上関)映画「祝の島」へのカンパをお願いします
2009/11/22
大手のマスコミで、もっともひんぱんに上関原発問題の現場のようすを、密着報道し
ているのが、毎日新聞のようです。祝島に住み込んで(東京に出稼ぎにいきながら)
映画をつくっている纐纈(はなぶさ)あやさんへの応援呼びかけが載っています。私
も、お会いしましたが、とても真摯な映画への取り組みが感じられました。カンパへ
のご協力をお願いします。
ご本人のブログも訪問してください。
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安渓遊地
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20091121ddlk34040642000c.html
山口・上関原発建設計画:祝島の思い映像で伝える 纐纈さん、1年半かけ追う /広
島
◇「抗議活動、生活の一部に」
中国電力の上関原発(山口県上関町)建設計画に27年間、反対する対岸4キロの離
島・祝(いわい)島の島民の暮らしを撮り続ける女性がいる。東京在住の映画監督、
纐纈(はなぶさ)あやさん(34)だ。着工が本格化し、緊迫する島の現状を一刻も
早く伝えようと、来夏公開予定のドキュメンタリー映画「祝(ほうり)の島」の撮影
過程を記録した映像上映会を全国各地で重ねている。16日に尾道市因島を訪れた纐
纈さんに、映画に込める思いを聞いた。【豊田将志】
海上を赤く染める朝焼け。のどかな田園。魚介を取りに潜る海女。レンズに向け柔和
な笑顔を振りまいていた島民の表情が憤怒に変わる瞬間--。約40分間の映像に島
民の27年が凝縮されている。
チェルノブイリ原発事故で被ばくしたベラルーシ共和国のとある村で暮らし続ける高
齢者らを描いた映画「アレクセイと泉」の制作に携わった。山口県下関市で開いた自
主上映会の主催者から「映画をぜひ見せたい人々がいる」と言われ、訪れたのが祝島
だった。
昨年3月に入島後、女性スタッフ2人と借りた空き家で生活しながら映像を撮りため
た。漁師と酒をくみかわし、島で取れた魚をつつきながら語り合ううち、東京にはな
い「共同体としてのつながり」に、言い得ぬ心地良さを感じたという。
一方で見えてきたものもある。それは「抗議活動が島民の生活の一部と化している現
実」だった。週1回の反対デモは既に1000回を超えた。今秋に入り、事態はさら
に緊迫している。埋め立て工事に着手するため、海面にブイを設置したい中電側に対
し、漁船の「バリケード」で抵抗する漁師。立ち退きを迫る中電社員に「私たち
がこうまでする理由があなたたちにわかりますか。生活の場を失わないためだ」と叫
んだ女性は帰宅後、「お父さん、お母さん、今日も阻止できました。ありがとうござ
います」と、位牌(いはい)に手を合わせて涙を浮かべた。
島民の9割が漁業従事者ながら、高齢化で漁獲高は年々減り、生活は決して豊かでは
ない。「(中電の)漁業補償に魅力を感じたことはないのか」。ある時、抱いて
いた疑問を思い切ってぶつけた纐纈さんに、漁師の男性は、きっぱり言い切ったとい
う。「世の中には金に換えちゃいけないものがある。おれたちは海に生かされている
んだから」
中電と住民の対立が際立つ現状に「島全体が不安感に包まれ、暗い影を落としている」
と語る纐纈さん。1年半の密着にも「彼らの思いをどこまで理解できていたのか」と
悩み、無力感を感じることもあるという。
「それでも」と纐纈さんは続ける。「私が魅せられた島の人々が、長きにわたって対
峙(たいじ)してきた葛藤(かっとう)を伝えなければ」「原発問題は島民の暮らし
を描くことで必然的に浮かび上がってくる。ただ建設の是非を問う映画にはしたくな
い。私たち人間が未来の生活のために何を選ぶのか、そのヒントを届けるような作品
にしたい」
映画「祝の島を応援する会」事務局(03・3227・3005)は、制作資金を募っ
ている。協力金は1口5000円。
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毎日新聞 2009年11月21日 地方版