書評) #山戸貞夫 著『 #祝島 のたたかい #上関原発 反対運動史』 安渓遊地評@ #東京新聞 RT @tiniasobu
2013/10/07
10月12日、新聞が送られてきましたので、画像も掲載します。
http://ankei.jp/yuji/?n=1892 でもご紹介しましたが、
上関原発計画との祝島島民の31年間のたたかいの記録が単行本になって刊行されまし
た。
著者は反対運動のリーダーである山戸貞夫さんです。以下の岩波書店のリンクには、
著者紹介もあります。
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/tan/index.html
東京新聞からの依頼で、550字程度の書評をかきました。
2013年10月06日付で掲載されています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2013100602000176.html
以下、新聞に掲載された文章です。写真もありますが、ここでは省略します。
【書評】
祝島のたたかい 上関原発反対運動史 山戸貞夫著
◆生死の問題、非暴力で
[評者]安渓遊地=山口県立大教授
原発新規立地を止め続ける島として注目を集める山口県上関(かみのせき)町祝島
(いわいしま)。その住民運動の三十一年を島の当事者が語る。中国電力上関原発予
定地の海は生物多様性の宝庫でもある。その自然との共存を果たしながら、たゆみな
く反対運動を続ける島人たちの強さの秘密がわかる好著。
原発予定地は島の集落から三・五キロ。事故が荒天に重なれば避難はできない。こ
の「生き死にの問題」に対し、漁を休んでの連日の阻止行動や何十日もの二十四時間
体制の見張りと千百回を超えた月曜デモの持続。巨大な組織と金とのたたかいは息を
のむ出来事の連続である。
著者は祝島漁協組合長として海の男をまとめ、女性たちの信頼も得た。逮捕者を出
さないため、女が先頭にたつ「口撃」。夜通しの見張りがそのまま井戸端会議になり、
予定地の「散歩」が工事車両を止める。祝島の編み出した非暴力の戦術の数々は、住
民運動を地域で持続させるための教科書そのものだ。
「島に生き、島に住み、島で一生を送りたい」という切なる願い。地域の特性を生
かし、希望と誇りに満ちた島を子や孫の世代に手渡す具体的な計画にも触れている。
巻末には推進側との緊迫のやりとりや女性たちのユーモアたっぷりの座談会なども収
録。福島第一の事故後に雨後の筍(たけのこ)のように現れた原発本と一線を画する、
いま必読の実践の書である。
(岩波書店・2205円)
やまと・さだお 1950年生まれ。元祝島漁協組合長。著書『祝島日誌』。
◆もう1冊
山秋真著『原発をつくらせない人びと』(岩波新書)。祝島の反原発運動のルポ。
島の歴史や風土、文化も描かれる。
以上で新聞の引用を終わります。
『祝島日誌』は、原発いらん下関グループの発行で、1500円です。
祝島市場(いわいしま いちば) の ホームページには出版物のコーナーもあるの
ですが、まだ掲載されて
いませんね。書店で手に入らない場合は、直接 祝島市場へ、メールでお尋ねくださ
い。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~jf-iwai/