再発見)台湾大学図書館で「南島雑話」下書き発見!幕末奄美の自然風俗記す RT @tiniasobu
2014/04/14
台湾大学での驚きをシェアいたします。
記事ID:KI]20140413_A0027000101S67004 (C) 南日本新聞社
掲載日:2014年04月13 日, 面名: 1 社,
「南島雑話」下書き発見 幕末 奄美の自然風俗記す
台湾大図書館で58枚
幕末の薩摩藩士・名越左源太が、当時の奄美の自然や風俗をまとめた「南島雑話」
の下書きが、台湾の台湾大学図書館で見つかった。朱書きの推敲跡や、南島雑話に収
録のない絵図が見られ、奄美市文化財保護審議会の弓削政己会長=奄美近世・近代史
=は「見比べることで研究の幅が格段に広がる。南島雑話が書かれた過程をひもとく
上で貴重」としている。
研究者の聞では下書きの存在は知られていたが、所在は不明だった。
3月上旬、別の資料調査で同館を訪れた山口県立大学の安渓遊地教授=人類・地域
学=と、妻で山口大学医学部の非常勤講師・貴子さん=生態学=が、鹿児島出身の博
物学者・故田代安定の関係資料を集めた田代文庫で、B4 サイズほどの58枚を発見し
た。
一部を画像で確認した黎明館調査史料室の内倉昭文室長は「実物の全体を見る必要
はあるが、南島雑話の下書きとみられる」としている。
文書には「辛亥(1854) 三月改 雑記下書 名越時行 (左源太のいみな)」とあ
り、絵や文でソテツ、ウリなど当時の島の食物や住宅を記録している。ソテツの幹を
輪切りにする様子など、南島雑話には掲裁されていない絵図もあった。「清書ニハ此
人ヲ今少シ大ク認ムベシ」と書かれた絵は、南島雑話で実際に修正されていた。弓削
会長は「名越がどのような思いで南島雑話をまとめたのかを知る手がかりになる」と
語った。資料は原則、台湾大学図書館でしか閲覧できない。安渓教授は「まだ確認が
済んでいない資料もあるので、調査を続けていく」と話した。
(山田天真記者)
南島雑話
薩摩藩士・名越左源太時敏 (1819~81 年)が、藩のお家騒動に連座して奄美大島に
配流されていた5年間(50年3月~55年4月)に見聞した自然や風俗を絵と文章で記録。
内容は、奄美の諸制度、地理、衣食住、行事、冠婚葬祭など多岐にわたる。
添付の図は、
「名越時行」の自署(中央下付近)のある「雑記下書」(台湾大学図書館蔵)
付記
新聞に掲載した図は、研究と教育に限定して、安渓遊地が台湾大学図書館から使用
許諾をもらっているものですので、転載などはご遠慮ください。
--
公立大学法人 山口県立大学
地域共生授業担当
国際文化学部国際文化学科 学科長
教授 安渓遊地(あんけい・ゆうじ)
〒753-8502 山口市桜畠3丁目2番地1号
山口県立大学