映画『祝の島』を見て3)この映画をまだ見たことのない人たちへの手紙
2010/07/16
「祝の島」をまだ見たことのない人たちへ
祝島をあなたは知っていますか?
山口県上関町にあるこの小さな島は、台風が直撃することも多く、岩だらけの土地
で、決して人が暮らすのに良い環境だとは言えません。
しかし、島の人たちは豊かな海の恵みに支えられ、本当の豊かさを享受し合い、自
然と共存する暮らしを何代にもわたって続けてきました。
1982年―。
そんな祝島の対岸3.5㎞の地点に原子力発電所の建設計画が持ち上がりました。
原子力発電は地球温暖化への影響が大きいCO2を排出せず、また、他の発電と比べて
少量の燃料でエネルギーを得ることが出来る、まさに利益と効率性の高い発電方法で
す*。
しかし、原発を建設することで大事故の可能性やその地域の生態系の破壊が不安視
されています。
以来28年間、島の人たちは海と山を奪う原発建設の反対を続けています。
「命をかけてやったことがあるか、なにか!」
これは島の人の言葉です。その唇は震えていました。
今、島の人たちはまさに命をかけて原発への反対をしています。
過去、現在、未来のためにすべてをかけて海や山を守ろうとしています。
原子力発電などでは到底及ばない、本当の豊かさを守るために。
本当の豊かさとは一体何か。
現代に生きる私たちには、本当の豊かさについて考える必要があるのではないでしょ
うか。
ぜひ「祝の島」を見てください。
それから、一緒にこれからの問題について考えていきましょう。
それが本当の豊かさについて知る、身近な環境問題に触れるきっかけになると私は
信じています。
*注。原子力発電は地球温暖化への影響が大きいCO2を排出せず、また、他の発電と比
べて少量の燃料でエネルギーを得ることが出来る、まさに利益と効率性の高い発電方
法です ←安渓コメント。 終わりの方、「……発電方法だといわれています。」の
方がよろしいでしょうね。