地域の宝物)陳澄波の絵画「東台灣臨海道路」が福岡市に移動
2015/12/29
不正確な発表をそのまま鵜呑みにして書いたのでは報道とは言えないのですが、とりあえず本文を以下に貼り付けます。どこが不正確で、背景にどういうことがあるかをえぐり出すような報道を期待しています。
2015.12.29 山口新聞
防府図書館の台湾洋画家作品 状態含め調査・研究
福岡アジア美術館に寄託
防府市立防府図書館所蔵の油絵が台湾の洋画家、陳澄波(1895~1947年)の作とみられることが分かり、防府市は28日、この絵画を、アジアの近現代美術に関して専門性の高い福岡アジア美術館(福岡市)へ寄託したと発表した。
油絵は85年前の作品で、「台湾東海岸風景」という題名。大きさが縦70?、横130?。台湾東部とみられる海岸線の景色が描かれている。
防府市によると、1926~28年に台湾総督を務めた同市出身の上山満之進(1869~1938年)が購入した作品。満之進の尽力によって41年に防府図書館の前進・三哲文庫が開館した際、市が上山家から寄贈を受けた。長らく館内の壁に掛けられていたが、作品の劣化が進んだため、図書館が2006年に現在の場所(ルルサス防府)に移転してからは書庫の中で保管してきた。
満之進の伝記出版に係る調査の過程で、元龍谷大学教授の児玉識さん(円通寺住職)が資料をひもとき、陳の作品である可能性が高いことが判明した。8月には、陳澄波文化基金会(台湾)の理事長を務めている陳の孫が図書館を訪れ、作品に書かれた陳のサインを確認したという。
陳は台湾・嘉義市出身で1924年に東京美術大学に留学。26年には台湾人の画家として初めて帝展に入選した。その後、台湾美術展覧会などで指導的役割を果たし、47年に台湾で起きた二・二八事件で処刑された。近年、台湾や中国を中心に作品への評価が高まっている。
防府図書館所蔵の油絵は劣化して傷んでいたこともあり、防府市が、作品の修理・保存環境や防犯・防災体制の整った福岡アジア美術館への寄託を決めた。同美術館を所有する福岡市と22日付で寄託契約(寄託期間10年)を結んだ。今後、美術館側で専門的な知見から、作品の状態や描かれた背景についての調査・研究に入る予定。
二八日の定例会見では松浦正人市長は、一刻も早くより安全な場所で管理いただくことが大切だと思っている、と述べた。
ファックスのつごうで、文末少し切れたところ(市民にも見せる機会を云々)がありますが、あとで補充します。