直答を許す)ゴイサギと真渓涙骨氏
2008/04/20
ゴイサギという灰色のサギがいますが、
ゴイというのは、どういう意味でしょうね。
いずれの御時にか (広辞苑によると醍醐天皇)
雲上の人たちの宴の席の庭に、見知らぬ鳥が出てきました。
尊いお方が「あれは、なんという鳥か?」と問われました。
お付きの者が、お答えをしないうちに、鳥自身が
「ぎゃー」と叫んで、答えてしまいました。
さあ、大変です。尊いお方に直接話しかけられるのは、
五位以上ときまっているのです。
直答(じきとう)を許すため、この鳥に五位の位を与えることに一決。
以来、この鳥はゴイサギになりました。
さて、時代は下がって、紀元は2600年のころの物語です。
京都にある新聞社の社主という人が、今はもうありませんが、さる
宮さんのところを訪ねて、いろいろお話しをさせてもらったそうです。
ところが、社主はただの人で、ゴイサギのような位をもっていませんから、直答が
できません。小さな部屋で声も聞こえるのに、いちいちおつきのものが、
「宮様、このようにもうしております」 あるいは、
「宮様は、このようにおっしゃっております」などと
とりつぐのだそうです。
余計な形式が大嫌いな社主は、しばらくしていいました。
「宮様、そのお付きの方がおられると、話しづらいのですけれど」
すると宮さんも
「そうやな、お前どっか行き」ということで、
目を白黒させながら、お付きの人は部屋からだされてしまった、ということです。
これは、真渓涙骨という人のエピソードですが、
同席していた秘書の女性の見聞を書き留めました。