野山のめぐみ)キツネの肉をもらった時 #game_#fox_meat_#cooking_RT_@tiniasobu
2006/02/04
2018年9月30日修正
山口市仁保の近所の猟師さんが、イノシシの肉をくれました。食べないという知人もいますが、西表島で食べ慣れているわが家ではとっても美味しくいただきました。
「先生どうやった?」 「とても美味しかったです」
「今度はイノシシの骨をあげようか」 「はい、お願いします」
フランス風にポトフにして美味しくたべました。
「先生どうやった?」 「とーっても美味しかったです」
「今度、頭はいらんか」 「はあ、いただきましょう!」
大鍋に入った 頭まるごとの かぶと炊き が届きました。
少し大根などの野菜も入っていて、しっかり残さず食べました。
「先生どうやった?」 「はい、とても美味しかったです」
しばらくして、パックに入った桃色の肉が1キロほど届きました。
「これは何の肉ですか?」 「き つ ね」
「お味は?」 「最低!」
最低のお味の肉をくれるとは、これは、おちょくりか、愛か、それとも挑戦でしょうか。
たぶん、挑戦だと解釈して、
肉片を500円硬貨ほど切り取って薪ストーブで焼くと、あの動物園のキツネのおうちのにおいが土間一面に立ちこめ、
口に入れようとするのですが、鼻よりこちらに近づけることがなかなかできません。
困った。
こんなときあなたならどうしますか。
わが家では、困ったときの人だのみ。
知ってそうな人に電話かけまくりです。
知り合いにキツネ食った人はいませんでした。
でもタヌキなら食べたという人がいました。
「あんとは、牛乳で炊くとにおいが消えます」
早速4分の1ほど薄切りにしたキツネ肉を牛乳で炊き、茶色いアクをすくいにすくって、
肉じゃがをつくりました。
まだかなり臭うので、胡椒をぱっぱと入れました。まだまだ臭うので、カレー粉を入れているうちに
いつのまにかカレーができたので、家族で食べました。
マトンの風味で悪くありません。
1週間後、来客がありました。
残りのキツネ肉のカレーをご馳走することにして、朝から準備にかかります。
薄切り肉を冷たい牛乳で洗い、それをいったん捨てて、牛乳を入れ替え、とろ火で焚きながらあくをすくい、お湯を注いでいきます。
あくがもう出なくなったら、冷たい水でもみ洗いをして
チリワインの赤、カベルネソービニオンの半本分を奮発して、野菜といっしょに炊きあげカレー粉をいれました。
だまって出したカレーを、おいしいといって食べてくれました。
何の肉かと問われてはじめて、
実は、キツネ肉と ばらしたら、
二人は「ますますおいしい」とお代わりをしました。
「野生の力のある肉を食べると、僕は朝早く目が覚めるんだ」
といって帰った客から、
「朝5時に目がさめました。やはりあの肉にはパワーがあります」
というメールが来ました。
このいきさつをハガキにしたためて礼状を送りました。
まもなく猟師が訪ねてくれました。
「あのキツネはどのくらいの大きさでしたか」
「もうすぐしっぽが9本に分かれそうな大キツネじゃった。今日はタヌキの肉を持ってきてあげた。」
「食べ方は?」
「これはふつうの肉じゃから、そのまま薄切りにして、すき焼きにしなさい」
それでも、牛乳でアクだしをして、若い女性達にふるまいました。
「おいしい、おいしい」と 大学のゼミ室で
ぱくぱく食べる彼女たちの頭上に、そこはかとないけもののにおいが漂っていました。
次はウサギがこないかなあ。