#榕樹文化)#台湾留用日本人_の足跡を追って(3) #蓬莱米の父 #磯永吉_#ISO_Eikichi_#Ponlai_rice_#RT_@tiniasobu
2021/09/21
このシリーズ完結で、全体では7回目の投稿文です。
台湾で作られた日本稲・蓬莱米(ほうらいまい)の父として名高い磯永吉博士の足跡です。遺稿の中の「農業と道徳」という言葉が胸にしみます。
いかなる農夫も作物に対する限りただ誠あるのみで虚偽は許されない。故に人を道徳的にならしめる。木石を相手にする工人にも道徳が与えられる。物のみでなく生命をも相手にする農人が愛なる要素を加えてさらに人間性を豊かにする。農人は求めず意識せずして道徳を授かる民族中の恵まれた階層であり、農業は道徳をも育てる。それにより民族の健全性が保たれ「農は国の基」となる。其の道徳教育は可能であり技術訓練の中にも生まれる。このことは教育を科学する現代の教育方法にとりて一考を要することと思う(「農業と道徳(遺稿)」『磯永吉追想録』)。
Any farmer, while facing his crops, must be only faithful, and no lies
whatsoever are allowed. Therefore, agriculture urges humans to be
morally attuned. Morality is also given to craftsmen who deal with wood
and stone. Dealing not only with things but also with life, a farmer can
enrich his humanity with an additional element of love. Farmers are a
privileged class among the nation; they are blessed with morality
unconsciously without seeking it. Thus, agriculture also nurtures
ethics. As a result, the soundness of the nation is maintained, and
hence, ”Agriculture becomes the foundation of a nation.” Such moral
education is possible, and it also takes part in technical training. In
my opinion, we should take note of this fact to promote the modern ways
of teaching that have made education a science. Translated by ANKEI
Yuji.
(Agriculture and Ethics: Dr. ISO Eikichi’s posthumous publication in the
”Collection of the Memories of ISO Eikichi”)
pdfには、編集のお手伝いをした高野秀夫さんの「台湾省日僑子女教育班(1947-49)」と
李高坂玲子さんの「学習所から台北第一女子中学に進学」の記事もあわせて掲載させていただいています。今回も『榕樹文化』の関係のみなさまにはお世話になりました。
これが連載7回目です。これまでのものも、あわせてお読みいただければ幸いです。
國分直一先生のとっておきの話
1回目 高雄(打狗)での幼年時代 http://ankei.jp/yuji/?n=2382
2回目 竹南で遭遇した228事件 http://ankei.jp/yuji/?n=2383
3回目 國分文庫と回覧雑誌 http://ankei.jp/yuji/?n=2387
台湾留用日本人の足跡を追って
4回目 植物病理学者・松本巍先生の思い出を蘇鴻基名誉教授に聞く http://ankei.jp/yuji/?n=2428
5回目 高坂知武教授の思い出 http://ankei.jp/yuji/?n=2507
番外編
6回目 児玉識先生追悼 上山満之進と陳澄波 http://ankei.jp/yuji/?n=2508
安渓遊地・安渓貴子 (生物文化多様性研究所)