地域実習)”迷惑ボランティア”にならないために
2006/04/20
「小さな親切、大きなお世話」ということがあります。
地域に出て行くときに、人間として、学生として、また山口県立大学国際文化
学部学生として、気をつけなければならないことはなんでしょうか。
山口県の周防大島出身で、これほど日本中を歩いた学者はいないといわれる宮
本常一先生が、次のような言葉を残しておられます。
宮本常一、1972「調査地被害――される側のさまざまな迷惑」『朝日講座探検
と冒険』7(朝日新聞社)の冒頭部分を引用します。フィールド・ワーカーへの
いましめですが、それはそのままボランティアやインターンシップを経験してみ
たい、というあなたにも、そしてそれを指導する立場の私にもあてはまります。
以下引用
1.フィールド・ワーカーの心がけ
私は、渋沢敬三というすぐれた知性人の指導をうけてフィールド・ワーカーに
なったため、この先覚者の言動をできるだけ忠実に守って今日にいたっている。
かつて渋沢先生が私をいましていわれたことばが三つあった。
その一つは 他人に迷惑をかけないこと。
第二は でしゃばらないこと、すなわちその場で自分を必要としなくなったと
きは、そこにいることを周囲の人に意識させないほどにしているということであ
る。
そして第三に他人の喜びを心から喜びあえること、というのがそれであった。
何でもないことのようであるが、これを実行することは実に難しいことである。
自分で迷惑をかけてはいないと思っていても、相手に迷惑をかけていることは多
い。その上つい出しゃばりになる。まして人をほめているのをきくと、けちをつ
けたがるものである。
「自分でいい気になっていると、思わぬことで相手に迷惑をかけていることが
ある」と渋沢先生はしばしばいっておられた。