及び海底への環境
悪化を指摘してきましたが、山口県は、一貫して「陸、海域でのボーリング水の循環
使用等の水質の保全のほか貴重な動植物の確認・適切な措置や工事実施箇所の点検等
の項目にわたり厳しく監視しております。(2006年4月24日・県回答)」など
と回答し、環境監視チームの現地調査でも、「ボーリング水は循環使用」を調査した
結果、環境保全計画どおりに環境保全措置が講じられていることを確認した。と判で
押したような報道発表を行い、あたかもボーリング調査による濁水の漏水はないので
環境への悪影響は一切ないかのような説明を繰り返してきました。
ところが、中国電力は11月27日、私たちに対し、陸・海域ボーリング調査で、
ドリル冷却用の水の大半が地下に浸透していることを(別添資料を示して)説明しま
した。
「掘削時には先端部に水を送り続けています。送り込まれた水は先端部から地下に
しみ込むほか、一部が地表に戻ってきます。」と説明しました。つまり、水は一部し
か戻ってこないのに、循環方式なる図には、新たな水の補給装置はありません。垂れ
流しを告発された釜場方式の図が、どんどん水を補給できるようになっているのと比
較すれば、「循環方式」の欺瞞性は際立っています。
私たちは、この間、地表に流れ出た濁水が海岸部に到達し、これほどの悪影響を環
境に与えるのかと不思議な思いでいましたが、濁水が大量に地下に浸透し続けている
のであれば、地質の専門家から現地の岩盤は古く、「硬いが脆く」節理にそって形成
される破砕帯が、岩盤深くまで達していることがうかがわれる、原発立地に不適格な
ところとの指摘を示唆されていますが。まさに岩の割れ目に浸透した濁水が潮間帯に
流れ落ちていることが明らかになった訳であり、中国電力の循環方式なるまやかしに
対し、山口県は、県民に改めて説明責任を果たすと同時に、中国電力に対し、断固た
る措置を取るべきであります。
さらに循環方式では、新たな給水装置は必要ない説明になっており、県はこの点も
厳しくチェックし、給水装置があれば早急に撤去させるべきです。
2.田ノ浦における夜間照明について
11月24日17:30~18:30まで田ノ浦において、異様な明るさの夜間照
明を使用したことが明らかになっていますが、11月27日の長島の自然を守る会の
申し入れ時点では、中国電力のCSR推進室も山口県もこの事実を知りませんでした。
詳細調査におけるこのような重大な環境改変を看過することが、中国電力の環境保全
計画とは名ばかりであり、山口県の環境監視チームも実質的には監視機能を果たして
いないことを如実に物語っています。
また、このような大規模な夜間照明は、国の天然記念物であるカラスバトやハヤブ
サなどの鳥類をはじめ、周辺に生息するさまざまな生物の生存条件を脅かすことが懸
念されます
そして何より対岸の祝島住民にとっては、生活の場を直撃する環境破壊であり、生
活破壊に他なりません。
私企業の論理を振りかざす中国電力の横暴な態度を看過するようなことがあれば、
広く県民の信頼を損ない、県民生活の安寧を図り、住み良さ日本一を目指す山口県政
に将来に渡る禍根を残すものであると考えます
山口県が中国電力に対し、断固とした処置を取るよう、切に望みます。
2006年12月5日
原発に反対する上関町民の会
原発いらん!山口ネットワーク
原水爆禁止山口県民会議
長島の自然を守る会