論評の練習)ゼミの様子を紹介します
2011/07/07
安渓・専門演習課題(中国からの留学生2人を含む3年生のクラス)
先週の宿題
「千と千尋の神隠し」の終わりで、ハクと千尋が再会を約束するが、ふたりはいつあ
えるか?
本論
7月28日の、卒論中間発表でのピアレビュー(3つの発表をきいて、それぞれ200
字の要約×3人分+1400字でレビュー)の練習
以下のエピソードを100字以内に要約し、400字程度で論評しなさい
1985年の2月、タイとビルマの国境の少数民族カレンの村に草地(注、クリスチャ
ンのボランティア)がでかけた時、40代半ばの人が話しかけてきた。
「1945年以来、初めて日本人に会った。実は父親から、いつか日本人に会ったら、
俺の恨みを晴らしてくれ、と遺言を受けている」
(三日間かけて傷ついた日本兵を背負わされた代償は、水一杯もらえるでなく、殴
られただけだった。←安渓の要約)
彼はそう言って、私に「殴らせてくれ」といいながら泣き出しました。私も話を聞
きながらぽろぽろと涙がこぼれ、「わかった」と足を開いて、手を後ろにやって「ど
うぞ殴ってくれ」というと、鼻血が飛び散るくらい殴られました。そして二人で「こ
れでええな」と抱き合ったのです。
『阪神大震災と国際ボランティア論――草地賢一が歩んだ道』所載
『泥の菩薩』283-4頁に引用
考えてみよう
Q1 草地さんはなぜ殴らせたのか?(武田丈・亀井伸孝編『アクション別フィール
ドワーク入門』世界思想社の、「まきこまれる」と「分かち合う」参照)
Q2 二人は抱き合って何を分かち合ったのか?
より深く「論ずる」ために
新約聖書(右のほほを打たれたら)
荒れ野の40年―――ヴァイツゼッカー大統領演説 岩波書店
マンガ・ネルソンさんあなたは人を殺しましたか 講談社