# 再稼働 )いま #嘉田 さんが #滋賀県知事 であることの大事さ RT @tiniasobu
2012/04/20
京都のロシナンテ社の 四方さんからの依頼で『月刊つくる』に投稿しました。
http://www.labornetjp.org/news/2012/1334647234736staff01
いま嘉田さんが滋賀県知事であることの大事さ
二〇一二年三月、日本生態学会の年次大会は大津でした。原発などの大規模開発が、生物や文化の多様性におよぼす影響を考えるシンポを時々やらせてもらっていますが、今年は「天災と人災の生態学」と題して、鹿児島大学の佐藤正典さん、京都大学の加藤真さん、東京大学の樋口広芳さんに生物多様性への原発事故の影響をお話しいただきました。鳥や獣たちは、人間
とちがって、放射能に対する精神的ストレスや移住に伴う貧困から病気になるということがない、といった他ではなかなか聞けないお話もありました。そして、シンポの目玉として、超多忙の飯田哲也さんにお願いして再生可能エネルギーの現状と未来を語っていただくことができました。おかげで、三〇〇人入る会場はほぼ満席となったのでした。
シンポの途中、ふと会場に滋賀県知事の嘉田由紀子さんが座っておられるのに気付きました。同じ時間帯にある隣の会場でのシンポの発表者のおひとりだったのでしたが、飯田さんとなにやら打ち合わせがあるようでした。飯田さんは、その日の朝、山口県祝島を出て大津の会場に滑り込み、嘉田さんとの打ち合わせのあとには、大阪市の橋下市長のエネルギー懇話会に向かうという過密スケジュールでした。
会場での最後の質問は、「原発の再稼働、ずばり是か否か」をめぐって飯田さんの考えを問うものになりました。「経済性・需要・安全性がきちんと証明されたら、OKと言いたいですけれど、その条件を満たすには、これから何十年もかかるでしょうね」という飯田さん。その立場は、「原発に直ちに全廃」とは言わないだけで、原子力村のメンツのために再稼働をしようとする人たちに対しては、シェイクスピアの「ベニスの商人」のように、肉は切っていいが血をこぼすな、というのと同じできわめてやっかいな答えなのだ、と理解できました。シンポが終わって会場を離れる車に乗り込みながら、「いま私が滋賀県知事であることを最大限生かして原発に取り組みます!」とおっしゃった嘉田さんを見送った私たちは、応援の手を振り続けました。
ウェブ版への追記
京都精華大の教授のころから、嘉田さんには、シンポジウムでのコメントとかで知恵を貸していただいています。びわこの住民がマラウィ湖をおとずれて交流するという、彼女の取り組みにヒントを得て、ケニアのカカメガの森を守る住民と屋久島の森を守る住民が相互に訪問して学び合うというプロジェクトをたちあげたことがありました。
http://popof-japan.com/news/007/PopofNews007.htm
http://popof-japan.com/news/009/PopofNews009.htm
原発からの即時全面撤退を主張する(例えば広瀬隆さんのような)方と、条件を確認しながら賢い選択をという飯田さんのような方は、見かけ上ずいぶん印象はちがいますが、論理も倫理も経済も無視して、ウソを積み重ねてでも原発にこだわる者たち*を孤立させ、断念させていくための大切な取り組みをする仲間として、取り組みを進めていただきたいと思います。一枚岩はかえって弱いのです。多彩なアプローチで原子力ムラを包囲しましょう。
*例えば、東京電力のホームページには、「なぜ日本では原子力発電を推進しているのですか」として次のようなことが書かれています。消されたり、改ざんされたりしないように、コピペしておきますね。
http://www.tepco.co.jp/nu/qa/qa02-j.html
Q なぜ日本では原子力発電を推進しているのですか? への東京電力からのお答え
日本は世界で消費されるエネルギーの約5%を消費する消費大国でありながら、エネルギー資源の80%以上を海外からの輸入に頼っている資源小国です。今後も増え続けるエネルギー需要や、地球温暖化防止のためのCO2排出量の削減要請に応えていくために、原子力発電はなくてはならないものとなっています。現在、日本では、世界で第3位となる53基の商業用原子炉が稼動しており、日本の発電電力量の約3分の1を供給しています。また、これらの原子力発電所の円滑な運転を支える原子燃料サイクル事業の基盤設備も着実に進められています。
日本の電力は、水力、火力、新エネルギー、原子力と多様化した発電方法により供給されています。安定的な電力供給のためには、石油をめぐる国際的なエネルギー情勢や地球規模での環境問題への対応等も考慮し、各発電のメリットを組み合わせて、最良のバランスで発電することが必要です。原子力発電は、燃料が再利用でき、CO2を発電の際に排出しないこと、少しの燃料で大量の発電ができ、約1年の間の連続運転が可能なことといったメリットを有効に活かし、ベース電源として利用されています。
環境保全に対しての危機感が高まるなか、温暖化の抑制が最重要課題となっています。各国で発電構成比の高い石油や石炭などの化石燃料は、発電時に温暖化をもたらすCO2を排出しますが、原子燃料は発電過程でCO2を排出しないため、温暖化防止に重要な役割を果たします。また、今後、発展途上国を中心とした人口増加と経済発展にともなって、化石燃料の消費増加が見込まれ、資源の枯渇も深刻な問題となってきます。燃料をリサイクルでき、ウラン資源を効率的に利用できる原子力発電は、地球環境の保全にも大きな役割を担っていると言えるでしょう。
(引用おわり。今日の『環境問題』授業のテーマのひとつは、これをきちんと読みましょう です。)