なつかしくない未来)数万kW~数十万kW程度の小型原子炉の開発状況
2010/05/24
東京電力のホームページから。
http://www.tepco.co.jp/cc/pressroom/overseas/2010/100402-j.html
とても頭のよい人たちが、まじめに取り組んでいる事例です。以下引用します。
【参考:提案されている小型モジュラー炉の例】
-サンディア国立研究所
2009年8月25日、DOEのサンディア国立研究所は、米国原子力学会会
長トム・サンダース氏のチームが開発した小型炉は、10-30万kWの原子炉
で、小規模なウラン炉心を液体ナトリウムのタンクに沈める、というもの
です。他の小型モジュラー炉と同様、工場で製造され、1基2.5億ドルで
年間50基までの大量生産を見込んでいます。
-NuScale(NuScale パワー)
出力4.5万kWの軽水冷却の蒸気発生器を圧力容器に内蔵した加圧水型炉
で、既存軽水炉燃料を使用可能なため、新たな燃料の設計や試験の必要が
ないとしています。燃料交換は24ヶ月毎で自然循環、受動安全性を有して
います。
-mPower(バブコック&ウィルコックス)
出力12.5MWの小型炉でNuScale同様、蒸気発生器を内蔵した軽水炉です。
価格は3000ドル/kW、1基あたり3億7500万ドルとしています。mPowerの
用途として、送電インフラが整っている既設の化石燃料プラント立地点で
の増設が考えられています。初号機は2018年までに納入可能としています。
-ハイペリオン(ハイペリオン・パワー)
出力2.5万kWの「原子力電池」で、ロス・アラモス国立研究所からスピ
ン・オフにより設立されました。既設の送電系統への連係を想定している
B&WやNuScaleと異なり、ハイペリオンは電力系統が未発達な地域での
分散型電源としての用途を訴求しています。主な市場は遠隔地の油田・ガ
ス田、鉱山、軍事施設です。発展途上国では水処理施設用の電源としての
利用を目指しています。
-4S(Super-Safe, Small and Simple Reactor)(東芝)
4S炉はアラスカ州ガリーナで採用が検討されている1万kWの「原子力
電池」で炉内に動的部位はなく、燃料交換は不要で30年運転できます。
人口が1000人に満たないガリーナでは冬季には数日間交通が遮断される
こともあります。電力はディーゼル燃料を使用しており、4S炉でディー
ゼル燃料以下の価格で電力を供給できれば分散型電源として競争力を有し
ます。ハイペリオン同様、東芝は、鉱業、遠隔地での分散型電源としての
用途を強調しています。