内部被曝)非常に勉強になるサイトの紹介です。
2010/06/19
1970年、日本の女性の乳がん死亡者数は10万人あたり5人弱。
2006年には、それが17.3人とこの36年の間、一貫して上昇し続けている。
合州国でも、乳がんで死亡する人の数は、平均すると約2倍になっている。その原因
を探る調査が行われた結果、次のようなことがわかった。
http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku1.htm#10setsu
から、図とともに引用する。
前掲の『内部被曝の脅威』p114以下で、肥田は、上のグラフを作成する動機はアメリ
カの統計学者J.M.グールドの傑出した仕事に触発されたと述べて、グールドの目
の覚めるような仕事を紹介している。
アメリカで上のグラフと同様の統計がとられ、1950~89年の40年間にアメリ
カの白人女性の乳ガン死亡者が2{になったことが分かった。その原因を求められて
アメリカ政府は、膨大な統計資料を駆使した調査報告書を作成し
乳ガンの増加は、戦後の石油産業、化学産業などの発展による大気と水の汚染など、
文明の進展に伴うやむを得ない現象である。
とした。
グールドは、この政府の統計処理に疑問を持ち、全米3053郡が保有していたその
40年間の乳ガン死亡者数を使い、増加した郡と横這いか減少した郡とに分類して、
郡ごとの動向を調べた。その結果わかったことは、けして全米一様に乳ガン死亡者が
2倍になったのではなく、1319郡(43%)が増加し、1734郡(57%)では横這
いか減少していたのである。つまり、明瞭に地域差があるということである。
しかも、グールドは増加している1319郡について、増加要因を探し、じつに乳ガ
ン死亡率が、郡の所在地と原子炉の距離に相関していることを発見したのである。原
子炉から100マイル(161?)以内にある郡では乳ガン死亡者数が増加し、以遠にあ
る郡では、横這いか減少していたのである。(なお、原著からの直接の図が公開され
ていて、さらに、詳しい説明もついている。High Risk Counties Within 100 Miles
of Nuclear Reactors )