出版紹介)「祝島のたたかい~上関原発反対運動史」 毎日新聞です。 RT @tiniasobu
2013/10/09
毎日新聞の地方版です。次は全国版で紹介してくださいねー。
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20131009ddlk35040326000c.html
出版:原発反対の歴史、本に 「取り組みの原点伝えたい」--上関・祝島島民の会
前代表、山戸さん /山口
毎日新聞 2013年10月09日 地方版
◇座談会やデモの起源も
中国電力の上関原発建設計画(上関町)への反対運動を長年束ねてきた「上関原発
を建てさせない祝島(いわいしま)島民の会」前代表の山戸貞夫さん(63)が、反
対運動の歴史をまとめた単行本「祝島のたたかい~上関原発反対運動史」(四六判1
93ページ、岩波書店)を出版した。31年にわたる反対運動の端緒などが詳しく記
されている。山戸さんは「住民を反対活動家と誤解する人も多い。あくまで漁師や農
家など祝島の普通の住民が、なぜ30年以上も反対を続けてきたのかを伝えたかった」
と話している。【吉川雄策】
岩波書店から「上関原発反対の歴史について資料となるような本が出せないか」と
打診されたのがきっかけ。2011年秋に代表を退き、胃がんなどの手術を受けたこ
とから「今なら時間がある」と病室に資料を持ち込んで執筆を始めた。
運動の歴史に触れた本はこれまでにも複数出版されているが、いずれも島民が執筆
しておらず、事実関係のそごがあったり反対運動の契機に触れていないなど不十分な
ものが多かったという。
山戸さんは、現在も毎週行われ、1100回以上続く反対デモの起源にも触れてい
る。
それによると、原発問題が表面化した際、原発推進派寄りの態度を示した島の指導
的立場の人物に抗議しようと、島の女性20~30人が人物宅に向かって歩いていた
のが原点。その際、島の警察官に「道路を集団で歩くのはデモになり、許可が必要」
と言われ、以後、正式なデモになったという。また、反対運動が長く続けられる理由
は、家庭生活と仕事を優先させ、無理のない範囲で反対運動に取り組み、原発のカネ
に頼らない島おこしを進める態勢も整えたため、と解説している。
本では「より多くの住民の視点も入れたい」と、島の女性や漁師の座談会、反対運
動を攻撃する「怪文書」なども掲載した。
山戸さんは「町外から反対運動に関わる人にも運動の歴史を知らない人が多い。反
対運動の主人公はあくまで住民。生活を守る延長線上に反対運動があることが次世代
にも伝われば」と話している。
〔山口版〕