お知らせ)安渓研究室の名前(看板)が「文化人類学 I」から「地域学」にかわります
2010/12/05
1995年に赴任して以来、大学の私が使わせてもらっている部屋に掲示されている研
究室名は、「文化人類学 I 研究室」でした。隣が「文化人類学 II 研究室」で、同
じ専門が二人という体制だったわけです。
その後、男女共学化や、家政学部の生活科学部への改称とのちの解消をへて、国際
文化学部の中に、あたらしい学科文化創造学科ができるにつれて、カリキュラムのみ
なおしも進み、2年前からは、私の担当していた「文化人類学 I」という授業も開店
休業となりました。
そして、大学当局から、(看護学科や栄養学科のような就職に強い資格がとれるわ
けではない)国際文化学部のてこ入れのための指示として、一人の教員が1種類の研
究室名を背負うように、ということになり、会議でこれを検討してきました。
赴任以来やらせていただいている科目の中に「環境問題」というのがあり、これは、
「地域共生演習」をあらたに担当した2007年度には、もう廃止されそうになった
科目でしたが、ひとつ余分にやってもいいから、地域の人たちが先生になって話す授
業を残してほしいと主張して、現在も続いています。
すべてオムニバスで「地域問題」という授業を何年かやらせていただいたこともあ
りましたが、2005年にスペインに半年行かせていただいたときに、返上の形になりま
した。
学部の講義としての文化人類学の担当がなくなるのにあわせて、あらたに担当して
いる科目は、複数教員による「フィールドワーク実践論」と「地域実習」です。
こうした経緯から、「地域からの国際化」をひとつの目玉に据えてよいだろうと考
えて、教授会という教員組織の会議では、「地域研究」を提案しました。Area Studi
es の訳といってよいでしょう。
そして、学生たちに公表されたものでは、土壇場になって「地域学」が選
択されていました。
「地域研究研究室」では、誤植みたいというあたりが理由でしょうね、たぶん。
私は、「環境問題」の授業をつぶさないでください、といった時以外は、やれと言
われる授業をやり、やらないでいいといわれる授業はやめるという、従順な姿勢で教
員生活をおくってきました。
あらたに「地域学」科目が基礎教養の授業として今年度から開設された年に、「地
域学」研究室が誕生したわけです。たまたま私自身は「地域学」授業の設計や運営に
は直接タッチしていないのですが、そのことにはかかわりなく、地域貢献型大学とし
て脱皮をめざす大学当局の方針の中での整合性のある変化になったとは言えるでしょ
う。
山口県立大学での「地域学研究室」のありかたとしては、山口での地域課題を、山
口の中だけで解こうとするのではなく、日本各地、世界各地を視野に入れた地域学・
地域研究の枠組みの中に位置づけていくことが必要であろうと、考えています。
公立大学法人 山口県立大学
現代GP承継・地域共生授業担当
教授 安渓遊地(あんけい・ゆうじ)
〒753-8502 山口市桜畠3丁目2番地1号
山口県立大学国際文化学部