映画『祝の島』を見て)わたしへの手紙・自然に感謝の気持ちを
2010/07/16
「環境問題」という授業で、2010年7月2日に映画『祝の島(ほうりのしま)』をみ
た山口県立大学の学生に、見た感想を手紙を書いてください、という小レポートをお
願いしました。誰にあてても、どんな内容、形式でも自由。受講生のみなさんの了解
を得て、公開を開始します。
まずは、時とところを超えた問いかけの手紙から。
☆わたしへ
どこを見ているの
何を見ているの
もっと 目を見開いて
見るべきものが あるんじゃない?
どんな音を聞いているの
何の声を聞いているの
もっと声をひそませて
聞くべきことが あるんじゃない?
何を思っているの
何をしているの
もっともっと 注意深く
知るべきことが あるんじゃない?
するべきことが あるんじゃないの?
わたしより
☆あなたの周りについてお尋ねします。
海には魚たちが泳いでいますか?
森には木々などの植物、野生の動物が住んでいますか?
空を飛ぶ鳥たちを見ることが出来ますか?
虫たちの鳴き声は聞こえますか?
お米や野菜を食べていますか?
なぜこんなことを聞くのかと思うかもしれません。
そう思ったあなたは幸せで飽和しているのでしょう。
そのことが当たり前かのように、まるで明日もそうであるだろうと考えていません
か?
しかし、その根拠はどこにもないのです。
もしかしたら、突然すべてがなくなるかもしれません。
そのきっかけはあなた自身です。
今、あなたの周りの環境は今までの人たちのお陰です。
それに気付かず、何をしても今ある環境が壊れないと思い込んでいると大変なこと
になるでしょう。
当たり前と感じていることがいかに素晴らしく、かけがえのないことだと気付いて
ください。
近すぎるからこそ気付きにくい、しかし、それが一番大切なことです。
豊かな自然があるからこそ、今の自分がいる。
自然に生かされていることを忘れないでください。
最後にこの詩を贈ります。(原文は縦書き)
ふしぎ
わたしはふしぎでたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀にひかっていることが。
わたしはふしぎでたまらない、
青いくわの葉たべている、
かいこが白くなることが。
わたしはふしぎでたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。
わたしはふしぎでたまらない、
たれにきいてもわらってて、
あたりまえだ、ということが。
金子みすゞ
身近なこと、小さなこと、当たり前と感じていることに目を向けてください。
ほんの少しでも意識して考え、気付くことで未来は変わります。
今ある自然を守っていきましょう。
幸せに慣れないで。
感謝の気持ちを。