大学1年生へのキャリアサポート)受講生のレポートから「充実した人生を築くために」必要な3つのこと #career #Jobs RT @tiniasobu
2012/11/20
山口県立大学の1年生全員が受ける授業に「基礎セミナー」があります。後期の担
当になりました。最近の授業は、就職対策室(いまはキャリアサポートセンターとい
います)のセンター長さんのお話を2回連続で聞いて、学生たちで討論するというも
のでした。
わたしは、国際文化学科の1年生13人を担当していますが、
内容(教員の助言を膨らませつつ自分で文献を探してきて考える)
形式(とくに引用か所の文中での表示の仕方)
表現(ジョブズにならって3つのことが大切とする)
ともに充実した小レポートが提出されましたので、ご本人の了解のもと、実名入りで
シェアさせていただきます。以下引用です。
基礎セミナーⅡ小レポート
充実した人生を築くために
山口県立大学国際文化学部国際文化学科1年 小田桃花
今大学生の私たちもいつかは卒業し職に就き、自分の力で生計を立てていかなけれ
ばならない。就職活動などの準備もする必要があるだろう。お金は生きていく上で必
要不可欠なものだし、安定した職、生活は魅力的だ。しかし、ガイダンスを受け、た
だ職に就ければいいのだろうか。「時は金なり」ということわざがあるようにお金で
買うことのできない大切なものもあるのではないか。就職するだけが人生ではないし、
せっかくある大学での時間を将来のために“準備すること”だけに費やすのはもった
いない。今ある時間、今いる環境を大切にしながら、将来自分がふり返って
満足のいく人生を送りたい。これらのことから、私は自分にとって素晴らしい人生を
築くために以下の3つが重要だと考える。
第一に、今を大事にし、充実した生活を送ること。
将来のために今やらなければならないことは沢山ある。しかし今しか挑戦できない
ことも沢山ある。私たちには今しか出来ないことを思い切りやって、人生の充実した
一部分を築きあげることが必要だ。そうすることで将来、自分のやってきたこと歩ん
できた道を人へ自信を持って伝えることもできる。岩附 (2009: 97) も、今の時間の
積み重ねが人生そのものだから楽しく充実した時間を過ごすべきだと述べており、「
時は金なり」「思い立ったが吉日」(ことわざ) や「今が最も大事です」(相
田みつを) などを紹介している。今を懸命に生きることが将来自分の最も価値ある財
産になるのだ。
第二に、やると決めた目的のために出来ることはすべてやること。
自分が成長していくためにはまず自分の到達したい明確な目的をもち、それを実現
するために今自分ができることをすべてやることが必要だ。なぜなら目的のために努
力し、しっかり準備をしていなければ、目的達成するために何が自分に足りないのか、
さらに何をするべきなのかが見えてこないからだ。つまり自らの伸び代を見つけるこ
とができないのである。
Roviraら (2004: 100-101,109) は、幸運とは限られた人だけに偶然やってくるも
のではなく、下ごしらえをしっかりとした者のもとに公平に訪れるものである。幸運
を作るというのは、チャンスに備えて下ごしらえをしておくことであり、その下ごし
らえは、自分にしかできない。だが今すぐに始めることができる。と述べている。しっ
かり準備し努力した後にしか見えてこない、結果よりも大切なものもあるのだ。
第三に、広い視野を持ち、たくさん経験をすること。
何かひとつのことに興味をもって取り組むことは素晴らしいことだ。しかし私たち
の周りには面白いことや学ぶことのできる機会など、さまざまな可能性で溢れている。
いろいろなものを見て視点を変えて初めて見えてくるものもあるだろうし、そういっ
たことから得られるものは自らの可能性をさらに高めてくれるだろう。
Steve Jobsもスタンフォード大学での卒業スピーチで、「Stay hungry, stay fool
ish. (ハングリーであれ。馬鹿であれ)」未来に先回りして点と点を繋げて見ること
はできない、君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけである。点と点が
自分の歩んでいく道の途上のどこかで必ずひとつに繋がっていく、そう信じることで
君たちは確信を持って己の心の赴くまま生きていくことができる。と、述べている(
PSTY.NET備忘録のサイト)。これから先の未来、何が自分に生きてくるかはわからな
いのだから私たちは貪欲に経験し、知識を吸収すべきだろう。
これまで述べたように、今を充実させ頑張ることを続けていればそれがそのまま、
充実した人生の一部となっていくのである。Roviraら (2004: 100-101, 109) もチャ
ンスのための下ごしらえは今すぐに始めることができると述べている。私たちはしっ
かり自分と向き合い、自分にとって大切なものは何かを考え、少しでも早くチャンス
への準備を始めるべきだろう。
引用文献
・Alex Rovira, Fernando Trias de Bes, 2004『Good Luck』ポプラ社
・岩附正明, 2009『充実した大学生活のために――先人の知恵に学ぶ』大学教育出
版
引用ウェブサイト
・「PSTY.NET備忘録 (市村佐登美さん翻訳によるSteve Jobs氏のスピーチ)」
http://psty.tumblr.com/post/9502833615/steve-jobs (2012/11/13閲覧)
(以上、引用終わり)