タクシーでの雑談)「兄弟、しっかり稼ぎなよ」
2008/03/18
読者のおひとりから、次のような反応をいただきました。
ご本人の了解をいただきましたので、以下にはりつけておきますね。
以下引用です。
国際会議場から博多駅まで中型で1050円ならば
タクシー運転手としてそれだけですごく優秀な方ですね。
私もタクシーで運転手とおしゃべりするのが好きで、
韓国ではタクシーの運転手が一番「民心(普通の人の
気持ち)」を知っていると言われ、選挙前ならば
ある種の風見鶏です。
つけくわえるならば、ソウルの運ちゃんは、
話に熱中するあまりに道を間違える人も
いるので、そこはしっかりと見張っていないと
いけないというオチまでつきます。
「話に熱中」で思い出したタクシー運転手がいます。
場所は、パリ。1986年から1988年まで1年半ほど家族で住んでいた時の話です。
遊地が一人で乗り込んだタクシー。運転手は北アフリカのマグレブ系の風貌の男でした。5分ほど走ったところで、僕は聞きました。
あまり客がタクシーの運転手に聞く質問じゃないとは思いつつ
「なにかしんぱいごとでもあるんですか?(原文はフランス語)」といいました。
すると、彼は、堰を切ったように話し出したのです。
「実は、いま二人妻がいるんだけれどね、
とってもいい娘を見つけたから、第三夫人にむかえようとあれこれ準備をしていたら、こともあろうに第一夫人と第二夫人が結託して、それはいかんと言うのさ。それでもう、俺、頭のなかがぐっちゃぐちゃ。でもなんとか乗り切って結婚しようとおもってがんばっているのさ、でへへへ」というのでした。
僕はいいました。
「そうかい、キョーダイ。しっかり稼ぎなよ。でも、客をのせたらタクシーのメーターはなるべく倒すようにした方がいいなあ、これは少ないけど、飲み代にとっときなよ」
といって、普通の運賃の8割ばかりのお金をつかませました。
我を忘れる運転手は危ないという話しかもしれません。